1965年制作の東映任侠映画。
主演は、ご存知東映の大スター高倉健。
デビューへ当時の彼は、ギャング映画などに多く出演していたがあまりパッとしなかった。
白目の多い三白眼が彼の顔立ちの特徴。
誤解を恐れずに言えば、いわゆる「悪人顔」である。
しかし、この特徴を見事に活かして、彼をスターダムに押し上げたのが「日本侠客伝」のヤクザ役。
これで火が付いた健さん人気に便乗して、一気に作られたのが「網走番外地」シリーズと、この「昭和残侠伝」シリーズ。
「日本侠客伝」の黄金パターンの時代背景を、そっくり戦後に置き換えたのがこのシリーズ。
地元の悪徳ヤクザ組織の横暴に耐えるギリギリまで耐えて、最後にそれが爆発。
助っ人の流れ者侠客と共に、敵に殴り込みをかけるお馴染みのカタルシス。
助っ人は、「日本侠客伝」では、中村錦之助が演じだが、このシリーズで演じたのは池辺良。
ついていこうとする子分たちを制して、単身敵地へ殴り込む健さん。
「いよっ、待ってました。健さん!」
当時の熱狂的ファンが、しびれる場面はたいていこのシーンでした。
そしてその道に立って、傘を持って待っているのが池辺良。
「止めないでくだせい。ここでいかなきゃ、日本中のヤクザの笑いものになります。」
かくして二人は、血の修羅場へと。
時代劇制作が次第にテレビに移行して行く中で、東映映画の生業は、子供は見てはいけない任侠やくざ映画にシフト。
東映が子供用に興行したのは、「東映マンガまつり」。
友人たちと鑑賞しに行ったのはもちろん、ブラウン管でしか見られなかったスクリーンの「狼少年ケン」や「風のフジ丸」。
そして、その子供向け興業の次週予告編はたいてい任侠映画でした。
ませたガキだった僕は、その予告編を見てワクワク。
でも、当然子供の頃は、みたくても見られなかった映画でした。
その後テレビでも、任侠映画は、なかなかオンエアされず。
子供心に、煽るだけ煽られて見られなかった映画が、東映の任侠映画。
それを今この年齢になって、やっと当時のカタキを取るように、見ております。
Amazone プライムビデオに感謝。
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