本日は、山梨県で自然農法の野菜作りをされている「わっぱファーム」にお邪魔してきました。
山梨の農業というと、ぶどうを中心とする果樹が有名ですが、ここのご主人は、自然農法での野菜作りでファームを経営。
特に何かに特化した野菜作りというわけではなく、お客のニーズを踏まえながら、いろいろな種類の野菜を計画的に作っていらっしゃいます。
僕の目指すスタイルに近く、しかも、今使わせてもらっている会社の畑がある青梅からも、およそ一時間というロケーション。
いろいろと、今後の参考になる話を聞かせていただきました。
ご主人は、三重県から、ご家族とともに6年前に移住されてきたとのこと。
最初の一年間は、上野原で、野菜作りの研修をされたそうです。
現在は、山梨県都留市西桂付近で、10町反ほどの農地を市から借り受けて経営しているとのこと。
「草むしりをきちんとしてもらえれば」という条件で、地代は免除になっているそうです。
これは、これから農業をしようというものにとっては朗報。
先日伺った「マイナビ就農FEST」で、お聞きした福島の役場の方の話でも、これに準ずる就農移住者優遇処置は、いろいろな役場で工夫されている模様。
真面目に農業をするという気があれば、土地はなんとかなりそうな話です。
そこで、まずは一番聞きたかった話。
「サラリーマン時代と比べてどうですか?」
するとご主人、日に焼けた顔から、白い歯をのぞかせながらニッコリと一言。
「現金だけのことでいえば、はっきりいって厳しいです。」
一般的に、自然農法の野菜の場合は、販路の獲得が生命線。
一般農法で、JA指定の品種を、決められた農薬や肥料で均一大量出荷するのが、農業をビジネスで考えた場合、もっとも現金に直結します。
しかし、自然農法でやる場合は、はじめからその販路を捨ててかからなければいけないわけです。
自然農法の野菜は、意識の高い消費者には、それなりに浸透しています。
多少高くても、新鮮で安全な野菜を食べたいという消費者は、一定数存在します。
問題なのは、その掘り起こし。
JAがバックに入れば、農家は販路の心配はする必要がありません。
作れば、一切は決まった物流ルートで、JAがさばいてくれます。
しかし、自然農法の野菜の場合は、そうはいかない。
大量には作らない、多品種農家では、どんなにコスパに励んでも、一個あたりの野菜の値段は高くなってしまいます。
それでも、それを理解してもらった上で、いかにその販路を獲得するか。
「わっぱファーム」では、その販路はおよそ三本立て。
地域のレストランや、直売所などへの出荷。
お任せメニューでの、野菜宅配サービス。
野菜収穫体験イベント。
難しいのは、このお客のニーズから逆算した出荷計画をたてることだそうです。
せっかく作っても、それを出荷するタイミングに、野菜の収穫が会わなければ、作った野菜が無駄になります。
できた野菜が、旬のタイミングで、無駄なくお客に届けられるか。
これが、自然農法ファームのキモだそうです。
とにかく相手は自然です。
今年のように、梅雨が長引いた結果の、決定的日照不足などがあると、例えばトマトの色づきは例年よりもかなり遅れたとのこと。
それは、我が畑でも同じこと。
農業は自然を相手にした商売。すべてを人間がコントロールできるわけではありません。
特に、自然農法での野菜作りなら、なおさらです。
そんなことに、胃をキリキリさせながらも、やることは次から次へとあるので、じっくり考えている暇もない毎日とのこと。
「はじめから、こんなことだとわかっていたら、就農していなかったかもしれない。」
そうはいいつつも、ご主人の顔は、終始にこやかでしたね。
さて、こちらはオクラ。
我が野菜畑でも、オクラは育てましたが、これは見たことのない、赤いオクラ。
茹でると、緑色になるとのこと。
やってみましょう。
これも、見たことのない野菜でした。
バナナピーマンというそうです。
柔らかくて、サラダ向きとのこと。
このあたりの特産でしょうか。
帰りの談合坂SAの、野菜直売所でも売っていました。
こちらは、ミニトマト。
さすがに、我が畑のトマトよりも、色は鮮やか。
我が畑は、今朝も見てきましたが、今年のミニトマトは、真っ赤にならずに緑の部分が残ります。
それでも、このトマトも、この色になったのは、つい最近とのこと。
こちらは加茂茄子。
僕も、一本だけ苗を植えましたが、我が農園では失敗。
取れた実は一つだけでした。
こちらはキュウリのアーチ。
それからこれこれ。
我が畑でも3年ほど前に大ブレイクした野菜です。
西洋カボチャのコリンキー。
つくったときは「なにそれ?」と言われたものですが、煮物、サラダ、炒め物、漬物と、オールマイティな野菜。
最近は、苗を見かけなくなったのでやっていませんでしたが、こんなところでご対面。
これはもう終了している畝だそうです。
この0.7反ほどの畑には、大根を植えるのだそうです。
素人百姓チームは、この5年間は、春に植えた野菜を、秋にすべて収穫を終えたところで、オフシーズンにしていました。
この時期に植えて、冬から春に収穫する野菜というのは、実はやったことがない。
ご主人にお聞きすると、これは明快に答えてくれました。
「この時期に植えて、冬に収穫する野菜の方が、いいものができます。」
この大根の他にも、違う畑では、人参やカブなどもこれから種蒔きとのこと。
すべて、販路が決まっているとのことです。
たしかに、春先に植える苗は、虫の被害に難儀させられますが、それがないだけでも大きいかもしれません。
プロの農家となれば、一年間の収穫スケジュールが隙間なくなければいけないのは当然のこと。
これからは、冬採り、または冬越えの野菜もトライしなければいけません。
これは、未知数の分野なので、今シーズンは、心してかかりたいところ。
素人百姓が、農業で食っていくには、まだまだ勉強することはたくさんありそうです。
というわけで、帰りはグルリと河口湖を回って帰ってきました。
本日河口湖快晴!
「わっぱファーム」のホームページはこちら。
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