子供の頃、この手の特撮映画は全部見ていた自信があったのですが、東映映画というのは穴場でした。
けっこう、見ていない映画があるもんです。
この「海底大戦争」もその一本。
1966年の作品。
日米合作映画というと、「トラトラトラ」みたいな大作映画かなと思ってしまいますが、これはかなりB級テイスト。
アメリカ封切りのタイトルは、「Water Cyborg or Terror Beneath the Sea」
とにかく、アメリカの俳優たちが多い映画で、まずそれにびっくり。
主演の千葉真一と、悪役にチラホラと東映画の常連俳優の顔が確認できるだけで、あとすべてのキャストはアメリカ人俳優。
でも、知っている俳優は一人もいませんでした。
アメリカ人俳優のセリフはすべて吹き替え。
アメリカ公開では、千葉真一のセリフが吹き替えられたのでしょぅ。
水中サイボーグの造形は、明らかに「アマゾンの半魚人」からいただいたもの。
怪獣は登場しません。
なので、これは特撮怪獣映画というよりも、特撮アクション映画というくくりかも。
半魚人サイボーグは出てくるものの、やはり怪獣が出てこないと、もしあの頃に見ていたとしても、子供心に、物足りない感はあったかもしれません。
東宝特撮映画にも、「世界大戦争」「宇宙大戦争」という怪獣が出てこない作品はありましたが、僕はこれも未見。
但し、これは、子供対象の映画ではないので、見ていなかったかもしれません。
この作品は、子供向けか、一般向きか。
そのあたりがちょっと微妙な映画。
本多猪四郎監督の一連の東宝特撮映画は、子供も大人も引きずりこむクォリティがありましたので、ほとんどの作品は見ていますが、東映の特撮の場合は、子供向けは、徹底して子供向けの作り方なので、本作のようにそのあたりが中途半端だと、子供から見た印象は「つまらない」となったかもしれません。
但し、日本の特撮映画は、海外ではそれなりに評価されていたので、この映画は、日本よりもむしろアメリカでのヒットをにらんだ映画だったかもしれません。
なにせ、千葉真一は、アメリカでは、「ソニー千葉」ですから。
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