2014年製作の映画。
原作は、中沢けいのデビュー小説。
1978年に執筆されたものです。
原作者は、僕とほぼ同年代の人。
読んではいないのですが、この小説自体のセンセーションは、本屋の息子としてちゃんと覚えていますね。
現役女子高生が、等身大のセックスをリアルに描写。
今なら、ちょっと間違えれば、ケータイ私小説なんてカテゴリーでくくられてしまうかもしれません。
しかし、原作はちゃんと純文学として扱われ、群像新人文学賞を受賞。
内容が内容ですから、そうそうに映画化されても良さそうなものでしたが、映画になったのは原作発表から36年後でした。
主演は、市川由衣。
この人、清純派アイドルとしてはそろそろ限界と悟ってきたのでしょう。
この作品では、オールヌードも厭わない、腹をくくった体当たり演技。
スケベオヤジとしては、しっかり楽しませてもらいました。
これで、女優としては一皮剥けたというところでしょうか。
相手役は、岩松壮亨。
先日見たドラマ「銀と金」で、はじめて見かけたましたが、彼もまたこの役にはすっぽりと馴染んでおりました。
描写はかなりきわどくても、原作の青春文学テイストを出すために映画の演出は、奇をてらわず淡々と静かに進行。
完全にドラマではない、映画的な演出です。
正直申して、主人公・洋の恵美子に対する突き放した態度には、かなりイライラさせられたのですが、よくよく思い起こしてみると、僕たちが高校生だった頃は、そんなクールさが男としては、かっこいいんだというような風潮が確かにありました。
到底僕には、そんな芸当は逆立ちしてもできなかったのですが、あの頃のモテていた男たちには、共通してそんなスタイルが見受けられました。
「かっこつけてんじゃねえよ」
などと、腹の中では思いつつも、実際それで連中は確かに、もてていましたから、もてない方が文句を言っても始まりません。
僕らの世代は、世の中からはシラケ世代とよく言われたものです。
それは感情的になることを潔しとせず、何事につけてもクールに振る舞うこと。
ですから、当時の大人たちから見れば、それはなんとも可愛げなく映っていたのでしょう。
そしておそらく、そのイライラは、僕がこの映画で感じたものと同質のもの。
時代はめぐるというわけです。
僕らの高校生の頃は、セックスにはまだオープンというわけにはいかない頃で、当然やっている人はいましたが、みんなどこかコソコソとしていました。
案外それも、秀才タイプに多くて、どこか頭でっかちだったような気がします。
ですから、セックスが不純異性交遊ではなく、純文学になってしまうような空気が、あの頃はまだ確かにありましたね。
僕なども、けして奥手ではありませんでしたが、異性交遊は、まずは文通から始めるのが常でした。
さて、スケベオヤジの感想。
同じ素材を、AV監督が、コテコテのオジさん好みの、巨乳AV女優を起用して作ったらどんな作品になる?
不謹慎ながら、ちょっと、そんな妄想が頭をよぎりました。
AV女優のお嬢さんに、もちろん演技力は期待しませんが、でも見てみたいなあ。
残念ながら、この映画の主演女優、少々おっぱいが・・・。
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