さて、スター・ウォーズ・シリーズの第7作目。
ジョージ・ルーカスが監督した新三部作から12年後に始動した続三部作です。
物語は、3作目のエピソード6の後日譚。
監督のJ.J.エイブラムスは、最高潮に高まる期待を一身に受け止めて、実に丁寧にこの映画を作ったなあ思います。
エピソード6の惑星エンドアの戦いから30年後の銀河。
つまり、旧三部作で活躍したメイン・キャラクターが、そのまま実年齢で登場してもおかしくないという設定。
これをやってくれたら、オールドファンはたまりません。
すでに、60代から70代になっている、マーク・ハミル、キャリー・フィシャー、ハリソン・フォード。
さて、彼らが果たして、30年ぶりに、スター・ウォーズに帰ってくるか。
期待は高まります。
さて、本編紹介の前に、一つ大事なこと。
実は、このスター・ウォーズの権利を、この映画の製作に先立って、ディズニーが、ルーカス・フィルムから買い取っているんですね。
つまり、このシリーズの本作以降は、ディズニー主導で作られていくこということ。
これにより、このスター・ウォーズは、当初ジョージ・ルーカスの構想していた全9作で完結する予定のシリーズが、さらに延長して製作されていくことが決定しています。
さあ、そうなると、スター・ウォーズは、産みの親であるジョージ・ルーカスの手から離れて、今後かなりディズニー寄りになって行くことは確実。
これが、スターウォーズ・シリーズにとって、吉と出るか、凶と出るか。
それを占う意味でも、重要な意味を持つ今回のエピソード7です。
さて、エピソード6で、ルーク・スカイウォーカーに壊滅させられた銀河帝国。
30年後には、その残党たちが生き残り、ファースト・オーダーという新たな勢力になって台頭。
そして、共和国の支援を受け、このファースト・オーダーに立ち向かっているのが、レイア・オーガナ姫が指揮するレジスタンス。
ファースト・オーダーは、かつて煮湯を飲まされているルークを抹殺しようと虎視眈々。
しかし、ルークは、消息を絶って行方不明になっています。
もちろん、レイアも、一緒にファースト・オーダーと戦うべく、実の兄のルークの行方を追っています。
このルークの居場所を記した地図を持っていたのが、惑星ジャクーにいる冒険家ロア・サン・テッカ。
演じるのがなんと、あのマックス・フォン・シドー。
イングマル・ベルイマン監督の作品で、存在感を示したスウェーデンの名優です。
このキャスティングには、前作のクリストファー・リー同様、僕のような古い映画ファンは、どうしても反応してしまいます。
マックス・フォン・シドーといえば、1950年代の映画で、主役を張っていた人です。
「エクソシスト」では、悪魔と戦うメリン神父を演じた人。
その彼は、いったい何歳なのか。
やはり気になって、Wiki してしまいましたが、1929年生まれの彼は、この映画の制作された2015年当時で、なんと86歳。
映画の中では、惑星ジャクーに攻め込んできた、ファースト・オーダーの軍隊を指揮するカイロ・レンにライト・セーバーで斬り殺されてしまい、出番はわずかでしたがさすがの存在感。
前作のクリストファー・リー然り、その前のテレンス・スタンプも然り。
旧三部作のフレック・ギネスも、もちろんそうですが、このスター・ウォーズには、僕のような古い映画ファンを驚かせるキャスティングが定番になっているので、目が離せません。
さて、このロア・サン・テッカが持っていたルークの居場所を期した地図を受け取ったのが、レジスタンスのパイロットであるポー・ダメロン。
敵に捕らえられそうになったダメロンは、その地図をドロイドBB-8に託します。
この新ドロイドが、なかなかの秀逸。
頭部と胴体のたった2つの球体でデザインされているのですが、その彼の表情が豊かで、俳優顔負けの演技(操作?)。
映画を盛り上げます。
そして、囚われて拷問を受けるダメロンを助けるのが、なんとファースト・オーダーのストーム・トゥルーパーの一人であったFIN-2187。
惑星ジャクーの何の罪もない住民たちを、無差別に、残虐に殺していく仲間たちと、ファースト・オーダーに疑問を持ち、ダメロンを助けて、自らも脱出する道を選びます。
ダメロンにフィンという名をつけられた、元ストーム・トゥルーパーを演じるのが黒人俳優のジョン・ボイエガ。
