映画を見て、「怖い」と思った、自分の一番古い記憶をたどってみました。
たぶんこれです。
1966年 大映京都作品 「大魔神」
この映画の公開時、僕は7歳。
『大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン』と併映の2本立て興行でしたから、子供子ごろにも、よく覚えています。
まあ、とにかく、この「大魔神」の造形はインパクトがありました。
そして、怖かった。
当時の怪獣映画は、ほとんど見ていますが、「怖い」という点で言ったら、どれも「大魔神」には及びません。
では、なんで怖かったのか。
まず、大きさの設定が、絶妙でした。
怪獣映画に出てくる、怪獣たちの身の丈は、40メートルから50メートルという、とんでもなく大きな設定でした。
これに対して、大魔神の身の丈は、10m。
よりリアルで、身近な大きさとでもいましょうか。
あの、怖い目で睨まれるときも、その視線が、グッと近くに感じられるというわけです。
大映の特撮チームは、この「大魔神」の寸法に合わせて、建物の瓦なども、すべて実物の25分の一の寸法でセットを組んだといいますから、やはりあの映画のリアルさには、手がかかっていました。
設定は、小さめでも、印象としては、怪獣たちよりも、むしろ大きいくらいにかんじられましたから、やはり見せ方がうまかった。
けして、子供だましではつくっていないというわけです。
さて、「大魔神」はシリーズ3作品がすべて、1966年に作られましたが、少年だった僕の脳裏に焼きついていた、コワーいシーンは、第一作の「大魔神」の中にありました。
大魔神が、逃げまわる、悪党の殿様を、次第に追い詰めていきます。
殿様は、半狂乱状態で、隠れ部屋に逃げ込みます。
しかし、大魔神の大きな手が、その部屋にも伸びていきます。
部屋の中をにげまわる悪人顔の殿様。
そして、じりじりと後ずさりしていく殿様の背後に、大きな大魔神の手がフレームイン。
「よし、いない」と思って振り返った瞬間に、大魔神の手でわしづかみされます。
まあ、そのシーンの怖かったこと。
子供心に、おもわずドキリの、おもわずゾゾゾでしたね。
しばらく、この大魔神の夢でうなされた記憶があります。
このブログを書くのに、DVDでそのシーンを再見しましたが、やはり今見ても、うなりますね。
さて、そのシーンはコチラ。
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