ロミオとジュリエット効果という言葉があります。
「障害があった方が、その目的を達成しようとする気持ちが高まる」という 心理学用語。
これは、やはり恋愛感情において顕著でしょう。
恋人同士の間に、なんらかの障害が存在する事で、かえってそれが2人の気持ちを高めてしまうというのは、恋愛映画を盛り上げるうえでは定石。
難病あり、身分の違いあり。
しかし、恋愛の障害として今最も代表的な素材はとしては、やはり不倫でしょうか。
僕はもちろん、不倫を肯定するつもりぱありませんが、渡辺淳一氏の小説に代表されるように、映画的純愛の素材を探そうとすると、今はやはり「不倫」絡みになってしまいますかね。
さて、この「ロミオとジュリエット」は、もちろん不倫のお話ではありません。
ご存知のとおり、イギリスの文豪シェイクスピアの戯曲として書かれた、もっとも古典的なコテコテの「純愛悲劇」。
その中でも、1968年の映画「ロミオとジュリエット」は、今まで数多く映画化され、舞台でも演じられてきた「ロミオとジュリエット」の中でも、もっとも「市民権」を得ている作品ということが出来ましょう。
僕たち世代にとっては、「ロミオとジュリエット」といったら、やはりこの作品。
監督は、イタリアのフランコ・ゼフィレッリ。
この方は、オペラも演出する監督で、いわばこの手の歴史劇のオーソリティ。
この舞台劇出身の監督が演出した映画が、なぜ今でもなお「青春映画」の代表作として語られているか。
これは、なんといっても、歴代の「ロミオとジュリエット」史上、もっとも若い、15歳のオリビア・ハッセイと、16歳のレナード・ホワイティングをキャスティングしたことにつきるでしょう。
この二人には、幸か不幸か、このあと特に目立った作品はありません。
両名とも、まさに、この映画のためだけに存在した映画俳優だったといっても、過言ではない。
荒削りだけれど勢いがあり、オーバーアクトだけれどみずみずしい。
この二人の俳優の若さゆえの未熟さを、実に上手く「逆手」にとった監督の手腕があっぱれだったということでしょう。
そして、この二人のキャスティング以外は、ほとんど舞台俳優たちで脇を固めて、映画をしめるという周到さ。
さあそして、もうひとつこり映画で、忘れてならないのが、ニーノ・ロータの甘く切ないテーマ曲。
特に、映画の中で、グレン・ウェストンが歌う 「ホワット・イズ・ア・ユース」は、名曲中の名曲。
当時、この曲は、45回転のシングルレコードとして発売されましたが、両面とも、完全に映画の中のシーンを切り出して、シングルカットした、文字通りのサウンドトラック版でしたね。
主演の二人が、手を合わせているレコードのジャケットを、今でもはっきりと覚えています。
この曲は、何度も繰り返し聞いていましたので、今回この映画のDVDを見た際にも、そのシーンは、映像としてよりは、むしろ音声の方で、しっかりと覚えていました。
今回、このDVDを見た後で、思わずこの映画のサウンドトラックCDを、Amazonで注文してしまいました。
ジュリエットの寝室で、朝を迎える二人。
このベッドシーンで、チラリとですが、芳紀15歳のオリビア・ハッセイの初々しいヌードが確認できますので、是非ともお見逃しなく。
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