「峠の歴史をしのぶみち」をあるいてきました。2013年7月14日の日曜日。関東ふれあいの道 埼玉県4番目のコース。
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さて、本日は「関東ふれあいの道」埼玉県コースの4番目「峠の歴史をしのぶみち」全行程15.6kmを歩きます。
実は今回は不安材料が少々。
白状してしまいますが、実は前の週、仕事中にトラックの荷台から落ちて足に怪我をしております。
傷口は、今でもジーンとしびれる感じ。
3日ぐらい経って、特に痛いということはないのですが、やや足は重い感じです。これが左足。
そして、反対の右足ですが、これもここ最近やや違和感があります。
右足の付け根のほうが何か踏ん張れないと言う感じなのです。
だから、普通に歩いていて、右端が軸になる時に、踏ん張れずに右側によろけるという感じがあります。
こうゆう状態で、険しい山道を歩くのもどうかと思いましたが、普段はなまっている体ですので、少しいじめてやるかという気持ちがムズムズとわいてきて結局決行。どうかなったらどうかなったのこと。
さて、いちにち歩き終わってどうなるかはお慰みというところです。
さて、今回は秘密兵器を購入しております。
前回にもちらりと言いましたが、万歩計です。
ドンキホーテで2480円。
若い頃は、こういうものを持ち歩いて、歩数を自慢しているおじさんたちを、「何が楽しいのか? 」と馬鹿にしていた僕ですが、ついに、自分もそういう歳になったということでしょうか。
万歩計を持って、家の近くをグルグルとウォーキングというガラではありませんが、自然の中なら話は別。
せっかく歩くなら、どれくらい歩いたか記録するのも悪くないかという気になったというわけです。
さて今回の出発は、西武秩父線の正丸駅。
前回は、ここが到着地点でした。
前回は、到着するやいなや電車が、すぐに滑り込んで来てしまったので、駅周辺をゆっくりと撮影できませんでしたが、本日は、まずは、ここでまったり。
日曜日です。僕と同様、ここから、山歩きをスタートする人が、正丸駅に続々到着してきます。
売店はまだ閉まっていますが、広い駅前広場には、バイクのツーリストが休憩中。
ざっと、本日の散策コースを、確認してから朝7時、「関東ふれあいの道 峠の歴史をしのぶみち」出発。
さて、正丸駅から、正丸峠までは、前回下りてきた道を登っていきます。
前回はこの道を、途中で標識を間違えてコースアウトしてしまいましたので、今回はしっかりと確認しながら歩きたいと思います。
このあたりは、県立奥武蔵自然公園内。道路脇の民家にも、盛夏に負けずに咲く花々を眺めながら、林道大蔵山線を上ります。
前回は、盛りだった紫陽花が、この夏の日差しで、そろそろ枯れかけております。
一句
梅雨明けて静かに枯れる紫陽花かな
民家のあるあたりは、まだ舗装道路ですが、民家が途切れるといよいよ本格的山道。
太陽はそこそこ降り注いでいましたが、樹冠に遮られて、鬱蒼とした森の中までは届かず、それほど熱さは感じません。
しばらくいくと、急な階段の上の方に見えてきたのが奥村茶屋。ここで8時30分。
しかしまだ開店前。このあたりで標高651m。正丸峠到着です。
ここから、本日のコースは、旧正丸峠、虚空蔵峠、狩場坂峠、高篠峠、白石峠と、峠の縦走をしていきます。
正丸峠からまた山道に入り、上って下ると旧正丸峠。
ここから、虚空蔵峠までは、けっこうアップアンドダウンの激しい山道。
すぐに息が上がってきます。
こういう時は、ストック代わりの木の杖が見つかると、特に上りは楽になるのですが、なかなか見つかりません。
疲れてくると、つかまれそうな枝や樹木には、ヨイショト体重を預けてしまうようになりますが、特に下り坂では、ボキッと折れたらそのまま谷底みたいなところもあり、慎重に枝ぶりなど確認している余裕もないので。最終的には「命預けます」みたいな気持ちで、山道を進みます。
虚空蔵峠に到着が10時。
ここで一休み。さて、ここまで何歩歩いたかなと、仕込んだ万歩計を見ようと思ったら・・・
あらら。これがありません。
ポシェットのサイドポケットに行けておいたのですが、影も形もない。
どうやら、山道のどこかで落としたようです。これはショック。
まさか、ここから戻って探せるわけもなく、わずか半日の付き合いだった万歩計は今回はあきらめました。
さて、ここから、狩場坂峠までは、舗装した一般道路を歩くのが正規のルートなのですが、前から来たオジサンが、山の道もあると教えてくれたので、躊躇せず山道に入ります。
さて、山道から、狩場坂峠に下りてくると、時刻はお昼前。
峠は、賑やかでしたね。
カールトンかビアンキのロードレーサーで、颯爽と山道を漕いでのぼっていくサイクリストたち。
もう明らかに還暦を越えていると思われるおじいちゃんライダーたち。
休憩する人たちに、一杯250円のコーヒーを販売しているワゴン車。
