女吸血鬼
1959年製作の新東宝作品です。
Amazon プライムで見つけたB級ホラー。
「吸血鬼」ものでは、岸田森がドラキュラを演じた「血を吸う」シリーズを先日見ており、これが最も古い吸血鬼モノかと思っていたら、それよりも10年以上も前に、こんな作品があったというわけです。
吸血鬼を演じているのは、天地茂。
のちに「非情のライセンス」の会田刑事役で全国区のスターになった人です。
確かに、ドラキュラを演じるにはもってこいの面構えでしたね。
新東宝といえば、戦後の東宝争議の後に出来た新興映画会社。
東宝の有名どころの俳優がごっそり移籍して、当初は「銀座カンカン娘」「野良犬」「西鶴一代女」などの名作を送り出して気を吐いていましたが、次第にジリ貧。
大蔵貢が社長に就任してからは、エログロ路線を明確に打ち出してきます。
本作もその頃の作品。
実はこの作品の、ポスターだけは知っていました。
映画ポスター・マニアとしては、この頃の新東宝作品のポスターは、かなり美味しい。
大好物です。
とにかく、扇情的なんですね。
タイトルもキャッチコピーも、かなりエゲツない。
本作などは、まだおとなしい方です。
映画の中のエログロ要素を、これでもかとデフォルメしているのですからたまりません。
ネット情報などない時代に、街角のポスターだけで、観客を映画館に呼ぼうとしていた時代のポスターですから、とにかくパワーがあります。
見てしまえば、ああこんなもんかという内容ではあることは想像出来ましたが、それを承知で見るのもまたオツなもの。
ここは、ポスターの魅力に敬意を表する次第。
後に、「おかあさん」女優として、テレビドラマの顔になる、池内淳子の若き日の姿を見れただけで儲けものでした。
こういう映画には、こういう映画なりの楽しみ方があります。
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