今から12年前は、短歌がマイブーム。
目に入る風景を、片っ端からの五七五七七にしていましたね。
季節は夏。
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気象庁梅雨明け宣言しないなら宣言しよう季節すでに夏
天気予報軒並み最高温度出て「氷」の看板食堂の前
ガイドブック「ハワイ」「グァム島」棚に戻し「近場キャンプ場」手に取るパパ
全開の夏の太陽照りつけて日陰がにぎわうアフターランチ
練習後並ぶ蛇口にダッシュする坊主頭に水飛沫はね
雲の上誰かがバケツ転がして右往左往する夕方近く
提灯が両脇並ぶ商店街缶ビール箱で買ってゆく人
おそろいの浴衣の姉妹夏祭りもらった小遣い握り締め行く
かき氷冷麦西瓜チョコミントがんばれお腹理性働かず
稲妻が光って停電十五分することなくなる都市の生活
宿題も進学塾もあるけれど主役は笑顔子供らの夏
炎天下氷あずきの二杯目に下る天罰眉間直撃
熱帯夜つけっぱなしのテレビからもれてくるジャズフィルムノワール
朝の風デッキチェアでまどろめば雲の向こうに陽射しの気配
街ゆけば歩いてるだけで口が開き関東一円本日サバンナ
潮騒と一緒に届く君の声スクランブル交差点で聞く
風鈴をじっと見つめて風を待ちチリンとなって報われる時間
「どこいった?」「ええちょっと」と頭かくスーツに似合わぬ日焼けした顔
よく冷えた缶のジュースを飲む前にしばし頬に当て「フウッ」と一声
友からの便りは北の大地からラベンダーの香ほのかに漂う
公園の小さな噴水占拠してずぶ濡れになれる子供らの勝ち
アスパラをショリッと炒めざるそばに一品添える真夏の夕餉
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