ほとんどの人たちは、この狩場坂峠で休憩して、記念写真を撮りあっていましたね。
天気もよく、はるか上越、日光、筑波までの山並みが一望てす。
さて、ここから大野峠までは、2.6キロ。
比較的なだらかで、歩きやすくはありますが、けっこう長い道のり。
さて、今回の山歩きでは、けっこう虫たちと目が合うことが多かったですね。
もっとも、こちらとしては、彼らのどこが目なのかはわかっちゃいませんが。
つまり、だんだん、山歩きがしんどくなってくると、立ち止まることが多くなり、立ち止まると、自然に視線は地面か周囲の樹木に行き、気が付くとそこでは、虫たちがなにかもそもそとやっているという寸法です。
もちろん、何の虫かはわかるはずもないのですが、これがよーく見ると、案外おもしろい動きをしているんですね。
ここで、あんたたちと会ったのもなにかの縁。
つまんで持って帰って、昆虫採集をする気はありませんが、せめてビデオに録画してお持ち帰り。
自然の中で、どんなにトッても怒られないもの。
それは映像と音声とおいしい空気。
まあそんなわけで、虫たちは虫たちで撮りまくって、動画にまとめましたので、嫌いでない方は、こちらをご覧ください。
まあ、街の中で人にカメラを向けますと、場合によっては、モザイク処理をしたり、お断りをしなければいけないなど、いろいろとやっかいなことも多いのですが、自然の中で虫達を撮る分には、どんなに近くによってクローズアップしても、ノーエクスキューズ。怒られることはありません。
僕のような、ビデオ編集オタクには、どうやら、自然の中でビデオカメラを回している方が無難のようです。
さて、大野峠まで来ると、標高は819m。
その先の急な斜面が本日の最大の難関。そして、ここを上りきったところが本日の最高到達点。
下から見上げていると、なにか、黄色いものが、てっぺんを横切るではありませんか。
「なんだなんだ」と登り切ってみてみると、そこはなんとパラグライダーの離陸ポイント。
まさにいま、パラグライダーが、テイクオフした後でした。
ここは、前方180度が、ほぼパノラマの、本日ナンバーワンの絶景ポイント。
ここで、おもわず斜面の芝生に大の字。
浮き世のストレスを、奥武蔵の夏空にほっぽり投げてまいりました。
さあ、ここまでくれば、あとは下り道。全行程のうち、3分の2は踏破。
高篠峠から、白石峠まで下りていけば、白石バス停のゴールは見えてまいります。
秩父地方は、山に囲まれて孤立したイメージがありますが、実際は多くの峠道で、周囲の地方と結ばれていたんですね。
昔は、水害などを受けやすかった川沿いの道よりも、峠越えのルートの方が、多少道は険しくとも、周辺に住む人たちにとっては安定した交通路だったようです。
この奥武蔵高原の峠は、その先にある越生に向かって並んでいます。
昔は、この地方の経済の中心は越生だったということです。
高篠峠には、札所一番の巡礼道としても利用された記録があるといいますから、今日歩いてきたこの峠道は、昔は生活道路として整備され、文化的交流のバイパスになっていたというわけです。
なんて、偉そうに申しましたが、これ峠の案内板のウケウリ。
白石峠の休憩所まで来ると、オジサンが一人昼寝。
邪魔しないように、片隅に座って、水分補給していると、寝たまんまで話しかけられました。
「だんなさん。どちらから来たんかね。」
正丸駅からのルートを説明すると、ムクリと起き上って、「そりゃ、歩いたねえ。」
なんでも、定年後は、のんびりと山歩きをしながら遊んでいるとのこと。
しばらく話していると話題は、見上げた山の上に立っているアンテナ塔。
人しか歩けない山の上に、どうやどうやってあれを建てたのかしばし談義。
結局ヘリコプターを使って機材を運んだのだろうということで、オジサンと別れて白石峠を後にしました。
さて、ここからゴールの白石バス停までは、2.8キロの下りの山道。
バスの時間までには、余裕があったので、のんびりと下りてまいりました。
さて、痛恨の万歩計紛失はありましたが、およそ16キロメートルの山道を歩いてみて、心配していた両足はなんとか無事。
ショック療法が功を奏したか、むしろ前日よりも、調子はいい感じ。
やはり、人間の手足は、使わないといけないように作られているようです。
白石バス停到着は15時15分。
前回はあわただしかった到着でしたが、15時30分のバスには、らくらくセーフ。
昼飯は抜きで、朝の7時から、8時間30分の自然散策コース。
森林の天然の日傘に守られて、真夏の奥武蔵峠縦走コース踏破。無事クリアです。
それでは今回の山歩きで見かけた草花。
名前が判明したものからご紹介。
ムラサキツユクサ。
紫陽花アナベル
ダリア
ヤマユリ
カッシアコリンボサ
トキワネム
さて、それでは、今回の散策を、いつもの通り、18分の動画にまとめましたので、是非ご覧になって、僕と一緒に行った気になってみてください。
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