アベンジャーズ インフィニティ・ウォー 2018年
「スター・ウォーズ」「ハリー・ポッター」シリーズは、製作年順に一気鑑賞して、感想は本ブログに拙文を掲載させていただきました。
基本的にシリーズものを鑑賞するときは、初めから順番に見たいところなのですが、本シリーズでは、「アベンジャーズ」「アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン」をすっ飛ばして、3作目に当たる本作から見てしまいました。
でもまあ、それはそれ。
マーベル・コミックのヒーローものでいえば、「スパイダーマン」「X-メン」「アイアンマン」「トランスフォーマー」あたりはチラホラと見ていますが、「キャプテン・アメリカ」「マイティ・ソー」「ブラック・パンサー」など、今までノータッチだったヒーローたちもたくさん。
熱心なファンたちのような、基本的マーベル・リテラシーはほぼない状態で、見てしまったわけなのですが、いやはや、そんなものはなくても、本作は充分に楽しめる映画になっています。
ストーリーやキャラクターの機微は追えなくても、作品全体が圧倒的な映像エンターテイメントになっているので、もうそれだけでマーベル初心者としては、ご馳走様という感じでしたね。
日本が世界に誇るアニメの傑作「シン・エヴァンゲリオン」の最終作で、アニメにおける映像最先端を見せてもらったばかりでしたが、これを、さらにお金をかけて、実写でやればこういうことになるのだろうと、漠然と思って見ておりました。
まあ、とにかく過去のそうそうたるマーベル・ヒーローが大挙綺羅星のように登場してくる作品なわけですから、もう映画はお祭り騒ぎです。
日本で言えば、「月光仮面」「鉄腕アトム」「鉄人28号」「エイトマン」「仮面ライダー」が、一つの映画の中で共演するようなものですから、なんといっても大変だったのは、その交通整理でしょう。つまり脚本ですね。
どのキャラクターも、それぞれに思い入れのあるファンたちがいるわけで、ある意味平等に見せ場を与えた上で、映画としては一つのストーリーに紡ぎ上げなければならないわけですから、ハードルは高いわけです。
しかも、その上で巨額な製作費を回収しなければいけないわけですから、ちょっと考えても胃が痛くなるようなプレッシャーだったと思いますが、監督のルッソ兄弟は、クリストファー・マルクス、スティーブン・マクフィーリーの脚本を得て、これを見事にクリアしたといっていいでしょう。
熱心なファンたちによるYouTube解説動画をいくつか見ましたが、概ねコアなファンたちの期待は裏切っていなかったようです。
とにかく、こういったオールスター的なお祭り映画は、昔から好きなんです。
作品のクゥオリティ云々というよりも、とにかく、その顔ぶれにドキドキワクワクさせられるだけで結構満足していました。
戦争映画には、昔からこの手のオールスター・キャストによる大作が多いのですが、古くは連合国軍のノルマンディ上陸を描いたケン・アナキン監督の「史上最大の作戦」。
連合国軍捕虜たちの脱走劇を描いたジョン・スタージェス監督の「大脱走」。
ヨーロッパのスターたちを集めて、ルネ・クレマン監督が描いたのが「パリは燃えているか」。
全て1960年代の作品です。
どれも一大群像劇ですから、たくさんの出演者の中から、自分の知っている俳優を見つけるだけでも結構ワクワクしていました。
その中でも、特に僕が結構好きだったのは、70年代に入ってから作られた戦争大作「遠すぎた橋」です。
連合国軍の失敗に終わったマーケット・ガーデン作戦を描いた作品で、その頃見ていた映画の主役級の役者がズラリとキャスティングされた作品です。
監督は「大脱走」では、役者として出演していたリチャード・アッテンボロー。
ショーン・コネリー、ジーン・ハックマン、アンソニー・ホプキンスといった大スターたちの中で、出番は少なくても、パッと出てきて、さあっと美味しいところをかっさらっていったのは、ご贔屓だったロバート・レッドフォードでした。
本作でいえば、個人的なご贔屓は、映画も見ている「アイアンマン」でしょうか。
相手役を務めたグウィネス・パルトロウもワンシーンだけ出ていましたが、ロバート・ダウニー・ジュニアの浮き沈みの激しい役者人生は知っていますので、やはりこの当たり役を得てカムバックした彼には思い入れもひとしお。
他のヒーローたちよりは、多少応援するのに力が入ってしまいました。
おそらくは、観客一人一人が、そんなふうに、個人的思い入れ込みで、それぞれのご贔屓にエールを送っていたでしょうから、そんなファン気質を汲み上げつつ、その期待は最低限裏切らないように配慮した製作側のサービス精神は、褒められていいでしょう。
いってみれば、本作は個人的には、昔よくテレビでやっていた「オールスター大運動会」のノリです。
もしくは、年末恒例の紅白歌合戦でもいいでしょう。
とにかくお祭りなわけですから、つまるところ、派手に盛り上げてくれればそれでよし。
そんな映画に、ネチネチと野暮なツッコミを入れて水をさしても、無粋というもの。
ですので本作の感想は、マーベル初心者にとっては、これでよろしいかと思います。
「なんだかよくわからないけれど、とにかくすごかった。」
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