さて、「妖怪百物語」から、お次のドキリは、「のっぺらぼう」。
「のっぺらぼう」といえば、妖怪の世界では名が知れています。
江戸の悪徳豪商但馬屋は、住民の嘆願を握りつぶし、敷地に祭られていた古い社もつぶして、長屋も岡場所にしてしまおうという算段。
手代の重助と若い衆が、てはじめに社を壊そうとすると、たちまち天空かき曇り、なにやら怪しげな雲息行き。
恐れをなした若い衆にハッパをかけようと、重助が声をかけると、若い衆の振りかえったその顔が「のっぺらぼう」
泡をふいて、但馬屋にな駆け戻る重助。
すると、玄関先で、彼を待っていたのが、但馬屋のバカ息子新吉。
「どうしたんだい?」
「で・・出たんですよ」
「なにが?」
「目も、鼻もないのっぺらぼう」(このときの「ら」の発音は、おもいきり転がります)
「へえ、のっぺらぼうねえ、のっぺら・・のっぺら・・」
新吉はそうつぶきながら、徐々に後ろ向き、そして、振り返りながら・・
「こんな顔かい?」
ドヒャーッ。
この新吉を演じていたのは、ルーキー新一という、当時の上方お笑い会の人気モノ。
あの「レッツゴー3匹」のリーダー正児の実兄です。
「てなもんや三度笠」での「いやーんいやーん」というギャグは僕の記憶にかすかにありますね。
いろいろとスッタモンダのあった人で、後に警察のご厄介になり、この世界から事実上干されてしまった人。
元祖「お騒がせ」コメディアンです。
しかし、演じた妖怪が「のっぺらぼう」では、顔がわからないか。
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