シン・ウルトラマン 予習編
庵野秀明監修、樋口真嗣監督による、東宝特撮愛が溢れんばかりの新作「シン・ウルトラマン」が公開されています。
Covid-19 の影響で、遅れに遅れた公開でしたが、ネット上では、待ってましたとばかり解説動画のオンパレード。
ネタバレなしから、ネタバレありまで、ここで視聴数を稼がない手はないとばかりに、雨後の筍のように、映画解説系YouTuber たちが、動画を競うように上げています。
どう考えても、「ウルトラマン」放送時点では、生まれていないような若者たちも、まるで、旧シリーズを見てきたかのように解説するので、これには驚いてしまいます。
ウルトラマンが放映された、1966年には、バリバリの小学生だった、まさにど真ん中世代の特撮ファンとしては、今回のリメイクは、やはり拍手喝采で迎えたいところ。
しかし、特撮ファンとは言っても、僕の場合は、「帰ってきたウルトラマン」以降のウルトラ・シリーズは、ほとんど見ていません。
これは熱心なファンたちに対しては、やや負い目がありますね。
企画脚本の庵野秀明氏は、世代的にはちょうど僕と一緒。
こちらが、小学校高学年にもなると、早々に怪獣特撮から卒業して、マセた映画ばかり追いかけるようになってしまったのに対し、彼は子供の時の感動を風化させることなく、一途に「怪獣愛」を貫き、「宇宙戦艦ヤマト」や「機動戦士ガンダム」などのSFアニメ王道アニメにも青春を捧げ、自ら「新世紀エヴァンゲリオン」を作り上げることで、国民的クリエーターとなり、「シン・ゴジラ」で、全世代のゴジラ・ファンの溜飲を下げ、今回いよいよ満を持して、原点でもある「ウルトラマン」のリメイクを完成させてくれたというわけです。
庵野氏のように人生を捧げるまでの一途な想いはなかったにせよ、現役当時は、こちらもウルトラ・シリーズの怪獣の名前なら、その登場タイトルまで、全てを暗記していたそれなりの怪獣オタクです。
畑仕事をしながら、YouTuber たちの解説動画を片っ端から聞いているうちに、今回の「シン・ウルトラマン」で採用された旧ウルトラシリーズからのネタもとは、ほぼ以下の4話と判明。
第三話 「科特隊出撃せよ」透明怪獣ネロンガ登場。
第九話 「電光石火作戦」ウラン怪獣ガボラ登場。
第十八話 「遊星から来た兄弟」ザラブ星人登場
第三十三話 「禁じられた言葉」メフィラス星人登場。
そんなわけで、今回は「シン・ウルトラマン」をいずれ見るための予習として、旧シリーズからの上記4話を、再見して、「シン・ウルトラマン」に備えようと思った次第。
「ウルトラセブン」までのウルトラ・シリーズは、見たい時にいつでも見れるように全作DVDを揃えてあります。
さて、子供時代のヒーロー「ウルトラマン」を久しぶりに見ましたが、いやあ懐かしい。
特撮技術で語るなら、もちろん最新SFXを駆使した昨今のCG映画と比べれば、大いに見劣りすることは当たり前ですが、それに対して、「なんだやっぱりちゃちかったんだ」なんて野暮なことを言うつもりはありません。
そんなことよりも、当時の自分が、この映像に興奮させられ、夢中にさせられたと言うことが肝心です。
ウルトラマンは、今でこそカラーで当たり前ですが、僕らがリアルタイムで見ていた頃は、白黒テレビが当たり前でしたから、もちろんモノクロ映像。
それを、どの少年たちも一冊は持っていた「怪獣図鑑」で、カラーリングの部分は補完してみていたわけです。
タイトルにドーンと出てくる「空想特撮シリーズ」。
怪獣が、毎週のように登場するという非現実な世界を、庵野・樋口コンビは、「シン・ゴジラ」でやったように、出来る限り、現代の社会にリアルに置き換えて、今はもう還暦近くになっているはずの、当時の少年たちも、そして、ただいま現在で、「ウルトラマン」を楽しもうとしている子供たちも、そして、やたらとリテラシーの高い特撮オタクたちも、全てひっくるめて、納得させ、楽しませようとしてくれているわけですから、頭が下がります。
しかし、誰よりもマニアであったはずのお二人が納得のいく作品を作ってくれれば、こちらとしては文句をつけようとは思いませんのでご安心を。
ただただ、感謝するのみです。
あの当時の技術であれば限界であったことや、緩かった科学考証。今の常識ではあり得ない設定は、もちろんあげればキリがありませんが、この辺りをどう処理するのかは、一切お任せいたします。
例えば、中に人間が入る着ぐるみ怪獣ゆえに、4足歩行の怪獣たちの「後ろ足」問題というのがありましたが、実際の4足歩行動物たちのようには曲がらない後足の違和感をどう表現するのか。
今回の映画化では、あの頃にはなかったCG技術が駆使されるので、この辺がどう処理されるかは、ちょっと気になるところ。
「シン・ゴジラ」では、第一形態の4足歩行状態のゴジラの足元は一切描かないと言う演出をしていましたが、今回の「新ウルトラマンでは、ネロンガやガムランなど、4足歩行の怪獣が多く登場しますので、この辺をどう処理するのかは、個人的には注目したいところ、
庵野氏が、旧シリーズの「味」を大切にするのか、それともあくまでリアルを追求するのか。
製作陣のこだわりには興味が湧くところです。
科学考証については、だいぶ大人になってから、柳田理科雄氏の「空想科学読本」を読んで、ちょっといやらしい大人視線から、ウルトラマンを再検証したりもしましたが、おそらく、「シン・ゴジラ」をあそこまでリアルに、今の日本に登場させた庵野氏のことですから、ここからのネタも、上手に拝借して、脚本には取り込んでいることだろうと想像します。
設定で言えば、科学特捜隊の本部に自由に出入りできていたホシノ少年の存在なんて、子供の頃でも「そんなのありえないよな」と思っていたものですが、そこは「鉄人28号」の金田正太郎少年が、子供ながらに拳銃を所持していたのを容認していたという弱みもあり、「空想科学シリーズ」のお約束だと納得していたものですが、果たして、ホシノ少年に相当する子供は登場するのか。
メフィラス星人の回は、巨大フジ隊員が登場することもあって、個人的には好きな回でしたが、彼はフジ隊員の弟に「地球をくれないか」と迫って、結局拒否されて地球を去っていきます。
まさか、このエピソードがそのまま、2021年のウルトラマンの脚本になることはないと思われますが、一体どう処理するのか。
「遊星から来た兄弟」では、ザラブ星人が登場しますが、この回には、ニセウルトラマンも登場します。
果たして、「シン・ウルトラマン」にも登場するとするなら、果たして、あんなふうに如何にも悪者風に、目が吊り上がっているのか。
等々、数え上げれば、色々と楽しみは満載です。
すいません。
セコくて申し訳ありませんが、今年の暮れぐらいには、Amazon プライムで見れますよね?
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