久しぶりに本を読み終えました。
「常識として知っておきたい世界を変えた天才科学者50人」
夢プロジェクト/編
出版社名 河出書房新社
物理や化学の教科書でおなじみの、様々な法則や原理を発明発見した、天才たちのお話です。
人類の歴史の中で、未知の原理を解明したい、真理に到達したい、そんな熱い思いを持ち続け、不屈の精神で、生涯に渡り、研究に没頭し続けた天才科学者たち。
そんな彼らの、偉大なる功績と、驚きの人生、そしてその素顔を検証した一冊。
「天才」といえば、誰もが頭に思い浮かべる有名どころから、へえ、こんな人もいたんだという「知る人ぞ知る」天才まで50人。
ニュートン、キュリー夫人、湯川秀樹……特に意識することはないのでしょうが、実は現代人の誰もが彼らが築いた科学の恩恵を受けて暮らしているわけです。
「浮力」「テコの原理」の発見者アルキメデス。
電池の発明者アレッサンドロ・ボルタ。
「進化論」で知られるイギリスの自然科学者 チャールズ・ダーウィン。
破傷風の血清を作ることに成功した熊本出身の細菌学者・高峰譲吉。
ビタミンの発見者・鈴木梅太郎
抗生物質ペニシリンの発見者アレクサンダー・フレミング。
原爆開発プロジェクトを指導したアメリカの物理学者オッペンハイマー。
ビックバン宇宙論を提唱したアメリカの理論物理学者ジョージ・ガモフ。
様々なタイプの天才がいるわけですか、この本を一読して、おおむね、どの天才にも共通していることをひとつだけ発見しました。
それは、どの天才も「夢中になれる」人たちだということ。
偉大な発明発見をした人たちは、ほぼ例外なく、自分の「ひらめき」や「アイデア」に、とことん「夢中」になれた人たちなんですね。
彼らがそれに取り組んでいるときは、それが画期的な発明発見であればあるほど、ほぼ周囲の理解は得られていません。
理解どころか、迫害された人たちもいます。
彼らが生きていた時代ではなく、後世になって認められた天才もたくさんいます。
しかし、その真理や発明と格闘している本人たちは、格闘の最中は、そんなことはおかまいなし。
一度頭にとりついたイメージを「カタチ」にするまでに、幾度も実験を繰り返し、思考に没頭しています。
そして、そうやって「夢中」で取り組んだことのご褒美として、ある日突然、その発明発見の瞬間が、天から彼らにプレゼントされる。
どうやら、そんな法則があるようです。
僕も、若い頃は、いろいろなことに夢中になれた時期がありました。
基本的に、「好奇心」を原動力に生きてきたようなところがありますので、すぐに夢中になれるのですが、悲しいかな、どれもこれも、長続きはしない。
これが、世に名を馳せた天才たちとは、僕の決定的に違うところ。
いやいや、彼らと僕を比べること自体、おこがましいですね。
まあ、神様も、そんなあきっぽいやつには、とうてい「ご褒美」など、あげようという気にはならないでしょう。
上等。
しかし、考えてみれば、それよりも、もっと悲しいのは、ここ最近は、「夢中」になれることさえ、なくなってきてしまったということです。
40代の社会人の方なら、大方誰もがそうでしょうが、たとえ、「面白そうなこと」と出くわしても、そうそう、それに没頭できる時間というのがとれませんから、結局「いつかそのうち」と、後回しにしてしまう習慣がついてしまっています。
後回しにすれば、当然テンションはさがるもの。
人生で、「夢中」になれることがなくなってしまうということは、考えてみれば、とても不幸なことかもしれません。
「夢中」になったら、その瞬間から、ゴールインまで、それに固執し、
没頭できるという資質があることが、ある意味、「天才」になれる条件なのかもしれません。
コメント