■性的虐待、56%が1年以上…実父最多34%
(読売新聞 - 04月19日 )
(読売新聞 - 04月19日 )
なのたそうです。
これはちょっと驚きです。
実は、僕の予想と違っていたんですね。
性的虐待の犯人に、「実父」のパーセンテージが一番多かったという事実。
実父というのは、つまり血縁関係のある親子ということですね。
これが、「義理の父」ということならわかるんです。
僕の予想はそれでした。
今の世の中、バツイチ、バツニはあたりまえ。
誰もそんなこと、隠しもしなくなってきた世の中。
そんな世間の風潮の中で、じゃあ再婚したおとっつぁん、おっかさんたちが、その相手の子供を、我が子のように愛せるかどうかという疑問。
2~3歳の、「可愛い盛り」ならまだしも、やがて迎える反抗期。
実の子でさえ、憎たらしくなるのに、それが実際の我が子でなかったらどういうことになるのか。
後を絶たないこの手の社会記事を読むにつけ、僕個人としては、性的虐待の温床はそんなあたりにあるとにらんでおりました。
性的虐待の主犯は、「義理のオヤジたち」に違いない。
しかし、結果はさにあらず。
なんと、血を分けた「実の父親」たちによる犯行が一番多いという。
これには、うなってしまいました。
まあ僕などが、偉そうに道徳の話をしてもしょうがないので、DNAレベルのお話をしましょう。
ウェスターマーク効果というのがあります。
ちょっとGoogleしてみました。
幼少期から一緒の生活環境で育った相手に対しては、長じてから性的興味を持つ事は少なくなるという現象。
これは血縁認識のための刷り込みの一種であると考えられている。
これは、19世の偉い学者さんが提唱したもので、霊長類含む哺乳類、または鳥類でも観察されています。
ちょっと難しい話をしましょう。
近交弱勢というのがあって、近親姦で子供が生まれると、遺伝的疾患のある子供が生まれやすいということがあります。
動物たちは、本能的にこれを知っていて、本能的にか、意識的にか、とにかく「血縁認識」ということをするわけです。
人間で言うなら、「とうちゃん」「かあちゃん」「おじさん」「おばさん」なんて具合に、血縁であることを意識付けするような呼び方を我々は習慣的にやりますな。これも「血縁認識」のひとつでしょう。
とにかく、人はといいますか、動物たちは、血縁の家族に性的興味をもつのはまずいぞということを本能的に知っていた。
だからこそ、そのための防衛策として、小さい時からずっと一緒にいる者に対しては、性的興味を失わせてしまおうというプログラムをDNAに仕掛けたわけです。
ウエスターマーク効果というのがそれです。
ちなみに、自慢ではありませんが、僕の親戚にはけっこう美男美女が多いんですね。(残念ながら、僕は例外ですが)
いとこあたりを見渡しても、なかなか「いい女」が多かった。(今はもうみんないいオバサンですが)
しかし、僕は人並み以上のスケベではありますが、思い返してみても、僕がそんな彼女たちに性的興味はもったことはなかった。
よくよく考えてみると不思議といえば不思議です。
だって、彼女たちと同じ年頃の巨乳AV女優のDVDには十分すぎるくらい興味があった(といいますか今でもありますが)にもかかわらずですから。
これはいったいどうしてだろうかと考えると、なるほど、このウエスターマーク効果というのをいわれれば実に納得いたします。
つまり、その答えは、僕が彼女たちを赤ちゃんの頃から知っていたということ。
たぶん、これにつきますね。そういうことなら、難しい学問の話としてではなく、実感として理解できます。
つまり、遺伝子レベルでは、人間は、血縁関係者には、性的興味を持たないようにプログラムされているわけなんです。
話を戻しましょう。
なのにです。
なのに、性的虐待の主犯は、実の父親たちであるというこの結果。
いったいこれはどういうことか。
そうすると考えつくことはひとつ。
その原因は、今の父親たちが潜在的に抱えたストレスだろうという推測ですね。
つまり、オヤジたちのストレス発散のハケグチが、実の子供たちに向けられてしまっているということです。
そうなると悲惨です。
そこにいるのは本来愛情を持って守っていかなければいけないはずの我が子ではなく、完全に自分の支配下にある文句を言わない弱者。
子供たちはなすすべもありません。たまったもんじゃない。
遺伝子の命令を無視してまでも、実の父親が我が子に牙をむけさせてしまうようなストレスが、現在の人間の社会には渦巻いているという事実は重いなあ。
ご存じのように、遺伝子は環境に応じて進化していきます。
こんなことが、人間社会で日常茶飯事のあたりまえになってくると、これは、いずれは遺伝子に刷りこまれてしまいますよ。
でも、よく考えてくださいませ。可愛い我が子を虐待するなんてことが、進化した遺伝子であるわけがない。
こんな忌まわしい父親たちの行動が、我々のDNAに、刷りこまれてしまう前に、こりゃなんとかしないといかんでしょう。
願わくば、普通に、冷静に、あたりまえに、ちょいと我が子を眺めてやってみてくださいませ。
可愛いでしょ。やっぱり。
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