普段は、自宅でゆっくり映画鑑賞なんてしないんですが、ゴールデンウィークですからね。
とりあえず、大掃除を敢行して、久しぶりにきれいになった部屋で、アイスコーヒーを飲みながらの一本見ようという気になりました。
鑑賞したのは、ちょうどWOWOWでオンエアされていた、1991年の日本映画「波の数だけ抱きしめて」
これは、もちろん、公開当時、リアルタイムでも見ています。
いわゆるホイチョイ3部作といわれたシリーズの3作目。
湘南のミニFM局を舞台にした、青春恋愛映画ですね。
主演は、中山美穂と織田裕二。
物語の展開は、この二人を主演にしたら、こうなるだろうと予想を裏切らない「想定内」の恋愛映画なのですが、ホイチョイ作品では、話の内容で、どうのこうのというのはヤボというもの。
この映画の舞台に設定したのが1982年。
彼らは、この年に、大学生活最後の夏を、この湘南のビーチで迎えているわけですが、かくゆう僕も、この1982年に、大学の4年目を迎えております。(ちなみに、僕の場合は、さらにもう一年通っておりますが)
ご承知のとおり、ホイチョイプロの映画の面白さは、なんといっても、その細部にわたるこまごまとしたディテールへのこだわり。これなしには語れません。
この映画も、この時代の考証(昭和のスポークスマン泉麻人氏が担当)を徹底的に行って、1982年当時の湘南の若者文化を、鮮やかにスクリーン(我が家の場合は、プラズマ)に再現しています。
したがって、この映画に描かれている当時の風俗が、リアルタイムに大学生であった僕には、いちいち思い当たって、ツボを直撃。もうタマランというわけです。
ミポリンのレイアー。
松下由樹嬢のこんがり肌。
レコードやカセットテープの頭出し。
アンプの針のふれる感じ。
オープンリールのデッキ。
レコードプレイヤーのアームに乗せた1円玉。
もちろん、僕は、映画のように、ミニFM局なんていうリッチな「遊び」までは、出来ませんでしたが、それでも、お気に入りのAORを、レコードからカセットに録音しては、あちこちの女の子に配りまくってはいましたね。
当時はまだ、とてもとてもマイカーなんて持てる身分ではありませんでしたので、作ったカセットはもっぱら、巷に出始めたばかりの「ウォークマン」で、大学の行帰りに聞きまくっておりました。
ですから、この映画で使用されていた当時のAORの名曲の数々は、どれも懐かしいものばかり。
映画では、ユーミンの楽曲もふんだんに使われていましたが、むしろこちらの方がピンとこないかんじでした。
ホイチョイプロの作品の中では、この作品だけが、なかなかなDVD化されないそうですが、まあ、これだけふんだんに、洋楽のヒット曲を使用してしまえば、その「著作権」の整理で「待った」がかかってしまうのは想像にかたくありません。
映画の中のおいしいところで、度々登場する、あの指をからめる「お願い事をするときのおまじない」。
あれは、あの映画を見たよというサインとして、当時はよく使いました。
なかなか、煮え切らない織田裕二の背中に向かってミポリンが、切なそうにこういいます。
「誰かにやられちゃうぞ」
白状してしまいますが、これを聞いて以来、僕はずっと彼女のファンです。
コメント