さて、休みの日は、撮りためていたテレビ番組を、まとめてチェックします。
やはり、NHKが多くなりますね。ちゃんと受信料払っておりますから、ちゃんと見させて
もらいます。
さて、今回そんな中で面白かったのが、これ。
NHK「仕事の流儀」スペシャル −「育てる」
今回はスペシャル番組で、過去のインタビューから、「教える」というエッセンスを抜き出して、キャスターである脳科学者、茂木健一郎氏の分析をまとめたもの。
「育てる」というと、すぐに、お母さんの「子育て」というようなイメージにつながってしまいますが、茂木氏によれば、「育てる」の本質は、子供も大人も変わらないとのこと。
いろいろとありましたが、大きなポイントは3つ。
まず。これ。
「 敢えて教えない。」
つまり、自分で考えさせる。 自発的に「学習モード」になるまで、待つということ。
要するに、やりたくないことを、無理矢理やれやれといっても、そこからは、人は何も学習しませんよということらしいですな。
脳には、ドーパミンという快楽物質があって、これは、人に教えられて答えを得るときよりも、自分の力で答えを見つけ出したときのほうが、はるかに放出量が多いようです。
つまり、このドーパミンがたくさん出ている状態で学習したことが、人間一番、頭に吸収されるということのようです。
では、どうすれば、自発的にやるようになるのか。
これは、ひたすら「待つ」しかないとのこと。
但し、ただ、待っているのだけではダメ。しっかりとその相手(子供なり、部下なり)を観察していなければいけないようです。
そして、自発の「芽」が見えたら、すぐにそこで、「本気」のアクション。
なるほど、効果的に人を育てるというのは、そういうことかというのは、なんとなく実感できますね。
そして次。
親は子の、上司は部下の「安全基地」になれ。
人が果敢に前向きに、アグレッシブに、なにかを「習得」しようとしているときに、一番大切なのは「安全基地」というものの存在だといっています。
「安全基地」とはなにか?
要するに、自分を全面肯定し、あたたかい「愛情」の眼差しで、いつでも自分を見守っていてくれる人の存在です。
これは、口で言うのは簡単ですが、ちょっとむずかしそうですね。
ポイントは以下のとおり。
○ 強制しない。指示しない。やりたいことをやらせる。
○ 応援団に徹する。進む方向に、後ろから「いいぞいいぞ」と声をかける。
○ 欠点も含めて、受け入れる。
○ 困ったときに、はじめて手を差し出す。
親ということであれば、子供への「愛情」は、本能的にありましょうから、ただ、ポイントがずれないように、愛してあげさえすれば、これはそんなに難しいことではないような気もするのですが、「応援」する相手が、自分の息子でもなんでもない会社の部下ということになると、この4つのポイントをクリアしていくのは、ちょっと難しそうですね。
これができる上司というのは、人としても相当大きな「器」が要求されそうです。
「好きなようにやれ。責任は俺が持つ。」
こういう、育て方ができるようになれば、「教える側」としては超一流。
実は、育てる側も、育つ側と一緒に成長していくもののようです。
そして、最後のひとつは目からウロコのこれ。
「どんどん後悔しなさい。」
この3つめのポイントは、「反省」ではなく、「後悔」をしなさいということ。
大きなことをやり遂げた人の人生には、必ずこの「後悔」というキーワードが存在するというんですね。
では、「反省」と「後悔」の違いは何か。
反省というのは、あくまで起こってしまった「過去」に対する分析なのに対して、後悔には、未来に対するアクションが含まれているということです。
この差は、こと「育つ」という観点から考えると、月とスッポンほどの差があるといいます。
後悔しているときに活動しているのは、目の奥にある「眼窩前頭皮質」というところ。
この場所は、脳の中でも、環境の変化に対応する「適応力」をコントロールするところなんですね。
つまり後悔するということは、イコール、自分を変えるための入り口にたったということ。
自分の失敗を、「ああすればよかった、こうすればよかったと」イジイジと後悔するという行為は、一見ネガディブにも見えますが、実はそうではなくて、環境の変化に対応し、自らを成長させるための行為になっているというわけです。
「後悔」という思考を、脳科学的にわかりやすく分析すると、現実に自分がとった行動と、こうすればうまくいったのにという想像との比較を同時に行っているということ。
茂木氏曰く、
「つまり、後悔は、未来を変えるためにやっているんです。」
さて、運送会社の管理職としては、ここから何を学習しましょうか。
ひとつ浮かびました。
我が社の事故報告書には、事故を起こした運転手が「反省」の弁を記入する「反省した点」という欄があるのですが、この欄の名前はこう変えましょう。
「後悔した点」
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