寅さんオタクですから、もう過去に何度も見ている作品です。
第17作目。昭和51年製作。
今回は、仕事の移動時間に、Youtube で見ました。
iPad で見れば、そこそこ見た気になります。
100分のフル尺が、ノーカットで見られるわけですからいい時代になりました。
まあ、作り手の気持ちを考えれば、お金を払って映画館で見たいところなのですが、
やはり便利なのには勝てません。
Youtube のリストには、まだズラリとシリーズの名作が並んでいましたので、
楽しみです。
さて、今回のマドンナは、太地喜和子。
播州龍野の芸者ぼたんを演じます。
そこに絡むのが、日本画の大家を演じる重鎮・宇野重吉。
今回改めて見て、この作品の脚本は、上手にかけているなあと感心した次第。
散りばめた伏線が、寅さんシナリオの定型を上手に活かしながら、
ラストにつなげるストーリーテリングは、山田監督と朝間さんの職人技。
シリーズの中でも、特に名作の誉れ高いのもうなづけます。
特に、今回は、この拙いイラストに描いたラストに近いシーンが秀逸。
もうボロボロに泣いてしまいましたね。
確か、前回見たときにはそうではなかったよな。
おそらく、それなりに年を重ねて、涙腺が緩んできたかどうだか。
今までも、寅さんの映画では、必ずどこかのシーンでジーンと来てウルウルしてきましたが、
よくよく考えてみるとそのシーンも、見るたびに違ってきていることに気が付きます。
良い映画とは、おしなべてそんなもの。
男に騙されて、200万円もの貯金をとられたぼたん。
これを取り返そうとする、寅さんと、おなじみの寅屋の面々たち。
しかし、奮闘むなしく、取られた金は、返ってきません。
ぼたんは、自分のために、走り回ってくれた、寅さんたちの優しさを胸に龍野に戻ります。
しかし、そのぼたんの元には、画伯からの贈り物の日本画。
寅からの依頼を、一度は断った画伯の粋な計らいです。
ぼたんの元にフラりと現れた寅に、彼女は涙を浮かべながらこう言います。
「市長さんには、200万円で譲ってくれと言われたけど、うちは、1000万円と言われても、
売りゃしません。これは、うちの宝物や。一生大事に持ってます。」
今回は、もうここで涙止まらず。
家に帰って、思わずDVDを引っ張り出して、このシーンをキャプチャーしてイラストを一枚。
ちょっと急いで描きましたので、納得はしてないんですが、まあよしとします。
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