二人は戦闘機Xウイングを奪取して、逃げようと試みますが、撃墜されてしまいます。
ダメロンは、ジャケットを残して、機外に放り出され二人は離れ離れ。
フィンは、砂漠を放浪して、とある街にたどり着きます。
その街で廃品回収業をしながら、家族との再会を待っている少女がレイ。
この続三部作の主人公がいよいよ登場です。
演じるのは、デイジー・リドリー。
登場シーンから、まさにスター・ウォーズの「ザ・ヒロイン」として、一発合格くらいなフレッシュさとオーラがありました。
ついに、スター・ウォーズに女性主人公の登場です。
レイは、同業者に捕獲されていたBB-8を救出し、フィンと出会います。
そこへまた、フィンたちを追ってきた、ファースト・オーダーの部隊の襲来。
BB-8を連れた二人は、町の廃品置き場で、スクラップ寸前の運命にあったミレニアム・ファルコンで宇宙に脱出。
ホッとしたのも束の間、巨大な大型貨物船トラクター・ビームに捕獲されてしまいます。
そして、戦う覚悟を決めた二人の前に現れたのが、今は密輸業者になっている老人になったハン・ソロとチューバッカ。
旧三部作を、リアルタイムで、映画館で観てきた世代は、思わず悲鳴です。
「出たあ! ハン・ソロ!」
登場した瞬間、アドレナリンが一気に吹き出しました。
ハリソン・フォードは、この時73歳ですが、やはり現役の俳優として活躍してきただけあって、「老い」は、それほど感じません。
エネルギッシュな動きで、オールド・ファンを、しっかり楽しませてくれました。
しかし、貨物船は犯罪組織カンジクラブに占領されてしまい、4人はなんとか、元の主人の手に戻ったミレニアム・ファルコンで脱出。
一行が向かったのは、惑星タコダナ。
酒場の女主人マダム・カナタに協力を求めます。
酒場では、クリーチャたちによる演奏あり。
これは、エピソード4の、モス・アイズリーのシーンを踏襲していますね。
但し、演奏されていたのは、ジャズではなくレゲエでした。
この酒場の地下で、レイは導かれるように、大事に箱にしまわれていた、ルーク・スカイウォーカーのライトセーバーに触れてしまいます。
その瞬間、レイの目の前に、自分の過去も含む、フォースによる衝撃的な映像がフラッシュバック。
おお、このレイに、なんとフォースが宿っていたか。
このシーンで、観客はそれを知ることとなります。
彼女は、いったい何者なのか。
しかし、この酒場にいたスパイの密告により、惑星タコダナは、またしてもファースト・オーダーの攻撃を受けます。
そんな中で、ファースト・オーダーの指揮官カイロ・レンと対峙したレイでしたが、彼のフォースの前に意識を失い、拉致されてしまいます。
そこへ、惑星ジャクーでの墜落から無事に脱出していたダメロンを先頭とする、レジスタンスの部隊が加勢。
ここで、レジレタンスの将軍レイア・オーガナ姫が、C3POを伴って登場。
エピソード6で、結ばれたソロと再会します。
さて、二人の間には、あれから何があったのか。
結婚した二人の間には、実は男の子が生まれていました。
当然ジェダイの資質を持ったその子を、二人はルークに預けます。
しかし、その子は修行中に、ダークサイドに落ちることとなり、責任を感じたルークは、失意のまま放浪の旅に出ます。
ソロとレイアも・・
(さて、このストーリー展開は、もうすでに、Wiki にも詳細が掲載されております。
ここで、この作品の最も衝撃的な真実をネタバレをしますので、ヒラにご容赦を。)
そして、その二人の息子こそ、ダークサイドに落ちて、ファースト・オーダーの指揮官になっていたカイロ・レンです。
演じるのが、アダム・ドライバー。
レイアの実子であるこのカイロ・レーンは、つまり、あのダース・ベーダーの孫ということになります。
カイロ・レーンは、ファースト・オーダーのスターキラー基地にレイを拘束して、フォースの力で、彼女の記憶にあるルーク・スカイウォーカーの居所を示した地図の情報を探ろうとします。
しかし、自らにフォースの力が備わっていることに気づき始めたレイは、必死に抵抗。
カイロ・レンがいない隙に、フォースの力で拘束を解除。
独力で、基地からの脱出を開始します。
一方、ソロ、チューバッカ、フィンも、レイを救出し、レジスタンス部隊の援護をするために、スター・キラー基地に潜入。
