BSで、往年のミステリー・ドラマの傑作「刑事コロンボ」が続々とオンエアされています。
もちろんしっかりエアチェック。
このゴルーデンウイークにまとめて見よう思っています。
しかし、それまで待てずに思わず見てしまった1本がシリーズ第一作「構想の死角」。
監督のクレジットに、スティーブン・スピルバーグとあってビックリしました。
この時の彼は、24歳。
このドラマを演出した直後に、「激突!」を監督して、ブレイクすることになるわけです。
そう思って見て見ると、冒頭の、大通りを走る犯人の車から、ビルの部屋でタイプライターを打っている被害者までを移動撮影のワンカットで見せるあたりの演出は、とてもスピルバーグ的。
すでに、スピルバーグチックを垣間見れる感じ。
ピーター・フォークも、これ以前の彼が監督したテレビドラマを見て、若いながらも、その演出の確かさを認めたうえで、この作品の監督を承認したといいます。
「刑事コロンボ」シリーズは、僕が中学から高校時代にかけて、NHKでオンエアされていました。
冒頭で、犯人の犯行を、まず描いてから、コロンボが登場。
犯人との駆け引き中で、その完全犯罪を暴いていくという「倒叙型ミステリー」のスタイルは、実に新鮮で、面白かったですね。
「まちがいなくクロだけれど、決め手にかける」という展開の中で、コロンボが仕掛ける「逆トリック」が、このシリーズの基本的見せ場。
中には、少々ズルイというのもありましたが、やはりこれで、犯人が落ちるシーンは、ドラマ的カタルシスにあふれていてとても痛快でした。
そして、その痛快なラストのために、ドラマのあちらこちらに張り巡らせた絶妙な伏線。
このシリーズに痛く感銘を受けていた、脚本家の三谷幸喜が、このシチュエーションを踏襲して、あの「古畑任三郎」を作り出したのは有名な話。
テレビドラマではありますが、どの一本をとっても、映画に負けないくらいのクオリティがあるシリーズです。
「構想の死角」というタイトルは、この当時ベストセラーになっていた、森村誠一の推理小説「高層の死角」をもじったものでしょうか。
原題は「Murder by the Book」。
ですから、直訳すれば「型どおりの殺人」てなところでしょうが、試しにこの原題を、翻訳のサイトで和訳してみたら、ビックリ。
ちゃんと、「構想の死角」と訳されてきましたよ。
「うちのカミサン」に教えときましょうかね。
「そうそう、もうひとつだけ、よろしいですか? これだけお聞きしたら、退散しますから・・」
では、ここまで。
コメント