畑仕事をしながら、ラジオがわりにYouTubeを聴いています。
畑仕事ですから、どうしても手先が汚れますので、短い動画ですと結構厄介です。
スマホはあまりちょくちょくいじりたくないので、再生時間が長めで、広告があまり入らない動画が非常に塩梅がよろしい。
この条件に当てはまる動画が結構多いカテゴリーが、一般教養系ですね。
大学受験生のための世界史講座、日本史講座なんていうのもあって、これは大好物です。
理科系の動画なども、わからないなりに結構面白く、聴かせて(見るのではなく)もらっています。
そして、畑仕事を終えて、家に帰ってくれば、ここのところハマっているのがChatGPTです。
いろいろと遊んでもらっていますが、最近寝る前にやっているセッションが「クイズ遊び」。
昼間聞いたYouTubeの講義が、はたして頭に入っているかどうか、AIに試験問題を作ってもらうわけです。
「中学生レベル」「大学受験レベル」「専門家レベル」など、試験問題の難易度は、自由自在に操ってくれますので、自分の理解度に合わせて使い分けています。
こんな面白いおもちゃが、学生時代にあったら、試験でも、もう少し良い点が取れただろうとため息。
日本の若き知性でもある落合陽一氏が、AIの時代になれば、知性とはイコール好奇心になると言っておりましたが、爺としても全く同感です。
OpenAIが、ChatGPTをリリースしたのが、去年の11月ですから、このAIブームはまだ火がついたばかり。
ざっと見回した限り、今このブームを牽引しているのは、世界中の好奇心旺盛な人たちと、時代の潮流に乗って、一稼ぎしたいと言う人たちのエネルギーだと実感しています。
お金稼ぎのアイディアはとんと浮かんできませんが、個人的には、作詞や短編小説などで、AIとコラボしてみて、それなりの成果もありました。
とにかく、あちら様はアイディアの引き出しだけは尋常じゃありませんので、こちらはどうやってその中から自分にフィットしたアイディアを引き出すことが出来るかを検討するのみ。
要するに、質問力勝負ですね。
とにかく難しいプログラム言語なしで、こちらの話す言葉を理解してくれるというのは、やはり画期的です。
いかに的確にこちらの意図をあちらに伝えられるか。
これからの時代は、このセンスがこそが知性と言われるようになるのかもしれません。
暗記した量で、学力が図られる時代はもう終わりに近づいています。
質問に必要なプロンプト(呪文)の活用スキルこそが、ものを言う時代になるのでしょう。
さて、「一般教養クイズ」遊びをしながら、ふと、これをYouTubeの動画にしてみようと思いつきました。
勤めていた会社で、動画のマニュアル作りなどをしておりましたので、動画を編集するスキルは、人並み以上にはあるつもりです。
AIに、クイズの原稿だけを作ってもらえば、動画にするのはわけはないなと思ったわけです。
ジャンルは、とりあえず「世界史」「日本史」「政治経済」「エンタメ」の4種類。
このジャンルのYouTube動画を検索してみると、「一問一答」形式の動画は散見されたので、ここはAIが得意そうな4択問題にしてみました。
投げかけてみたのはこんなプロンプトです。
「あなたは世界史の教師です。4択の試験問題を作って下さい。試験範囲はフランス革命。
解答に対しては、100字程度の解説も加えてください。問題は10問作ってください。」
そうすると、あっという間に答えが返ってくるのが、彼の凄いところ。
後は、このAIの回答を、コピペして、動画制作ソフトにテキスト貼り付けするだけです。
無料のアプリで、原稿を音読してくれる優れものもあるのですが、やはりそれでは作業がめんどくさくなるので、音声は、バックには著作権フリーのBGMを流すだけにしました。
まずは、「世界史編」から始めましたが、やはりYouTubeに動画としてアップするのですから、その回答は、そのままスルーではなく、一応従来のGoogle検索で確認は取るようにしました。
中にはやや怪しいものもあるのですが、AIの提示した答えと、Googleで検索確認した回答が違うものは、問題のリストからは外しました。
まずは世界史から。「古代ギリシャ」「ローマ時代」「フランス革命」あたりまでは、結構サクサク出来たのですが、異変は日本史から始まりましたね。
Google検索をするまでもなく、僕の知識でも明らかに間違いとわかる回答が、一気に増えてきました。
普通の場合、人間なら、正解が怪しいと思われるものは、どことなく物言いも怪しくなるものなのですが、そこがAIの場合は違います。
それがさも正解であるように、堂々と胸を張って間違ってくるわけです。
本能寺の変の前に、信長が行った対朝鮮戦争は何と呼ばれるか?
