さて、二月に入りました。
平成十三年の2月を自分の拙い短歌で振り返ってみます。
四十二歳だったスケベオヤジ目線には、当時の巷はこう写っていました。
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二月
おやじギャグ一度受ければそのネタを何度も使ってしまう悲しさ
視線までセクハラどうのといっているその子を案じてじっと顔見る
軽やかにガードレールを飛び越えたつもりが着地でこけて減点
休日もいつもの時間に目は覚めてそこから寝直し出来る幸せ
鬼は外福は内ならおとうさん外にいるべき内にいるべき
しもやけやひびあかぎれは今はなく子供たちの手きれいになりぬ
様子見に病院のぞけば顔崩す七十の父は我が子になりぬ
仕事前ドラム缶の火に手をかざし煙草幾筋雲が呑み込む
会社の子連れて歩けば信号で娘を見つけあわやニアミス
マイカーで会社へ急ぐお姉さん信号待ちでメイク整え
雪抱く山一面のキャンバスが夕陽の赤で静かに染まり
この地球百万年の蓄えを一年で使う現代社会
朝風呂や手が届くとこに服そろえ着替えて急ぎコタツに飛び込む
旅支度新しき靴玄関に思いめぐらせもうひと仕事
「えっ俺にいいのにそんな」といいながらあいつのもらうチョコも気になり
バレンタイン義理チョコ選ぶ女の子男のランク検討最中
叱られて母親の後ろ歩く子に小さな妹手招きをする
雪かぶりひっそり佇む観覧車週末までの静かな時間
まだ冬は峠を越えぬ如月にほんの一日春の訪れ
保母さんにワゴン押させてお散歩はそこのけそこのけ園児が通る
なにかやるときは不思議と重なってもうあきらめて早寝決め込む
早咲きの梅がこっそり花開き小さな春が目を覚ます頃
あれがないあれどこいったと探し物人生半分それに費やす
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