畑好きの社員仲間三人で、会社の農耕地をお借りして野菜作りをしています。
昨シーズンまで、さらにその畑の一角を、仲間の恩師という高校の先生に、お貸ししていました。
ところが、その先生の畑というのが、ほとんど草取りをしない放置プレイ状態。
たまに、畑で見かける時も、どうやら意図的に草取りをしない様子でした。
当然、雑草がぼうぼうで、周辺の畑の人たちからも、苦情が出る始末。
ここは、行政区分上は、生産緑地に指定されているところで、管理者はきちんと農業をしていないと役所から指導をされてしまいます。
先生の畑は、一番通り沿いということもあり、そこが草ぼうぼうでは、我々としても非常に按配がよろしくない。
結局、今シーズンからは、先生にはお引取りを願い、そのエリアも、僕らで管理するようになった次第。
思うに、この先生は、おそらく、一応は「自然農」を目指したのではないかと推測しています。
自然農の基本は、「耕さない」「持ち込まない」「草や虫を敵としない」
そんな楽チンな農法で、一般栽培よりも、質の高い野菜ができるなら、自分もやってみたい。
おそらく、先生はそう思ったのでしょう。
しかし、先生は、大きな勘違いをしていましたね。
自然農は、何もしない農法ではありません。
自然と共生する農法です。
川口由一氏監修の本書によれば、自然農の畑は、草取りをしない畑ではありません。
必要であれば、その野菜に応じた草取りを実施します。
そして、その草は捨てるのではなく、その畝に寝かせて、直射日光から守ったり、堆肥の代わりにしていきます。
自然のすることに一切の無駄はない。
人は、畑の中に、余計なものは持ち込まずに、自然の自生力をサポートすることに徹する。
これが、自然農の基本中の基本です。
つい先日読んだ、福岡正信氏の「自然農法〜わら一本の革命」では、農法というよりは、自然農法にあたるマインド部分が語られていましたが、本書では、1つ1つの野菜の具体的な自然農での作り方実践編がメイン。
自分の畑でも、できれば本書で学習した自然農の野菜作りをしてみたいという気持ちはムラムラと起こりましたが、実際のところ、同じ畑の中で、違った農法はなかなか難しそうです。
師匠たちが、綺麗に草刈りをしている畑の隣で、あえて「雑草を残していく」農法をしてみても、側から見れば、それは単なる手抜き農法にしか見えないでしょう。
覚えたてのにわか知識で「自然農」もどきを実践してみても、一歩間違えば、先生の畑と同じく、管理不行き届き農地と、周囲から誤解されてしまう恐れがあります。
まあ、いずれは自然農法を目指したいところですが、ここは郷に入っては郷に従え。
しかし、今の自分たちの畑も、農薬は一切使わない有機栽培です。
自然農法のエッセンスは、注入しつつも、この畑では、この畑のルールで野菜作りをしていくのが、まずは無難そう。
定年後は、静かに田舎に引っ込むつもりですが、そこで無事に自分の畑を持つことができたら、是非とも今度は土作りから、ここで学習した「自然農法」をじっくりと取り入れたいと思います。
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