さて、このシリーズの第4段目。
「こんな歌があってもいいんじゃない?」という挑戦的作詞衝動がモチベーションになっております。
元々、ベースにあったのは、つい最近、ネット・カラオケ・アプリ「smule」で、いい気持ちで歌わせてもらった、イーグルスの「ホテル・カリフォルニア」というアルバムに収録されている「ラスト・リゾート」という曲です。
ドン・ヘンリーの作詞によるもので、アメリカの歴史と文化に鋭いメスを入れたプロテスト・ソングです。
このタイプの曲は、日本ではあまり見かけないので、イーグルス世代の老人としては、ちょっとムラムラしてしまいました。
歴史は嫌いではありませんが、歌詞に昇華できるほどには知識が追っついていません。
そこで、ここは少々スパンを大きく取って、「日本史」「世界史」というよりは、「人類史」というスケール感で、素材を選んでみました。
タイトルの「ホモサピエンス」は、新人類と訳されますが、人類が火を使い始めたのはそれ以前の原人の頃。
この曲は、そこからスタートしていますので、およそ50万年分の人類史を詰め込んだ歌ということになります。
例によって、歌詞の素材となる人類史の事件はこちらでチョイス。
そのキーワードは、AI からサンプリングしていきました。
出来上がったものを改めて眺めてみましたが、普通に歌えば、恐ろしく長い曲になりそうです。
まあ、いいでしょう。
「ラスト・リゾート」も、7分24秒にも及ぶ大作ですから、この手の曲は、それくらい尺を取らないと伝わりません。
例によって、イラストは「AI ピカソ」にて画像作成。
すぐにギターをかき鳴らして、作曲に進みたいところですが、残念ながらここでパワー切れ。
若いころのようにはエネルギーが持続しません。
それでも、AI のおかげで、なんとか作詞の完成にまではたどり着けるのが嬉しい限り。
この年齢になりますと、「好いた惚れた」系の曲よりも、こういう方が作詞を楽しめます。
「ホモサピエンス」
女は山から降ってきた火を
家族の待つねぐらに持ち帰った
寒さに凍えていた子供たちは
火が消えないように薪をくべた
獣たちは恐れ近づかなくなり
肉や魚は火で焼かれた
男は氷の季節が終わる頃
鍬を持って大地に麦を植えた
腹を空かせていた子供たちは
その麦で作ったパンを食べた
男は仲間を集めて畑を耕し
やがてそこに村が出来た
女は山を恐れ海を恐れた
風を恐れ太陽を恐れ祈った
やがて神が現れ女を救い
その子を約束の地へと導く
しかし神はいつか姿を隠し
やがて女が神に姿を変える
男は山の石を炉で溶かし
硬い鋼を作ることを覚えた
木の鍬は鉄の鍬に代わり
鉄を作るために男は木を切り倒した
男はやがてその鉄で剣を作り
仲間を集めて戦を始めた
男は綿を織る機械を作り
工場は石炭を食べて巨大になる
機械は人間よりも働くようになり
街には人があふれ始めた
資本家は男たちを使い捨てはじめ
お金の力は兵器さえ超えていく
男は街も人も焼き尽くす
最期の兵器を手にしてしまう
そしてそのボタンは男の手の中
誰が押してもその先に未来はない
しかし男はそれを持ちたがり
けして手放そうとはしない
言葉が世界中を駆け巡りはじめ
世の中が蜘蛛の巣のようにつながる
地球の裏側のニュースは今日届き
男は自分の部屋に鍵をかける
情報はやがて男を呑みこみ
現実はバーチャルにレイプされる
男はある日進化の三叉路で迷い立ち止まる
女はある日また山から降って来る火を見上げる・・
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