さて、いよいよ8作目です。
2017年の作品。
ジョージ・ルーカスが、もともと構想していた9部作をカノンというのだそうです。
というのも、「スター・ウォーズ」が、ここまで地球規模のビッグ人気コンテンツになってくると、スピン・オフ企画や、テレビ版なども、あちこちで登場。
これらと区別するために、本シリーズはあくまでこちらですよという意味でこの名前が付けられたとのこと。
本当のファンならば、スピンオフ作品も、もれなく鑑賞していくところでしょうが、旧作からの出戻りファンとしては、まずはカノンからやっつけていくことにいたします。
まず、前回に挙げたキャリー・フィッシャー問題は、僕の勘違いでした。
エピソード7は、WOWOWで録画したもので観賞したのですが、映画終了後にキャリー・フィッシャーの追悼コメントが出てきましたので、てっきりこの作品の後で亡くなったのだとばかり思っていましたら、実際の遺作はこちらでした。
映画本編のエンドクレジットに、ちゃんと正式な追悼コメントがありましたね。
彼女の享年は60歳でしたが、映画の印象ではやや老け気味。
私生活では、だいぶ薬物に依存していたらしいので、この辺りも影響していたかもしれません。
前作の最後で、やっとルーク・スカイウォーカーが隠遁していた惑星にたどり着いたレイ。
そして、彼のもとで、自らに宿るフォースを磨き、ジェダイの修行を積んでいくというのが本作の展開。
というわけで、本作で大きくクローズアップされてくるのが、ルークを演じるマーク・ハミルです。
エンド・クレジットのキャスティング・トップも、堂々と彼でした。
30年前に作られたシリーズ第1作のヒーローを演じた彼が、そのままの実年齢で堂々と再びヒーローとしてカムバック。
こういう映画はなかなかありません。
日本で言えば、ドラマ「北の国から」シリーズや、「男はつらいよ」シリーズみたいなもの。
ファンから長く愛されてきた作品であることと、役者もそのキャリアを続けていたからこそ出来たキャスティング。
前作では、ハン・ソロを演じたハリソン・フォードが活躍して、ファンを喜ばせましたが、本作ではいよいよ「最後のジェダイ」ルーク・スカイウォカーこと、マーク・ハミルの出番です。
これは、ファンにとっては感涙もの。たまらないでしょう。
さて、続三部作トリロジーの真ん中にあたるのが第8作目。
シリーズを一気に見てきましたので、もう楽しみ方のツボは、学習できています。
エピソード7には、30年を経たエピソード6からの物語をブリッジさせるという重要なミッションがありましたが、その大役はJ.J.エイブラムスが見事にクリア。
それを受けての、本作のミッションは、今度は物語の風呂敷を広げるだけ広げて、エピソード9に向けて、ファンの期待を膨らませるだけ膨らませると言うこと。
シリーズを面白くするもしないも、トリロジーの真ん中のこの作品にかかっています。
その意味では重要な一本。
この役目を担った監督は、ライアン・ジョンスン。
脚本も担当した彼は、気合もたっぷりで、本作は、シリーズ最長の150分の作品となりました。
さて、やっとジェダイ・マスターに会えたレイですが、ルークは、なぜか彼女にジェダイの奥義を教えることを拒否。
この星から去れと、言い放ちます。
それでも必死に食い下がるレイ。
ルークにとっては、盟友ハン・ソロと、妹レイアから預かったカイロ・レンを、修行中にフォースのダークサイドに堕としてしまったということが、大きなトラウマになっています。
しかし、ハン・ソロが、息子のカイロ・レンに殺されたことを知りルークの気持ちは揺れ動きます。
旧知の、R2D2や、C3POと再会も果たし、やがて自らの使命感を取り戻したルーク。
惑星オク・トーで、レイのジェダイ修行が始まります。
一方、ファースト・オーダーの猛攻は次第にその勢いを増し、レジスタンスは防戦一方。
ポーは、レジスタンスの中で、そのやる気が空回りし、命令に背く行為で降格させられてしまいます。
前作で、カイロ・レンに重傷を負わされたフィンは、医療カプセルから復活し、レジスタンス部隊に合流して、ファースト・オーダーのメガ・スターデストロイヤー基地に向かいます。
さて、その彼の相棒になるのがローズ。
演じるのは、ケリー・マリー・トラン。
両親がベトナム難民という、ベトナム系アメリカ人です。
さあ、いよいよ待望の、アジア人のメイン・キャラクター登場。
女性の主人公が登場し、黒人キャラも登場。
