らせん階段 1944年アメリカ
フェイバリット・アクトレスを一人挙げろと言われたら、これはもう中学生の頃から今まで変わりません。
僕の場合は、ジャクリーン・ビセットです。
理由も簡単。とにかく綺麗。
これにつきます。
「スクリーン」か「ロードショー」の付録だった、「アメリカの夜」出演時のスチールで、涼しい瞳でソーダ水を飲んでいる彼女のポスターは、実家の自分の部屋にはずっと貼ってありました。
一度惚れ込んだら、映画マニアのとる行動は一つ。
とにかく、主演作もチョイ役も含めて、彼女の出演作は片っ端から見ていくことになります。
おそらく、日本公開されている彼女の出演作品は、全部見ているはずです。
かなりお年を召してからの出演作品も、外していないと思います。
そんな彼女の出演作品の中の一本に、「らせん階段」はありました。
1975年の作品です。
鑑賞すれば、一応映画についてはある程度の学習はします
当時は、インターネットなんてまだありませんでしたから、映画の情報を得るには、前述の映画雑誌か、あるいは毎年年末になると発売される、別冊の分厚いシネマ・カタログが頼りなのですが、我が実家は本屋でしたので、常に最新版でチェックできました。
そして、この「らせん階段」は、1944年に、ドロシー・マクガイア主演で作られたスリラー映画のリメイクだと言うことを知るわけです。
本作が、スリラー映画の古典ということになれば、それはそれで見たくなるもの。
大学生の頃は、そんな些細な情報をベースに、授業にもろくに行かないで、エンタメ情報誌「ぴあ」を片手に、関東一円の名画座を巡っていたのですが、その頃にも出会えず、後の、WOWOW放送映画の録画ローラー作戦でもひっかからなかった、未見の本作を、今夜Amazon プライムで見ることができました。
クラシック映画マニアとしては、これは嬉しい限り。
もちろん、今から75年も前のホラー映画ですが、やはりクラシック映画には、時代を超えたそれなりの味わいというものがあります。
恐怖、スリル、サスペンスの演出というものは、なにもお金をかけて、あっと目を引く特殊技術を使いまくればいいというものでもありません。
そのカメラワークやカット割、光と影の照明などなど、今のホラー映画にも脈々と受け継がれている演出も多く発見出来て、それはそれで楽しめます。
本作の監督は、ロバート・シオドマク。
この時代に、このジャンルの佳作を何本か撮っている人です。
主演のドロシー・マクガイアを、Wiki してみると、「友情ある説得」「避暑地の出来事」あたりは見ているはずなのですが、彼女の印象がちょっとありません。
しかし、それとは引き換えに、強烈に覚えていたのは、ウォーレン家のメイドを演じたエルザ・ランチェスター。
あの「フランケンシュタインの花嫁」で、人造花嫁を演じた人です。
あれは衝撃的でした。
そしてもう一本。
大好きなミステリー映画「情婦」で、彼女はチャールズ・ロートンが演じたロバーツ弁護士の、付き添い看護婦ミス・プリムソルを演じていてました。
そして、この二人は、実生活でもご夫婦。
しかしまあ、そんな昔々のどうでもいいようなことは、結構覚えているものです。
クラシック映画を見ていると、自分の記憶の片隅に残っている俳優と、ひょんなところで出会えるのがまた楽しいもの。
大学を卒業した後の、平成の30年間は、かなり映画鑑賞はサボってしまいましたので、定年を迎えてから、またゆっくりと映画を見られるようになっても、意外に知った顔と思わぬところで再会ということはなかったりします。
そうそう、この映画を鑑賞した人には、こんな作品もおすすめということで紹介されるAmazon プライムの新しいラインナップに、なんと1940年代のクラシック映画がずらりと並んでいていました。
中には、今まで見たくても見れなかった、僕にとっては貴重な映画も何本かあります。
未見の見たい映画は、衛星録画で溜め込んだ我が家のライブラリーにも、まだたくさん眠っているのですが、しばらくは、アマプラで楽しめそう。
ニンマリです。
さて、本作のシリアル・キラーは、いったい誰だったか?
たとえ、パブリック・ドメインも切れている戦前(正しくは戦中)のクラシック映画ではあっても、もちろんそのネタバレはいたしません。
しかし、10人にも満たない出演者の中で、僕が予想した犯人は、見事にハズレであったことだけは、申し上げておきましょう。
あれ?
そういえば、ジャクリーン・ビセット主演の「らせん階段」の犯人て、誰だったっけ?
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