さて、いよいよ、関東ふれあいの道の埼玉コースにリーチがかかりました。
埼玉県全13コースのうち、今回が12コース目。
残すところ後1コースです。
去年の5月からスタートしていますから、ほぼ1年ですね。
さて今回のコースは、「グリーンラインに沿った道」。
西武秩父線の吾野駅からスタートして、顔振峠、傘杉峠までは、前回の
11番目のコースをなぞります。
前回は、ここから黒山三滝に下りて行きましたが、今回はそこからさらに、
関八州見晴台へ登り、さらに、飯盛峠、檥峠(ぶなとうげ)を経て、
刈場坂峠、大野峠、白石峠と、奥武蔵の山々を縦走する、埼玉県最長のコースです。
全行程およそ22キロ。
決行したのは、今週の月曜日。4月14日。
前日の日曜日に、緊急出勤いたしましたので、振替休日だったのがこの日。
月曜の朝は、最近の傾向として、日曜日に一日パソコンに向かって三食食べるので、
結果、たいていが日曜太り。
なので、今回の日曜日は、仕事で体を動かしていたので、そうは太るものかとたかをくくっていたら、
なんと朝の体重計が64.7キロ。
最低でも、63キロ台に収まっているかと思っていたのでプチショック。
これで、決めました。
幸い早起きが習慣になっていましたので、吾野に向かう始発の電車にまだ間に合う時間。
急いで支度をして、始発の川越線に飛び乗りました。
西武秩父線吾野の駅に到着したのが、6時30分。
22キロの行程ですから、お昼前までには、なんとか3分2くらいは歩き切ろうという予定です。
早朝の吾野宿から、まずは顔振峠。
前回は、ちょうど梅の時期でしたが、今回は桜が季節。
4月も14日ともなると、さすがに葉桜が増えてきましたが、まだまだ、あちらこちらで桜は見頃。
さて、今回のコースは、奥武蔵グリーンラインともいわれています。
正式名称は、「奥武蔵林道」
昭和38年に、林業重点施策の一環として計画され、およそ2000ヘクタールに及ぶ
森林資源の開発のほか、比企、入間、秩父の埼玉三郡の交通路の役割を担って
誕生しています。
この辺りの山には、杉やヒノキの美林が生い茂り、
遠い江戸の昔から、西川材として、優良な木材を、提供し続けてきました。
さて、傘杉峠からは、そのグリーンラインに沿って、関八州見晴台へ登っていきます。
到着したのは、10時前。
ここまでは順調でした。
関八州見晴台の標高は771メートル。
天気は快晴。
富士山こそ見えませんでしたが、北には関東平野の外輪山。
東には、都心から房総半島まで、南から西にかけては丹沢、奥多摩、秩父の山並みが
ほぼ360度の大パノラマで展望できました。
この関八州見晴台は、関東三大不動の一つ高山不動尊の「奥座敷」といわれています。
高山不動尊は、遠い奈良の昔、あの藤原鎌足の第二子長覚坊上人が、東国鎮護のために
建立したお寺。
山伏たちの修験場として、栄えてきました。しかし、本日はひっそり。
この日の見晴らし台には、女性の先客が一人。
いなければ、気持ちよさに任せて、ビートルズでも歌ってこようかと思いましたが、長い道中なので
撮影だけ済ませて、先へ急ぐことにいたしました。
さて、この見晴らし台よりもさらに高いところにあるのが飯盛峠。
ここは、標高816メートルです。
しかし、今回はここで痛恨のコースアウト。
檥峠へ向かうべき道を完全に間違えてしまいました。
いいかげん下ったところで、「関東ふれあいの道」の看板が出てこない異変に気付き、
立ち止まって、回していたビデオカメラの映像で飯盛峠付近を確認して、まさかの
コースアウトが発覚。
いい調子で下りてきただけに、今度は同じ道を登ることの、なんとしんどいことよ。
ここは、先を見て歩くと気が遠くなるので、足元だけを見ながら、iPhone で、音楽鑑賞。
たまたまあった、斉藤和義の「カーラジオ」を、ここぞとばかりにリピートで再生。
