さて、歌詞はできました。
では、メロディをどうするか。
まあ、前にも申し上げましたが、曲作りにはいろいろなパターンがあるもので、一概にこれがいいとは申し上げられませんが、今回のお題はラブソング。
当然のことながら、この曲で、ヒットチャートを飾ろうなどという気はサラサラありません。
要するに、今回の楽曲は、彼女の誕生日に、彼女だけに届けばそれでよしとします。
まあ、あえて、願わくば、笑顔のひとつも、彼女からもらえて、熱いキッスのひとつもいただければ上等。
あわよくば、そのイキオイで、イイところまでいただければよしとします。
まあ、作者のそんないかがわしい本音を託された、不純な使命を担ってしまった楽曲でありますから、彼女にそれが伝わりやすいように、今回はまず歌詞から決めていこうというパターンにいたしました。
浮かんだメロディに歌詞をつけて曲をつくるというケースも、もちろんありますが、今回は、プライベートなラブソングでありますから、これはまず歌詞から出来たという方が、相手にはその「気持ち」は伝わりやすかろうということですね。
というわけで、今回まずは歌詞から作ったという次第。
さてと、お次はメロディです。
まあ、メロディにつきましては、歌詞を吟味いたしている最中にも、断片的に、頭の中では、いくつかのフレーズが浮かんでは消え、浮かんでは消えしていたんですね。
メロディというものは、あえていうのもなんですが、けして、頭から順番に出来てくるというものではありません。
そんなふうに出来た曲は、僕の経験で言えば、たいていは「おもしろみ」に乏しい曲になることが多い。
実際の曲作りは、むしろその逆。
大作曲家たちの先生はどうか存じ上げませんが、僕のような素人にちょいと毛が生えたようなレベルのものであれば、たいていは、曲の中の、キメの部分から、そのフレーズは湧いてきます。
今回の楽曲であれば、当然のことながら、タイトルの「むぎゅ」のところをどうするか。
ここさえ、納得の行く形が出来れば、僕とすれば、まずこの楽曲は、成功だと思っております。
正直申して、ここさえできれば、僕としては、後のところはどうでもよろしい。
それは、正味「どうでもいい」という意味もありますが、そうではなく、そのキメの部分を引き立たせるために、あえて、どうでもよく作るという意味合いもあります。
「いいフレーズ」というのは、ありすぎるとダメです。
これは、一曲に、ひとつかふたつで充分。
ひとつ、いいフレーズが浮かんだら、その曲のウリはもうそれだけでオーケー。
後の部分は、徹底的に、このフレーズを引き立たせるようなつくりにするべきだと思っています。
いいフレーズが浮かんだからといって、「あ、俺って才能あるじゃん」と、調子に乗って、それを、どんどん放り込んでしまうと、せっかくのいいフレーズが、曲の中で殺しあってしまうんですね。
たかだか、3分か4分の曲です。
これは明らかにもったいない。
そんなにいいフレーズがあるんだったら、それは一曲一曲別の曲として、使う方がいいと思います。
ほれ、針は一本の状態で刺せば、偉く痛いですが、それが集まった、剣山の状態で刺しても、一歩で刺すときほど痛みはかんじないということってあるじゃないですか。
それと一緒です。
ひとついいフレーズできたら、もうシメシメですね。
そこから先は、肩の力を抜いて、適当に作ったほうが、結果として、いい曲に仕上がるということは大いにあると思っています。
この曲もそうでしょう。
ただ、その「むぎゅ」のフレーズ以外で、この曲に関しては、すでに、頭の中でずっと鳴っているフレーズがもうひとつあります。
それは、「恋は神代の昔から~」のところ。
ここはですね。
おもいきり、浪花節調といいますか、演歌調といいますか、歌謡曲っぽくいきたいんですね。
そして、その後に続く、サビの部分とのコントラストを、くっきりとしたい。
ボーカル音も多少いじって、いにしえのラジオ放送のような、ノイズを含んだモノラル音にしたいと思っています。
さて、能書きはこのあたりにしておきましょう。
どうでしょうか。
僕がイメージしている、この曲の全体像って、みえますか?
とりあえず、この曲は、ギターを抱えるまでは、もう少し、頭の中で、全体像を転がしてみることにいたします。
要するに、この曲が、どんな「音」になるのか。
楽しみですね。
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