2015年のイギリス作品。
監督は、アレックス・ガーランド。
世界で94%のシェアを締めるという検索エンジンで財を成したIT企業の社長の自宅は、山岳地帯の山奥。
社長ネイサンは、そこで密かにAIロボットを製作していた。
その自宅に招待された、若きプログラマー・ケイレブ。
彼はそこで、ネイサンが作った美しいロボットのエバの実証実験を依頼される。
登場するのは、社長ネイサンと、ケイレブと数体のAIロボットのみ。
その閉ざされた空間で、人間とAIの、息詰まるサスペンスが展開していく。
そして最後に、この山奥の邸宅から出て行くのは誰か。
イギリス映画らしい、品格のあるSF映画という印象ですね。
AIとは、もちろん人工知能のこと。
ロボットが、はたして人間のように、自ら思考して行動するようになれるか。
AIの発達は著しく、近年では、チェスや将棋の世界では、ご存知のように、コンピューターが、プロ棋士に勝利するところまで来ています。
AI搭載の産業ロボットが、分野によっては、人間の労働力に取って代わるということもいまや現実問題。
しかし、そこまで進歩したコンピューターでも、実はまだ、自らの意思で行動することはできない。
自らの意思で、スイッチをオンオフできるロボットはまだいません。
ロボットたちは、人間からの指示がなければ基本は動けない。
ペッパー君は作れても、「鉄腕アトム」作れないというのが現実です。
そもそも、人工知能という言葉自体は、1956年のダートマス会議で、ジョン・マッカーシーによって使われたのが最初というのが定説になっています。
しかし、映画の世界では、「人工知能」は、すでに1920年代から登場している。
一番古いのは、これかしら。
1927年。フリッツ・ラング監督の「メトロポリス」
登場した人工知能は、ロボットとはいわず、アンドロイドと言っていました。
女性型で、ちゃんとおっぱいもありましたね。
1956年に製作された、古典的SFの傑作「禁断の惑星」では、ロボット・ロビーが登場。
子供の頃の僕の大好きだったアニメ「鉄人28号」
「敵も味方もリモコン次第」という主題歌にある通り、人間に操縦されて戦うロボットが多く登場する中で、次々とロボットを作っていく人工知能搭載型ロボットが登場しました。
このロボットの名も同じくロビー。
意思を持ったコンピューターといえば、なんといっても忘れられないのが、「2001年宇宙の旅」の人工知能HAL9000。
木製探査に向かう宇宙船ディスカバリー号の中で、人間に反旗を翻してきました。
人工知能が登場する映画というと、ディストピア系の映画になることが多い中、愛らしい人工知能が登場する映画もありました。
1986年製作の「ショート・サーキット」。
監督は、ジョン・バダム。
ロボットの名前は、「ナンバーファイブ」でした。
最近では、「ウォーリー」が秀逸。
ロボット同士が恋をする可愛らしい映画でした。
他にも、「スターウォーズ」シリーズの、 C3POとR2D2。
「ブレードランナー」のレプリカントたち。
そして、「ターミネーター」などなど・・・。
映画の中では、いまや、あたりまえ過ぎる人工知能ですが、現実社会では、まだまだ到達していない夢のお話というわけです。
さて映画の冒頭。
社長の山奥の自宅に、ケイレブを連れていくの中での操縦士との会話。
「社長の家まで、あとどれくらい?」
「もう2時間も前から、社長の家の敷地です。」
ん?
これどこかで聞いたことのあるセリフだなと思ったら、思い出しました。
1955年の映画「ジャイアンツ」でしたね。
テキサスに広大な土地を持つベネディクト家に嫁いで行く列車の中。
エリザベス・テーラーとロック・ハドソンの会話で、同じようなのがありました。
閑話休題。
この映画には、日本人女性型のロボットも登場。
エバの旧型モデルで、その名もキョーコ。
言葉は喋れないけれど理解は出来て、踊れるという設定。
男が作ったロボットですので、あちら系のお相手も出来る?
ヌードシーンも登場するのですが、残念ながらおっぱいは小さめ。
男が個人的に作るロボットで、それはあるかなと、ちょっと疑問。
ここは、峰不二子か、叶姉妹のようなナイスバディに作るのが普通ではないのか。
まあ、これは僕の完全な個人的趣味ですので、演じたソノヤ・ミズノに文句を言うのはもちろん筋違い。
まあ、その辺りのキャスティングが、イギリス映画の品格かもしれません。
ちなみに、エバのヌードシーンもありました。
映画上は、エバが、並んでいる女性ロボットのボディから皮膚を選択するということになりますが、こちらも、おっぱいは控えめ。
ロボットボディのエバのおっぱいの造形は、それほど小さくはない感じだったので期待してしまいましたが、少々ビックリ。
おっぱいを語らせたら、僕は少々うるさい。
まあ、すべてが僕のようなスケベファンではないでしょうから、そんなことは大きなお世話かもしれません。
大きなお世話といえば、ちょっと気になったネイサンのセリフ。
「この家の建設に携わった工事関係者はすべて殺した。秘密の保持のために。」
彼がシレッとこういうのです。
ん?
これが真面目なセリフなら、この時点でネイサンは異常性格者で犯罪者であることが発覚するショッキングなセリフでしょう。
ネグレブは、この瞬間に危機感を募らせて当然であるはずなのに、僕の印象では、このシーンでそれほどのリアクションもなし。
スルーしているように見えました。
ん? この台詞って、つまり冗談か洒落扱いかい?
ちょいとそんな、つまらないことが気になった次第。
こどもの頃は、アニメに登場する女性ロボットたちには、度々恋をしてきました。
「サイボーグ009」の003。
「レインボー戦隊ロビン」のリリー。
あの頃の胸キュンの思いを、還暦になってみたこの映画に登場する人工知能ロボット・エバに、投影していたのかもしれません。
三つ子の魂百まで。
AIロボットと仕事をしたり、一緒に暮らすことになったら、はたしてうまく付き合っていけるかどうか。
この先、後期高齢者になり、介護が必要な暮らしになったら、僕としては、生身の介護師よりも、AIロボットのお世話になりたいところですね。
もちろん、おっぱいはFカップ以上で。
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