これを4回か5回聞いているうちに、コースアウトした、飯盛峠までなんとか復帰。
おかげて、気が付けばこの曲は、ソラでも歌えるようになっておりました。
おそらく、今後この曲を聞いたり歌ったりするときは、この山道の映像がフラッシュバックすることでしょう。
さて、今回は、このロスで完全にペースを崩してしまいました。
時間的には、まだ余裕はありましたが、体力がかなり消耗してしまったようです。
まあまあ、この後の、上り坂のなんとしんどかったことよ。
檥峠から、刈場坂峠に向かう途中にあるツツジ山が今回の最高到達点になります。
ここまでいけば、後は下りになりますから、そこまでの辛抱と思って歩いていたのですが、
頂上までがなんと遠いことよ。
とにかく、10分歩いて5分休憩みたいな調子でしか、先に進めませんでしたので、
時間はどんどんたっていき、次第に最終バスの時間が頭にちらつき出します。
それでもなんとか、ツツジ山の山頂に到着。
ここの標高が879メートル。
この先、もう登りはないのですが、刈場坂峠を過ぎで、次の大野峠までの3キロの
山道もしんどい、しんどい。。
大野峠の休憩所についた時には、もうビデオカメラを回す体力さえ残っていない有様でした。
ここで、およそ30分は放心状態。動けませんでしたね。
そうそう、体力の消耗だけでなく、眠気も半端じゃなかった。
今回はじめて、歩きながら眠るという離れ技もやってのけました。
気が付くと、何百メートルか歩いていた記憶がないんですね。
さて、大野峠でダウンしていると、ちょうど正丸峠を上がってきたという中年のご夫婦が、
声をかけてくれました。
お二人には、僕がそんなにグロッキーだとは見えなかったようで、
いろいろと話しをしているうちにやや元気が回復。これで助かりました。
また歩き始めて、なんとか白石峠までたどり着いた時には、時刻は午後4時。
残り白石バス停まで、3キロ。
しかも、この3キロは、かつて歩いたことのある行程でしたので、なんとか5時34分のバスに間に合う
めどが立ち、やや元気も盛り返してきました。
白石峠を下りてくると、そこは東秩父村。
民家もチラホラ見えてくると、のどかな山里の趣きです。
色とりどりの花や樹が、田んぼや民家の垣根に咲き乱れ目を奪われました。
そんな民家のガレージを改造して、アマチュア写真家のオジサンたちが、
ささやかな写真展を開いていました。
ノドがカラカラだったので、ここぞとばかりに、この写真を絶賛させてもらい、
冷たいお茶をいただくことに成功。
ああ、このお茶のなんとおいしかったことよ。
白石バス停到着は、午後5時15分。
なんとかバスには間に合いました。
ここまで、歩きに歩いて46368歩。走行距離32キロ。
関東ふれあいの道の埼玉県コース、最大の難コースは、途中のコースアウトにもめげず、
かろうじて踏破です。
ああ、しんどかった。
残すは、最後の13番目のコースだけとなりました。
なんだかんだありましたが、やはり終わってみれば達成感はあります。
歩き終わったばかりではありましたが、さあ最後のコースは、いつにしようかなどと、
すでに13番目のコースに思いを馳せておりました。
山歩きをしていると、否が応でも、学習させられてしまうことが、2つあります。
ひとつめ。
道を間違えてしまって、間違った地点まで戻らなければいけない時、
街にいれば、iPhone で調べて、電車でかっ飛んで戻ったり、
タクシーで移動したりできますが、山の中では、飛び道具は一切使用不可。
やれることは来た道を一歩ずつ戻るしかないということ。
そして、ふたつめ。
しかし、その道を一歩ずつ戻って、さらにその先へ進めば、必ずゴールには辿り着けるということ。
これを体に感覚として覚えさせるという訓練においては、山歩きに勝るものはないような気がします。
それでは、へろへろになてしまった今回の情けない山歩きを、動画でご鑑賞下さいませ。