映画の楽しみ方は、いろいろあると思います。
僕は、難しい小理屈で映画を見るのはスキではありませんので、大上段に構えず、おもいきりミーハー的見地で楽しむことにしています。
面白い映画も、つまらない映画もありますが、せっかく見るんですから、なにかしら「見るべきところ」は見つけたいと思っていますね。
2時間近い時間を、その映画をみるために使うんですから、ただ「つまんない」では、つまりません。
じゃ、なにを見るかという話です。
今までに、たくさんの映画を見てきましたが、例えば、全体のストーリーや、ラストの結末などは覚えていなくても、どこか印象に残ったシーンだけを、前後の脈絡とは別に、視覚的に覚えているということがけっこうあります。
映画というのは、視聴覚に訴える娯楽ですから、それはたぶん作り手としても望むところでしょう。
あの映画は、あのシーンをみてくれという、作り手の「気合」が伝わってくるシーンというのは、わかりますよね。
いい作品というのは、つまり、そんな印象的なシーンがたくさん詰まった映画ということにしましょうか。
グッとくる。
ウルルとなる。
ゾッとする。
ドッキリする。
エロい。
おかしい。
楽しい。
ニヤリとする。
まあ、パーツで切り取れば、印象に残るシーンには、それなりの「仕掛け」や「演出の妙」があるもの。
なんで、あのシーンが怖かったのか。
なんで、あのシーンで、泣けたのか。
なんであのシーンが、笑えたのか。
映画を楽しむのに、そんな微分的楽しみ方があってもいいかと思いますね。
そこで、映画を楽しむためのキーワードを3つ用意します。
「おもわずドキリ」
これは、ヒヤリでもいいてすし、ゾゾゾというのでもいいでしょう。
要するに、怖かったシーンということですね。
ショックシーンというと、ホラー映画だけみたいに聞こえてしまいますが、ホラー映画に限らずとも、「怖い」シーンというのはけっこうあります。
「おもわずゴクリ」
これは、エロいシーン。僕の映画鑑賞は、かなりこれに偏っているかもしれません。
しかし、今はAVがありますから、直接的なエロさはそちらにゆずるとして、そこにヌードはなくても、映画的に、グッと股間を刺激されたシーンということにしましょうか。
けして、そのものズバリだけが、エッチということではありません。
「おもわずニヤリ」
これは、「おかしい」とか「うけた」とかいう部分だけではなく、「うまい」というあたりも守備範囲にいれておきましょう。
それから、僕が好きな「ニヤリ」が、「楽屋落ち」というやつ。
それを知っている人だけ、お笑い下さいという「仕掛け」があると、マニアにはたまりません。
ところで、どのキーワードにも「おもわず」というのをつけましたが、これはけっこう重要です。
「おもわず」というのは、つまり、意識しないレベルで反応してしまうということ。
「怖い」も「エロイ」も「ニヤリ」も、理屈の入り込むスキがないところで、反応させられてしまうと、「やられた」という感じになります。
落語の名人・柳家小三治師匠がこんなことをいっていました。
「お客さんを笑わせるのではなくて、お客さんが、おもわず笑ってしまうのが本当の芸」
映画も同じことだと思います。
まあ、そんなことで、映画のおいしかったところを、もう一度、つまみ食いしてみるというのも、案外楽しそうです。
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