お見事でした。
「期待に応えた」と簡単に言いますが、こんな大舞台での期待に応えるということは半端なことではない。
それをやってのけたのは、金メダル羽生結弦。銀メダル宇野昌磨。
オリンピックの晴れ舞台で、日本のワンツーフィニッシュを見たのは、あの札幌オリンピックの70m級ジャンプの「日の丸飛行隊」の快挙以来です。
やはり、感動的です。
おもわず、二人には「ありがとう」と言ってしまいますね。
羽生結弦くんは、去年、公式練習で足に怪我。
一時はオリンピック出場も危ぶまれましたが、その後のすべての公式試合をキャンセル。
ぶっつけ本番覚悟で、このオリンピックの男子シングルに、彼のスケート人生をかけて照準を合わせてきました。
彼は、オリンピックでは、ディフェンディング・チャンピオン。
前回ソチ・オリンピックの金メダリストです。
なので、目指すは連覇。
彼曰く、
「ソチ大会のフリー演技の失敗の修正に、4年間かけた。」
そのソチ・オリンピック男子フィギュアスケートは大会8日目。
彼が復活の狼煙を上げたりのはショート・プログラム。
ここで、彼は全体のトップとなる完璧な演技を披露します。
まずは、それだけに集中していたという「4回転サルコー」。
その高い難度のジャンプを、彼は完璧に決めてきます。
彼は、これで流れを掴みました。
あとは、もう圧巻の演技。
これが、怪我以来初の公式演技とは到底思えない高次元のパフォーマンス。
演技終了後は、お決まりのプーさんぬいぐるみの嵐。
会場となったカンヌン・アイスアリーナのボルテージは一気にヒートアップ。
この興奮冷めやらぬ異様な空気の中、羽生選手の次にアイスリンクに立った、金メダルの有力候補だったネイサン・チェン選手は、これで完全にペースを狂わされてしまいました。
冷静でクールなはずの彼が、ほぼすべてのジャンプに失敗。
ショート・プログラム17位と大きく出遅れます。
逆に、彼の演技を追い風にしたのが、宇野昌磨選手。
20歳の彼は、日本選手権の二連覇の、若き実力者。
もちろん、オリンピックは初出場。
演技を終えてみれば、ショートプログラム3位の成績。
ワンツーフィニッシュの期待が高まる中、二人は最終の第4グループでフリーの演技へ。
先に滑ったのは羽生結弦。
ジャパニーズテイストの音楽と衣装で、勝負の4分半。
演技後半の4回転ルッツで、危うく転倒しかけたときにはヒヤリ。
彼が、去年怪我をしたときに飛んだのがこの4回転ルッツでした。
しかし、そこはなんとか堪え、最低限の減点でフィニッシュ。
自ら「熱血系」と自称する彼も喜び爆発。
大喝采の中、彼は、リンク上で、「勝ったあ、勝ったあ」と叫んでましたね。
このオリンピックで、誰よりも勝ちたかったのは、やはり彼自身だったようです。
フリーの最終演技者となったのは、宇野昌磨選手。
彼は、演技の最初の4回転ジャンプでいきなり転倒してしまいます。
「あらあ」と思ったら、彼は起き上がりながら小さく笑いましたね。
これで、彼は完全に開き直ったようです。
その後の、すべてのジャンプを高い技術点で成功。
終わってみれば、ショートプログラム2位のフェルナンデス選手を抜き去って堂々の銀メダル。
見事でした。
フィギュアスケートの歴史を辿れば、まずはあの伊藤みどり選手のアルベールビルの銀メダル。
トリノ・オリンピックでの荒川静香選手の金メダル。
バンクーバー・オリンピックでの高橋大輔選手との銅メダル。
そして、浅田真央選手の銀メダル。
ソチ・オリンピックの羽生結弦選手の金メダル。
そして今回の、羽生選手の連覇と宇野選手の銀メダル。
日本のフィギュア・スケートは、確実に進化してきました。
そして、今回の二人のメダリストはまだまだ若い。
この流れで行くと、2022年の北京オリンピックでは、あの札幌オリンピック以来の、日本の表彰台独占が観れるかもしれません。
こりゃ、楽しみだ。
お疲れ様。
ありがとうございました。
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