毎晩、ベッドに入る前のひととき、眠気増進効果を期待して、チビチビと読んでいました。
こういうときのための本は、通常あまり面白くない方がよろしい。
小難しい方が、「眠くなる」効果は得られます。
ところが、これが案外面白かった。
今朝は、朝から雪。
畑に行く予定を中止せざるを得ません。
朝からパーブティを飲みながら読んでいたら、気がつけば読了しておりました。
しかし、いつもの通り、読後の感想はわかったようなわからないような。
いやいや、おそらくわかっていないのでしょう。
たぶん、しばらくして、類似本を本屋で見かけたら、この手の本を衝動買いをしていると思われます。
ただただ、学生時代には、ひたすら逃げ回っていたこの手の難しい理論。
それを学習しなかったからと言って、のちの社会生活で困ったという局面もなく、サラリーマン生活は終了。
しかし、だからそれでいいということでもない。
やはり、どこかで負い目はあるようです。
ですから、今は、必要のないと思われる知識であっても、単に老人の知的好奇心のみで読ませていただいております。
老人の好奇心と言いますが、この本に登場する「人類史にその名を刻む知の巨人たち」の業績の数々も、その出発点は、元を正せばそれです。
知的好奇心を舐めてはいけない。
「わかる」か「わからないか」
「たどりつける」か「たどりつけないか」
ここに、凡人と偉人の大きな差異はありますが、人間がいまのところ、生物界おけるトップランナーの地位を維持できているのも、おそらく、多かれ少なかれ、多くのホモサピエンスにこの「知的好奇心」があったからこそでしょう。
そもそも、僕のような百姓ごときにも、それなりの「知的好奇心」があると推察されているからこそ、こういう本は度々企画され、コンビニでも売られるというわけです。
ギリシャ時代のユークリッド幾何学をベースに、我々の目に見える世界の運動の法則を理論化したニュートン力学。
光速は誰の目から見ても一定という事実から、人間の直感では受けいられない真理を、純粋数学と思考実験の末に導き出したアインシュタインの相対性理論。
アインシュタインが提示した、マクロ宇宙の法則が通じない、ミクロの世界で展開していくもうひとつの理論である量子力学。
そして、いまだに誰も到達していない、相対性理論と、量子力学の統一理論。
ダーウィンの「進化論」に従って、資本主義社会が、進化によって共産主義になると説いたマルクスの「資本論」。
ビックバンで始まった宇宙の膨張は、ブラックホールに収束すると説いた、車椅子の物理学者ホーキンス博士。
核爆弾の理論と仕組み。
もちろん、どれをとっても、実際に知らなくて困るというようなことは、ありません。
しかし、もちろん知っていて損もない。
年金やら、確定申告やら、老後の様々な課題。
老後の入り口で、まだまだ勉強しないといけないことはたくさんあります。
しかし、昔からそうなんですが、やらなければいけないお勉強というのは、わかっていても、どうしても熱が入りません。
それよりも、それとは全く関係ない、自分にとって「面白い」ことがいつでも優先になるのが昔からの悪い癖。
でも気がつけば、いつのまにか、そちらの方が自分の役に立っていたりします。
何事も、楽しみながら回り道。
そちらの方が、はるかに楽しいということです。
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