これまた懐かしい忍者映画。
見てました。見てました。
もちろん見ていたのは、ドラマ版ですが、赤影に関しては、少年サンデーに連載されていた漫画も見ていました。
原作は、横山光輝。
漫画の連載時には、「飛騨の赤影」というタイトルでした。
この横山先生は、あの当時の僕の「神様」でしたよ。
だって、彼の描く漫画には、ことごとくハマっていました。
最初はもちろん「鉄人28号」。
それから、「ジャイアント・ロボ」「魔法使いサリー」「バビル二世」。
ずっと後の「三国志」なんかも、読んでましたね。
横山先生の忍者物でいうと、この「赤影」の前に、「伊賀の影丸」がありました。
忍法「木の葉隠れ」の影丸です。
連載された漫画は、すぐにコミックになりましたので、これは何度も読み返しておりました。
面白かった。
確か、「伊賀の影丸」は、人形劇として、放送されていたんだよなあ。
ちょっとWiki してみたらありました。
TBSで製作されていますね。
この、「伊賀の影丸」の下地がありましたから、その流れで「仮面の忍者赤影」も漫画から入りました。
そして、テレビ放送が始まったのが1967年から1968年にかけて。
柿沢少年は、8歳から9歳。
漫画のイメージからは、かなりかっ飛んだ実写版でしたが、子供にとっては特に問題なし。
ガマガエルの怪物などは、漫画の原作にはなかったんじゃなかろうか。
なんだか、戦国時代の設定の割には、ハイテクな兵器がたくさん出てきて、子供心に苦笑いしてました。
赤影を演じたのは、坂口祐三郎。
かなりのイケメンでしたが、その精悍なルックスも、仮面で隠してしまっているので、顔の印象が薄いのは可哀想でした。
青影を演じたのは、金子吉延。
この映画の中では見られませんでしたが、彼が打つ相槌。
「がってん、がってん、しょうち。」
小鼻に指をあてて開きながら言う「だいじょうぶ。」
これは、よく学校でみんなでやりました。
この赤影の翌年には、「河童の三平 妖怪大作戦」で、堂々主演。
記憶のあるところだと、ウルトラマン 第15話「恐怖の宇宙線」。
彼の描いたイタズラ描きが、二次元怪獣ガヴァドンを出現させていました。
東宝映画「キングコング対ゴジラ」にもチラリと出演してました。
何回も見た映画ですから、覚えているのでしょう。
白影は、牧冬吉。
彼も、「河童の三平 妖怪大作戦」で、甲羅の六兵衛を演じていたので、記憶にバッチリ。
「隠密剣士」などにも出演していましたが、柔道少年だった僕としては、「柔道一直線」の嵐先生役が一番印象にあります。
この赤影に代表される東映の特撮は、 東宝の円谷プロの特撮、「大魔神シリーズ」に代表される重厚な時代劇特撮に比べると少々、クォリティが落ちるというのは、子供の目から見ても明らかでした。
東映のターゲットは、完全に子供に絞られていたのでしょう。
この映画も、「飛び出す冒険映画」と銘打った3D映画。
映画の中で、出演者が度々、メガネをかけるように観客に促します。
当時の観客は一斉に、入場の際に配られた3D用の紙製のメガネをかけるのですが、根が素直ではない柿沢少年は、メガネを付けないでスクリーンを見ていた記憶があります。
こういう演出も、東映らしいといえば東映らしい。
他の映画会社の作品では見たことないなあ。
1969年といえば、映画はだんだんとテレビに食われて、斜陽に拍車がかかってきた頃。
映画業界も、あの手この手と必死だったのでしょう。
東映は、「子供相手」では、先細りと判断し、この後、時代劇ポルノ路線、ヤクザ映画へと舵を切っていきます。
そして、僕たち子供のエンターテイメントは、完全に映画館から、お茶の間のテレビへと移ることになります。
映画業界は、青影のように、「だいじょうぶ」という訳にはいかなくなっていきましたね。
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