WOWOWで放映されたスペシャル・プログラムを見ました。
バラク・オバマが、09年1月20月に第44代アメリカ合衆国大統領に就任するのを記念した、 コンサートで、ワシントンの「リンカーン記念館」で行われたライブです。
この冬一番の冷え込みだったワシントンDCに、音楽&映画界の豪華スターが大集結して、オバマ氏の就任に、花を添えました。
歌のパフォーマンスを行うのは、ビヨンセのほか、U2、ブルース・スプリングスティーン、スティーヴィー・ワンダー、シェリル・クロウ、メアリー・J.ブライジ、ハービー・ハンコック、アッシャー、ウィル・アイ・アムら豪華な顔ぶれ。
映画界からは、トム・ハンクス、デンゼル・ワシントン、ジェイミー・フォックス、クイーン・ラティファ。
それからマーティン・ルーサー・キング3世というスペシャル・ゲストも出演。
このリンカーン・メモリアルという場所は、かつて、キング牧師が、あの有名な "I have a dream."の演説をした場所。
観客たちも、みんなそれを知っているので、彼の登場には、拍手喝采です。
そして、U2 が熱かった。
この場所で、彼らが歌ったのが、彼らの出世作「Pride(In The Name Of Love)」
ご存知のとおり、マーティン・ルーサー・キング牧師について書かれた曲です。
U2は、この曲を引っさげて、20年前に、「白人至上主義」といわれる人が、根強く残るアメリカで、ツアーを敢行したんですね。実際、身の危険を感じたこともあったそうです。
まあ、そういう経緯がありましたから、のっけからボーノのテンションはヒートアップ。
U2は、アイルランドの出身ですが、アメリカの歌手や俳優たちは、こういう政治的なイベントには、積極的に顔を出して、自分の立場を明確にする人が多いですよね。
日本では、ちと考えられない光景です。
麻生総理大臣の就任セレモニーに、SMAPや、五木ひろしが登場して、パフォーマンスしたら、面白いとは思うんですが、やらねえだろうなあ。やっぱり。
まあ、そんな中で、僕としては興味深かったのが、だいぶ太めになったジョン・メレンキャンプと、「アメリカン・パイ」の、ドン・マクリーン(クレジットはなかったけどたぶんそう)。
名だたる出演者たちは、自分のヒット曲は、封印して、このコンサートのテーマ「WE ARE ONE」にのっとった曲を熱唱していました。
彼の勝利演説は、こうでした。
「老いも若きも、金持ちも貧乏人も、民主党員も共和党員も、黒人も白人も、ヒスパニックもアジア人もアメリカ先住民も、ゲイもストレートも、障害者も障害のない人たちも。アメリカ人はみんなして、答えを出しました。
私たちは今も、そしてこれから先もずっと、すべての州が一致団結したアメリカ合衆国なのです。」
しかし、セレモニーの冒頭にあったはずの、ゲイの牧師による詩の朗読は、カットされていましたね。
さあ、あのキング牧師の「夢」を、あれから45年後のアメリカで、とりあえずは「実現」させたかたちの、バラク・オバマ第44代アメリカ合衆国大統領。
彼の真価が問われるのは、もちろんこれからです。
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