レミーのおいしいレストラン

ズッキーニという、きゅうりのお化けみたいな野菜があります。

この野菜は、油で炒めることで、カロチンの吸収率をアップさせ、体の免疫を強化し、風邪の予防や粘膜の保護に効果があるんですね。

また、ビタミンＢが血液の循環をよくし、体に溜まった余分な水分を排泄してくれるので、むくみ解消や血行促進によって美肌効果を発揮します。

さて、このズッキーニと、茄子とピーマンを用意しましょう。
茄子はへたを除いて、厚さ7mmの輪切り。
ピーマンはヘタ、種を除いて一口大の短冊に切ります。

それから玉ねぎ。これは約10mmのくし形に切り、トマトはタネを除いてザク切り。
にんにくはみじん切りにしておきます。

これで、材料の仕込みはオーケー。

さあ、調理にかかりましょう。

鍋にオリーブオイル 大さじ3杯を熱して、まずは、にんにくを弱火で炒めます。
香りが出たら、玉ねぎ、ズッキーニを入れて、ガシャガシャ炒めます。
ズッキーニは火がとおりにくいので、しっかりと炒めましょう。
次にピーマン、なす、トマトの順に加えていきます。

さて、味付け。

まずは塩胡椒。それから、白ワインを入れ、チキンコンソメを崩して加えます。
このとき、蓋はしません。
これで汁気が無くなるまで炒め煮をします。
これに、20分から30分は時間をかけますから、キッチンには、お好きな「音楽」などのご用意を。
もちろん、この間も、鍋を放っておいてはいけません。
途中、汁はきちんと味見しましょう。
塩、胡椒、醤油 、ワイン（ポルトガルの白ワイン、マデイラがベスト）、砂糖で味を調えます。
お好みで、バジルやタイムなどの香辛料、もしくはサワークリームを入れるのもオーケーです。

ワインとトマト等で意外に酸味が強くなりますが、冷えるとあら不思議。これがかなりマイルドになります。
これを自然に冷ましてから、さらに冷蔵庫にいれて冷します。

さあ、これで出来上がり。

これが、夏野菜を使ったフランスの代表的な家庭料理「ラタトゥィユ」
(Ratatouille)。

今の季節にはタイムリーで、ダイエットにはもってこいのメニューですね。

さて、この「ラタトゥイユ」という料理の名前が原題になっている映画が、「レミーのおいしいレストラン」。

昨年公開されたばかりのディズニーのピクサー・アニメーション・スタジオによる長編アニメーション映画です。

あの名優ピーター・オトゥールが声の吹き替えをした、その評価ひとつで、1件のレストランが繁盛もすれば、つぶれもするという料理評論家アントン・イーゴに、レミー（これが抜群の舌と鼻を持つネズミなのです）たちが出した料理というのが、あまたある高級フランス料理ではなく、このあまりに一般的なフランスの家庭料理。

映画の冒頭、このイーゴの辛口評価で、五つ星から、四つ星にされてしまったレストラン「グストー」の、今は亡きオーナーシェフの亡霊（？）が、ネズミのレミーにいうセリフ。

「偉大な料理は、(いつでも)勇気から生まれる」