a) 勝沼の戦い
b) 朝鮮出兵
c) 長篠の戦い
d) 姉川の戦い
待て待て。織田信長は、朝鮮出兵なんてやってないぞ。
これくらいは、無学の百姓でも知っています。
そこで、そこを聞き直すと、AIは案外素直に認めてくるんですね。
申し訳ありません。解答に誤りがありました。織田信長は朝鮮出兵を行っていません。島津氏は、九州地方の豪族であり、南蛮貿易を行っていたために、その支配下にある琉球王国を守るために朝鮮出兵に参加したとされています。大変失礼いたしました。
ちょっと怪しくなってきたので、後半もGoogleでファクト・チェックしてみました。
すると、島津氏は、確かに、南蛮貿易を行っていたのは事実ですが、その支配下にある琉球王国を守るために朝鮮出兵に参加したとされる説は、史料的な裏付けがないため、真偽のほどは不明という結論。
一応、一般教養系の動画のつもりでしたので、史実にないことは載せられません。
これは、すべての問題にファクト・チェックの必要ありということになってしまいました。
これしきの動画なら、チャットGPTを使えば、1日で10本は軽く作れるつもりでいたのですが、いざ蓋を開けてみると、結局は10本完成までに一週間かかってしまいましたね。(もちろん、昼間は農作業をしていましたが)
ブロンプトも色々と工夫してみたのですが、結曲正解の精度はあまり上がりませんでした。
結果、色々とわかったこともあるのですが、英語のデータベースがたっぷりとある世界史の問題は割と精度が高く、日本史の方が、明らかに回答の精度は落ちるということ。
ちなみに、世界史の場合は、質問を英訳して投げてやって、返ってきた英語の解答を和訳した方が、解答精度は上がるようです。
それから、これは気のせいかもしれませんが、一つのセッションを長く続けていくと、次第に解答の精度が怪しくなってくるような気がしました。
「鬼滅の刃」「ONE PIEACE」といった、比較的最近の人気アニメも題材にしてみたのですが、これはこちらに全く知識がない分、ファクト・チェックには難儀してしまいました。
ChatGPTの解答を、「BING」 や「AIチャットくん」といった別のAI アプリで裏をとるという作業でしたので、完全なファクト・チェックになっていたかどうかは、やや疑問が残ります。
正直疲れました。
しかしAI は日々進歩しています。
Google も、マイクロソフトに負けじと、BARDというAI を、検索エンジンに実装してきます。
チャットGPTも、3.5 から4.0 へとバージョン・アップして、こういったイージー・ミスは激減してくるという噂です。
今回は想像していたよりだいぶ手間がかかってしまいましたが、この先、AI がもう少々こ慣れてきたら、また、この続きの4択問題動画も作ってみることにいたします。
今回のトライで実感したこと。
まだ今の段階で言えることは、AI のいうことは、決して鵜呑みにしないこと。
なにせ敵は、少しも悪びれることなく、平気で大嘘をついてきます。
もちろん、今後いろいろな場面で、この画期的なオモチャは幅を聴かせて来ることになりそうですが、AIには逆立ちしても出来ないことが一つあるということだけは、申し上げておきましょう。
それは、解答に対して「責任を取る」ということ。
これだけは、今のところ使う人間の方で引き取るしかなさそうです。
というわけで、YouTubeにアップした動画はこちら。
もしも、「それは違うよ」という回答がありましたら、是非お知らせください。
すいません。こちらも発展途上ですので。
ちなみに動画のサムネイルは、BING が実装してきた無料AI イメージ画像生成アプリ「Image Creater」で作成したものです。
コメント