1959年の、ビリー・ワイルダー監督による傑作コメディ。
何度見ても、面白い喜劇というのはホンモノですな。
マリリン・モンローは、申し訳ないけど、このちょっとお馬鹿なセクシーキャラが一番光ることは間違いなし。
まあ、彼女のなんと魅力的なことよ。
もちろん、トニー・カーティスと、ジャック・レモンの芸達者ぶりも秀逸。
特に、ジャック・レモンの、喜劇役者としての資質は、この映画で完全に開花しましたね。
マリリンは、この映画が、モノクロで撮影されると知って、偉くご機嫌斜めだったそうですが、
この二人の女装を考えると、これはモノクロで正解。
カラーで撮影したら、どぎつすぎて、キワモノ映画扱いされたかもしれません。
とにかく、この映画でボクが一番好きなのは、やはり、マリリンと、トニー・カーティスのキスシーン。
自分には、トラウマがあって、キスで何かを感じることはない。
こういう、シェル石油御曹司になりすましのトニー・カーティスに、マリリンが熱烈キス。
こんなに、コメディとお色気シーンがマッチングした
設定はないですな。
そして、ビリー・ワイルダーの小技も光ります。
特に僕が好きなのはこのシーン。
マリリンがキスをすると、彼女の肩越しに、トニー・カーティスの足が、ニョキーッと上がってくる。
このタイミングと間が絶品。
何度も見て、わかっていっても、おもわずニンマリです。
ビリー・ワイルダーのコメディセンスの面目躍如。
そして、ラストのあの名セリフですな。
どーんと観客を笑わせておいてのエンドマーク。
喜劇っていうのは、こうやて作るんだよという、見本のような、
ワイルダー円熟期の余裕と自信にあふれた傑作コメディです。
あのラストで、吹き出さない人なんて、いないだろうなあ。
ああでも、もしかしたらいるかもしれない。
だって、
「完璧な人間なんていない。」
コメント