ホラー映画は好きです。
しかし当たり外れが多いのがこのジャンル。
期待して期待外れのもの。
期待していなかったら、ゾッとさせられたもの。
いろいろあって混合玉石。
おもしろいのは、お金をかけたからといって怖い映画ができるというものではないこと。
低予算でも、アイデアひとつで、こちらを唸らせてくれた秀作はいくつもあります。
駄作も多いこのジャンルで、そんな映画を発見した時は、うれしいもの。
でもジャパニーズホラーは、けっこう海外での評判はよろしいようです。
ちょっとウェットな日本の風土にマッチングした、ねっとりした恐怖感は、確かに日本独特のホラー感性かもしれません。
特殊メイクと物量と大音響で畳み掛けるハリウッド式の迫力ホラーとは、一線を画すジャパニーズホラー。
この中からは、黒沢清や清水崇のような、海外市場でも通用する監督が排出されてきました。
Amazone プライムでも、ラインアップから拾うのはけっこうホラー映画が多くなります。
なにせ iPad で、隙間時間に鑑賞しますので、なかなかじっくりとは見れません。
ながら鑑賞をしても問題ないだろうと思える作品ばかり選ぶ習慣になっています。
名作は、定年後に、腰を落ち着けて、じっくり見ようというわけです。
しかし、そんな見方では、申し訳ないというような思いもどこからあり、せっかく見た映画ですから、iPad お絵描きの練習がてら、イラストを描いておくことにしています。
まずこれ。
2013年に公開された 「貞子3D」の続編。「貞子3D2」
貞子といえば、ホラー映画の世界では超売れっ子。
あっちこつちに出過ぎで、僕としてはちょっと食傷気味。
なにやら、新しいスタイルとして、映画館ではスマホ連動で楽しめるというから、時代も変わりました。
イラストで後ろ姿は、前作のヒロイン石原さとみ。
お次は、2016年製作「鬼談百景」。
六人の監督による10話のショートホラーからなるオムニバス映画。
最近のホラー映画では、けっこう多いスタイルです。
タモリがストーリーテラーを務める「世にも奇妙な物語」の影響だろうという方もいらっしゃることと思いますが、これにはそのオリジナルのネタ元映画がちゃんとあります。
1968年に、フランスとイタリアの合作で作られた「世にも怪奇な物語」がそれ。
ロジェ・バディム、ルイ・マル、そしてフェデリコ・フェリーニ。
当時のヨーロッパを代表する名監督たちが、それぞれ一本ずつを監督したオムニバス映画です。
特にこの中では、第三話のフェリーニが監督した「悪魔の首飾り」が怖かったなあ。
おっと閑話休題。
オムニバスホラーから脱線しました。
この映画の原作は、小野不由美。
彼女がこういっています。
「怪談は短編に向いたお話。映像も短い作品に向いている。」
確かにそれはそう。
短編ホラーの方が、監督の色も出やすいと思いますね。
イラストは、その中の一編「空きチャンネル」。
深夜、テスト勉強をしながら、ラジオをいじっていたら、空いているはずのチャンネルから、女の声が・・・
次はこれ。
2016年公開の「残穢 〜住んではいけない部屋」
原作は、同じく小野不由美。
主演が竹内結子と橋本愛。
監督は「白ゆき姫殺人事件」や「予告犯」の中村義洋。
主人公はホラー小説家で、全国から送られてくるホラー体験談をノベライズしているという設定。
僕は、竹内結子のファンなので、贔屓目にはなりますが、楽しめました。
「貞子」や「怪物クリーチャー」は出てきませんが、ドキュメント・タッチで、淡々と恐怖を盛り上げる進行。
ほんとうの恐怖は、あなたの隣にいる。
まあ、そういったところでしょうか。゜
これは、2014年製作の「東京伝説 恐怖の人間地獄」
監督は、千葉誠治。
原作は、平沢夢明によるホラー小説。
この作品シリーズがこだわるのは現実社会。
モンスターは登場しないが、人間の狂気や不条理が、身近なシチュエーションの中で炸裂する展開。
イラストはその最終エピソード。「食べてはいけない?」
ラブホに呼ばれたデリヘル嬢に襲いかかる恐怖とは・・・
さて、次もオムニバス形式のホラー映画。
「トリハダ 劇場版」
監督は、三木康一郎。2012年の作品。
ヒロインは、谷村美月。
本編のストーリー進行の間に、独立したオムニバスホラーが挿入されるスタイルです。
もともとは、フジテレビの深夜枠ドラマ。
このシリーズには、以下の五箇条があるそうです。
幽霊は出ない。
超常現象は起きない
音楽で恐怖を煽らない
過度な演出はしない。
日常から逸脱しない。
なるほどなるほど。
これを遵守していても、面白いホラーは十分作れるという事でしょう。
ハリウッドのプロデューサーにも聞かせてやりたいわ。
そして、その劇場版の続編。
「トリハダ劇場版2」
監督は同じく三木康一郎で、こちら、ヒロインは石橋杏奈。
しかし、この映画で異様にキャラが光るのは、イラストの笹野鈴々音。
身長138㎝で、ほとんど子供体型の彼女。
彼女は、劇場版1作目にも出演していましたが、よりインパクトがあったのはこちら。
貞子やトシオくんに次ぐ、新しい日本のホラーキャラクターになりそうです。
こんなことを言われて彼女が嬉しいかどうかはわかりませんが、振り向いてニヤリと笑った姿は、トリハダもの。
彼女が出ていれば、幽霊やモンスターは必要なし。
最後はこれ。
2016年公開の映画「のぞきめ」
主演は、元AKB48の坂野友美。
これも監督は三木康一郎。
原作は、三津田信三によるホラー小説。
アイドルが、ホラー映画で絶叫ヒロインを演じてステップアップというのは、「クロユリ団地」の前田敦子もそうでした。
これは、秋元康のアイドルを売る戦略と見えます。
坂野友美は、これが映画初主演。
彼女が演じるのは、テレビ局のAD。
まあ、ホラー映画ファンとしては、アイドル映画か、ホラー映画か、はっきりしてくれというのが本音。
iPad でせ見るぶんにはいいですが、劇場で坂野ファンたちと一緒に見る気にはならないなあ。
まあ、いずれにせよ、ホラー映画の見せどころは、俳優の演技ではなく、斬新なホラー演出。
これにつきます。
それまでどの監督もやったことのないファーストショックを観客に対して演出できるか。
まさに、これにかかっています。
どんなにお金がかかっていても、予想できてしまう演出に終始するホラー映画ほどつまらないものはない。
ホラー映画を見終わって、記憶の隅に焼きつくのはまさにそんなシーンです。
さあ、これからのホラー映画の中に、僕が今まで見て怖いと思った映画を超える作品は現れるのか。
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