西城秀樹さんの訃報を聞いたのは昨日のこと。
彼の公式ホームページによれば、詳細は以下の通り。
「弊社所属 西城秀樹が、平成30年5月16日午後11時53分、急性心不全のため逝去いたしました(享年63)」
63歳かあ。
いかにも若すぎる死です。
僕が、来年還暦ですから、思えば、彼とは3歳しか違わないんだなと、今更ながらびっくりしています。
彼のデビューは、1972年。
もちろんリアルタイムで覚えています。
キャッチコピーは、「ワイルドな17才」でした。
僕はこの時14歳の中学生でしたから、確かに数えれば、3歳しか違わないのですが、当時の感覚で言えば、彼はもっとずっと年上のような気がしていました。
当時の西城秀樹は、郷ひろみや野口五郎とともに新御三家と呼ばれていて人気絶頂。
クラスの女子たちの人気も見事に分け合っていました。
高校の時の、クラスの女子に大の秀樹ファンがいたんですね。
その彼女が、僕が密かに想いを寄せいていた女の子と、非常に仲が良かった。
そこで僕は一計を案じます。
考えたのは、いろいろと話しやすかった彼女に、なんとかにうまいこと意中の彼女へ取り計らってもらおうということ。
下心をひた隠しにして、彼女の前で、無理して西城秀樹のファンぶったわけです。
「野口五郎のビブラートは、なんかあざといよね。
郷ひろみは、絵に描いたようなアイドルでつまんない。
やはり、本物のエンターテイナーは秀樹でしょ。」
などなど。
当時の僕としては、心にもないことをしれーっと言っていたことを思い出します。
それでも、御三家の中で、誰が一番好きだつたかと改めて問われれば、やはり案外彼だったかもしれないと今は思いますね。
西城秀樹の歌唱スタイルは、いわゆる「絶唱型」。
「傷だらけのローラ」を代表とする、そのあふれんばかりの情熱を前面に押し出す熱唱パフォーマンスです。
男子の本音でいうと、これはちょっとこそばゆかった。
僕の道楽のひとつはカラオケですが、西城秀樹の楽曲だけは、いい歳した今でもちょっと人前では歌えません。
オジサンになっても、どこかで小っ恥ずかしくなってしまうわけです。
しかしそれを、彼の場合は一点の照れもなく、歌い切る。
やはりそれは凄いことです。
郷ひろみや野口五郎に比べれば、彼は、ある意味不器用であるかもしれない。
しかし上等。
というよりもむしろ、その自覚が、彼自身にもあったからこそ、他の二人が、役者やバラエティ、果ては実業家と広い分野に活躍の幅を広げていったのとは正反対に「生涯一歌手」という生き方にこだわったのかもしれません。
ある意味では、それは彼なりの意地と言えるかもしれません。
数々の大ヒットや、ハウスバーモンドカレーのCMなど、彼の芸能活動の足跡は、僕が語るまでもありませんが、僕にとってそんな彼の芸歴で特筆に値する印象を残しているのが、実は歌手としての彼ではなく、役者としての彼でした。
それは映画ではなくテレビドラマです。
そう、僕の年代の方なら忘れるはずもないあの名作。
TBS「寺内貫太郎一家」ですね。
脚本はあの向田邦子。
主演は、役者としては素人だった作曲家の小林亜星。
西城秀樹が演じたのは、その主人公の家の長男・周平。
彼の演技は、けしてスマートなものではありませんでしたが、それを逆手にとってうまく演出されたのが、毎回お約束だった小林亜星とのとっくみあいの喧嘩のシーン。
これ、迫力ありましたよね。
郷ひろみや野口五郎では、おそらくあの演技はできません。
喧嘩が始まりそうになると、樹木希林(当時は、悠木千帆だったかな?)演じるおばあちゃんがサッと自分のご飯の乗った小テーブルを持って避難開始がお約束。
そして、始まるマジのとっくみあい。
投げ飛ばされた西城秀樹が、この演技で腕を骨折したのは有名な話。
映画マニアの僕としては、彼主演の少年マガジンの人気連載漫画「愛と誠」なども、もちろん見ましたが、やはり印象は、「寺内貫太郎一家」の長男・周平がピカイチ。
もちろん、彼の業績はそれだけではありません。
ソロ歌手として、はじめてスタジアム・コンサートを成功させたのも彼が最初。
「ザ・ベストテン」で、あのランキングボードの4桁の得点ボードが表示出来るマックスの「9999」点を叩き出したのも彼が歌った「ヤングマン」が最初で最後。
48歳で発症した脳梗塞に倒れてからは、もちろん満足のいく芸能活動はできなくなってしまった彼ですが、それでも、リハビリに励み、それに臆することなく精力的にテレビにも出演していました。
いかにも、彼らしい最晩年だったと思います。
何事にも前向きだった彼としては、悔しかっただろうと推測することしきり。
僕のカラオケ仲間は、皆同世代。
今度カラオケ・ミーティングのお声がかかったときには、今までは恥ずかしくて一度も歌ったことのない、彼の代表曲「ヤングマン」を、あの有名すぎる振り付け込みで、全員で合唱させてもらうことにいたします。
本日は、その「ヤングマン」ではありませんが、僕が一番好きだった、西城秀樹のこの曲を、哀悼の意を込めて一曲ご披露。
改めまして、西城秀樹さんの、冥福を心からお祈りいたします。
合掌。
私も次のカラオケミーティングでは秀樹を1曲歌いましょう。今まで歌ったことないので、心配ですが😅😅
投稿情報: ゆみりんこ | 2018年5 月18日 (金曜日) 午後 09時38分
コメントありがとうございます。
後ろで踊りましょうかね。
投稿情報: Sukebezizy | 2018年5 月21日 (月曜日) 午後 08時50分