脱出を敢行していたレイと合流。
チューバッカと手分けをして、スターキラー基地に、爆弾を仕掛けます。
その途中で、ソロは、自分の息子カイロ・レンと遭遇。
父親として、ダークサイドに落ちた我が子に、一緒に戻ろうと必死に語りかけるソロ。
しかし、その声は息子には届かず、ソロはライトセーバーでレンに突き抜かれて、スターキラー基地の奈落に転落していきます。
しかし、怒りに震えるチューバッカが、レンを銃で負傷させ、仕掛けた爆弾を爆破。
逃げ出したレイとフィンは、雪の森で、負傷しながらも、追いかけてきたカイロ・レンとライトセーバー対決。
そして、その時、スターキラー基地が崩壊し始めて・・
レンとレイの一騎討ちは、決着がつきませんでしたが、レジスタンスの基地に戻ると、スリープ状態だったR2D2が起動。
ルークの居場所を示した地図の残りのデータは、R2D2が持っていました。
BB-8のデータと合わせて、やっとルークの居場所が判明。
ルークの持っていたライトセーバーを握りしめて、レイは、R2とチューバッカと共に、遠い彼方の惑星に向かいます。
レイが、フォースの導かれるまま岩山を登っていくと、その先で遠く海を見つめる老人が一人。
振り返って、老人はゆっくりとフードを外します。
そこに立っていたのは、消息を絶っていたルーク・スカイ・ウォーカー。
レイは、ルークに向かって、ライトセーバーを差し出します・・
というわけで映画はここまで。
いやあ、たまらない映画でした。
これで物語は旧三部作から、新三部作の前日譚を経て、続三部作へしっかりとブリッジされました。
旧三部作のメインキャスト揃い踏みもシビれましたが、今回登場する新キャラたちも、とても魅力的。
ここまでしっかりサービスしてくれたら、もうこの先は、彼らが中心になって、物語を引っ張っていく展開で誰もが納得でしょう。
とにかくこの7作目は、オールドファンもしっかりと喜ばせてもらえて、いうことなし。
全ての世代のファンを納得させた上で、次回作も期待させるという離れ技を、J.J.エイブラムス監督は、見事にやってのけました。
うるさ型の熱心すぎるファンに支えられたこのシリーズです。
誰がどう作っても、ある程度のブーイングは予想されるところですが、この監督は、ほぼそれを言わせなかった。
完璧にその大役を果たしましたね。いや、アッパレ。
ジョージ・ルーカスによる新三部作は、フルCGの圧倒的な特殊効果を駆使した演出でした。
従って、演じた俳優は、ほぼグリーンパックの前での演技。
背景は全て、CGで後から合成したもの。
それが、ジョージ・ルーカスの目指したものでした。
しかし、本作では、CGよりも、より実写にこだわった演出意図がありあり。
ですから、見ている方としては、新三部作よりも、かなり旧三部作に近いアナログのテイストを感じました。
ミレニアム・ファルコンや、X戦闘機は、実寸大も登場。
やはり、CGではない、本物の迫力は随所で感じられました。
さて最後に、次回作以降へ持ち越された宿題は、どう解決されていくのか。
ちょっと整理しておきます。
まず、レイの出自の秘密。
どうして、彼女はフォースの力を得ているのか。
彼女の両親は誰?
カイロ・レンは、どうして、暗黒面に落ちてしまったのか?
この説明もまだ。
この映画公開後の2016年に亡くなったキャリー・フィッシャー。
レイア姫を、今後のシリーズ展開で、どうするのか?
そして、最後に登場したルーク・スカイウォーカーは?
コアなファンなら、全作品を5〜6回見直すのは当たり前のスター・ウォーズ・シリーズ。
それを、たかだか一回見ただけで、全ての魅力を理解できるとは到底思いません。
こうやって、一回見終わるごとに、ストーリー展開を整理するだけで、今のところ精一杯。
それでも、このシリーズの魅力はヒシヒシと伝わってきます。
TDLのスター・ツアーズで遊んだのは、もう30年前。
キャラクターのフィギュアも持っていなければ、Tシャツも持っていません。
イウォーク族のウィケットのフィギュアなら、一体くらいあってもいいなとは思いますが、そこまでのファンではなくとも、やはりこのシリーズには常映画の魅力が満載。
映画ファンとして、普通にハマりますね。
たまらん。
コメント