母べえ
天才映画評論家
「63歳の吉永小百合に、40代の母親役というのは、ちょいと無理がある。
まあ彼女くらいなら、みてくれはそれなりにこなしてしまうでしょうが、ほれあのシーン。
彼女が、沖でおぼれてる浅野君を助けるために海岸を走るシーンは、
おもいきり63歳だったね。隠せないものは隠せない。
まあ、それでも走って、泳いだ分だけ、さすがだけど。
それから浅野忠信は、やはり山田作品ではちょっと苦しい。
この俳優を活かそうと思ったら、やはり『いい人』はやらせない方がいい。」
秀才評論家
「あの時代の、母親たちは、みんな大変な思いをしているから、今の40代の母親たちよりも
ずっとくたびれています。
これは、60代の吉永小百合が演じるくらいで、ちょうどいいリアリズムになるというもの。
そのあたりもちゃんと、山田監督の計算です。
鈴木瑞穂演じる、父べえの恩師に、母べえが噛み付くシーンがありますね。
主人はそんなに悪いことをしたんでしょうかって。
こんな理不尽な法律が理解できないみたいなことをね。
そしたら、先生は、それでも法律は法律。
悪法でも無法よりははるかにましだと言い放ちます。
最近の山田作品は、権力の横暴にものを言う作品が続いてはいるけど、こんなセリフを織り交ぜて、
きちんと、バランスを取るあたりがさすが。」
バカな評論家
「てるべえに、千代子という名前の妹がいたら、この家では、『ちょーこべえ』」
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