2012年に放映されたWOWOW製作のドラマ。
主演は三上博史。
監督は、鈴木浩介。
好評を博した「下町ロケット」のスタッフで作った社会派ミステリー。
ベースにあるのは、巷を騒がせたBSE問題と、食品偽装問題でした。
国内ではじめてBSE感染牛がは見つかったのが2001年。
雪印食品、日本ハムの牛肉食品偽装が発覚したのが2002年。
ミートホープ社の食品偽装が発覚したのが2007年。
僕などは、食品偽装などされても、気づかないでたべてしまうクチですから、あまり被害者意識というものはないのですが、嫌な人は嫌なんでしょう。
実際、古い肉と新しい肉の味の差がわかる人なんて、おそらく一握りの食の専門家たちだけ。
大抵の人は、表示を見ないと、その真贋はわからないのだと思います。
それを提供する側もわかっているから、我が国の食品偽装は後を絶たない。
そういう業者の味方をするわけではありませんがも正直もうして、そのあたりのところ、日本人は潔癖すぎる国民という気がします。
あの賞味期限というやつも、正直どうなのという気はしています。
実際、生活レベルの実感では、賞味期限が少々過ぎたくらいで、食べられなくなる食品なんてほとんどありません。。
多少味の劣化はあるにせよ、ちゃんと胃袋には入る。
腹を下したりもしない。
貧乏性な僕としては、それがわかっていて、捨ててしまうのはどうかと考えてしまいます。
あれは「賞味期限」ではなく、「美味しく食べられる期限」です。
ならば、それを食べるか食べないかは、あとは消費者の自己責任。
それでいいのではないでしょうか。
だって、冷蔵庫に入れておくうちに、賞味期限が切れてしまったなんてことは多々ありますよ。
もちろんそうなったら、捨ててしまう人もいるのでしょうが、僕はまず捨てません。
口にして、大丈夫そうなら、味の多少の劣化は気にしません。
それで、お腹こわしても、もちろん文句はいいません。
それよりも、買ってきたものを、食べずに捨てるということの方に罪悪感を感じてしまいます。
お店の方でも、賞味期限が切れたら、廃棄処分にするところがほとんど。
ぼくはむしろ、そちらの方が問題なのではという気がしてしまいます。
だって、日本の食料自給率は40%に満たないわけです。
そんな国が、はたして、そんなもったいないことをやっていてもいいもんだろうか。
そんな気がしてしまいます。
これは贅沢と潔癖という名前の病気ではないか。
日本の食品業界が年間に廃棄する食品で、飢餓で苦しむ人をどれだけ救えるのか。
日本の食品業界は、美味しくて新鮮なものを安く消費者に提供するのが使命でしょう。
それはそれでいいです。間違っちゃいない。
でも、美味しくて新鮮なものは安くなくていいんです。
それが欲しい人は、ちゃんと高いお金を払うべき。
でも高いお金を払えない人は、美味しくなくても新鮮でなくても我慢する。
それが健全な市場原理というものです。
それを、安いものしか買わないくせに、いいものも欲しがるという消費者のわがままな声と消費活動が、生産者たちのモラルをいびつに歪めてしまうのです。
あんたたちにそれがわかるの?
それが生産者たちの偽らざる声ではないでしょうか
「この牛肉は、新鮮ではないので、食品添加物を使用しています。なので格安です。」
そんな食品表示なんてまず見かけません。
でも、僕はむしろそちらの方がはるかに親切だと思いますよ。
いわゆる「ワケあり表示」が、こちらは、お金がないんですから、その理由に納得出来れば承知しようというものです。
それで下痢になったりしなければ、多少の味のけ劣化はいいよというところです。
日本は、現実問題、食品を輸入に頼っている国なのですから、食べ物に対して、もう少し謙虚であるべきだと思いますよ。
それを、お金さえ払えば、捨てようが捨てまいが、文句はないだろうという態度がそもそも不遜というもの。
安くてまずいもの、多少味が劣化してしまったものでも無駄にはしない。
そんな意識の方が、むしろ大切ではないでしょうか。
そして、そうなってしまった素材を、美味しく食べるにはどうすればいいか。
日本という国の立場を真摯に考えれば、むしろそういう技が、もっと出てきていいと思います。
そんなレシピがもっとあっていい。
僕などは、それこそ料理の醍醐味だという気がしてしまいます。
おっと、ドラマの感想のはずが、話は大きくそれてしいました。
失礼。
そうそう、このドラマ、BSEを出してしまう牧場の牧場主役で竜雷太。
彼が、牛肉を下ろす大手スーパーの社長に、小野寺昭が出演。
二人が顔を合わせるシーンはありませんでしたが、僕の世代の視聴者にはニヤリでしょう。
あの「太陽にほえろ!」のゴリさんとデンカですよね。
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