これは、アジア人キャラも出してもらわないと公平ではないぞとモヤモヤしていたところへ、とびっきり威勢が良くて愛嬌たっぷりのアジア人キャラが登場してきました。
このキャスティングに、本国アメリカでは、心ない誹謗中傷もあったようですが、我らがアジア代表のヒロインは、次第に存在感を発揮し、フィンをサポート。
最後は彼の命も救う大活躍。
このアジア人女性キャラが、綾波レイのようなアニメ系美少女であったり、峰不二子系のセクシー・ナイスバディキャラであるとしたら、オジサンとしては納得がいかなかったところ。
そういうキャラなら、活躍すのは別の映画でよろしい。
この「スター・ウォーズ」で活躍するキャラなら、このキャスティングで文句なし。
一方、ルークの指導のもとで、次第にフォースの力をつけてきているレイは、スター・デストロイヤー基地のカイロ・レンと次元を超えた交信ができるようにまでなっています。
レイは、ルークとフォースの修行を重ねていくうちに、ジェダイの復活には、今はダークサイドに落ちているカイロ・レンを、再びライトサイドへ呼び戻すことが不可欠だと確信するようになります。
そしてレイは、修行の途中で、カイロ・レンを呼び戻すために、スター・デストロイヤーに向かいます。
しかし、そこで捕らえられてしまったレイは、暗黒卿スノークの前で、カイロ・レンと対決することになります。
しかし、カイロ・レンのとった行動は・・。
レジスタンス部隊は、ファースト・オーダーの攻撃で、昏睡状態になったレイア将軍に代わり、ホルド提督が指揮官になります。
演じているのは、「ジュラシック・パーク」などでお馴染みのローラ・ダーン。
180cm近い長身の彼女なので、スペース・オペラ映えもバッチリ。
その彼女の身を呈した献身的活躍で、なんとか石の惑星クレイトに避難したレジスタンス部隊。
カイロ・レン率いるウォーカー部隊が、その最後の砦に迫り来る中、基地に突然現れたのがルーク・スカイウォーカー。
妹レイアにハン・ソロの形見を手渡すと、彼は意を決したかのように、その身ひとつで、ファースト・オーダーの大部隊の前に歩み出ます。
そして、かつての教え子カイロ・レンとの、マジック・アワーの中でのライト・セーバー対決。
「レジスタンスは死んだ。お前を殺せば、最後のジェダイが死ぬ!」
吠えるレンに、ルークはゆっくりとこう答えます。
「その言葉のすべてが間違いだ。レジスタンスは、再び立ち上がる。
そして、私は最後のジェダイではない!」
一方、ファルコンで、惑星クレイトに到着したレイは・・
というわけで、いよいよトリロジー完結のエピソード9への期待が大いに高まったところで、エピソード8は終了。
さて、エピソード7からは、ジョージ・ルーカスの手を離れ、ディズニーによる制作になっている「スター・ウォーズ」シリーズ。
ルーカスの構想した物語が下敷きになっているとはいえ、脚本にはかなりのディズニー寄りの変更があることは想像に難くないと思われます。
はたして、ジョージ・ルーカスのオリジナル脚本に、このトリロジーのレイやフィンのキャラ設定があったかどうか。
これはちょっと興味のあるところ。
いずれにせよ、ローズのキャラ設定も含め、キャスティングを、今の時代に合わせるための変更は随所にあったように思われます。
ディズニーの徹底的なマーケットリサーチはしたのでしょう。
本作では、前作に比べ、カイロ・レンの存在が俄然クローズアップされてきました。
エピソード8を見終わった限りで言えば、レンとレイの一騎打ちが、自作のクライマックスになってくるのは必至。
旧三部作からの物語をつなげる、ハン・ソロと、ルーク・スカイウォーカーの役目はここまでで無事終了しています。
映画の中では、まだレイアは生き残っていますが、キャリー・フィッシャーはすでに他界。
いよいよ、自作はこのトリロジーのオリジナル・キャストだけで、物語を盛り上げていく展開になってきます。
いまだに、その出自の謎が明かされないレイ。
カイロ・レンがダークサイドに落ちた経緯も微妙に説明されていません。
この辺りの謎が明らかになっていくのが、自作のクライマックスへの展開と想像はしますが、もしかしたら、まだとんでもないサプライズが用意されているかもしれません。
ライアン・ジョンソン監督からのバトンを受け取るアンカーに、またまた指名されたJ.J.エイブラムス監督が、果たして、この物語をどう締めくくるか。
楽しみです。
ところで、ラストに出てくるあの子供たちって?
コメント