「地下深く 永遠に」という、ドキュメンタリーを見たんですね。
世界で、まだひとつしかないという、フィンランドにある放射能廃棄物処理施設オンカロを扱った番組です。
オンカロは、100年後には、核廃棄物でいっぱいになります。そしてその後は、それに触れたものの、生命の危険を脅かす「パンドラの匣」として、10万年間、フィヨルドの地下深く、誰の目にふれることなく眠っていなければなりません。
こんな地雷を、人類は、原発を利用する限り、まだまだこれからも世界中のあちこちに埋めなければならないということでずね。
しかし、承知の通り、原発による電力の恩恵は受けながらも、そのために廃棄される核廃棄物によって命を脅かされるのは、まっぴら御免だと、人々は、自国に放射能廃棄物処理施設を建設するのを拒みます。
これはもう、食欲のおもむくまま、食べるけれど、トイレや下水処理は作らないといっているのと同じ事。
そして、オンカロは、10万年後という想像もできない未来を想定して、その安全性を確保しなければなりません。
1万年前の人類が、現代の人類を、果たして予想できたかという話です。
それが10万年です。土台無理な話です。
これはもう、我々が、今の生活を確保したいというエゴのために、それによるリスクだけを、未来に押し付けるようなもの。
番組で、オンカロ施設関係者が、未来の人類にメッセージを送っていました。
「ここは危険です。入ってはいけません。立ち去って下さい。」
「ここを、開けてはいけません。開けさえしなければ。あなたたちは安全です」
「この中にあるものは見えません。しかし、確実にあなたたちの生命を奪います」
「私たちは、あなたたちを信じています。」
でも、やはり、未来の彼らに、きちんと言っておかなければいけない大切なひと言がなかった気がします。
それは、やはりこれ。
「こんなものを残してしまって、申し訳ない。」
http://www.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/detail/110216.html
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