11大怪獣総登場。
怪獣オタク少年には、夢のような映画です。
なのですが、この映画を、僕は劇場に観に行っていません。
1968年公開の映画ですから、僕は小学三年生。9歳です。
当時は、ガメラに入れ込んでいたので、そのせいだったか。
しかし、この映画を見てきたクラスメートたちは、みんな口々に映画の興奮を語りあっています。
「いやあ、これは観ておくべきだったかな。」
そう思った頃には、もう映画館での公開は終了。
今のように、TSUTAYA や GEO に行けばDVDを借りられる時代ではありません。
結局、この映画を改めてみたのは、だいぶ大人になってから。
おそらく、ビデオを借りて、見たような気がします。
そのせいかどうか、子供の頃の「東宝チャンピオン祭り」で見た、その他のゴジラ映画のような興奮はありませんでした。
確かに、怪獣は勢ぞろいするのですが、どうも、怪獣が多く登場すればいいというものでもなさそうです。
1968年当時は、映画はすでに斜陽。
子供の僕らには、わざわざお小遣いを叩いて映画館に行かなくても、もうすでにテレビで、「ウルトラマン」や「ウルトラセブン」がタダで見られた時代。
おそらく東宝も、これくらいの企画をぶち上げないと、子供たちを映画館に呼べないという危機感があったのでしょう。
小笠原の島に、怪獣たちを集めて管理しているという設定。
スピルバーグの「ジュラシック・パーク」のアイデアは、案外この辺りからきてるかも。
Wiki を調べていたら、この映画は、企画段階では、「怪獣忠臣蔵」というタイトルだったそうです。
なので、地球を侵略しようとする宇宙人の名前が「キラアク星人」。
つまり、悪役・吉良上野介の名前から拝借したとのこと。
映画の主演は、東宝特撮シリーズの常連だった久保明。
でも本格的な主演は、「マタンゴ」とこの映画がくらいじゃないでしょうか。
特撮に予算をとられて、ギャラの高い役者は使えなかったのかも。
それでも、円谷プロのテレビシリーズは欠かさず見ていたので、脇役には知っている顔がゾロゾロ。
これはけっこう楽しめました。
ムーンライトSY-3号に登場する主人公の上官に佐原健二。
この人は「ウルトラQ」の主人公。セスナのパイロット万城目淳です。
怪獣のコントロールセンターの所員には黒部進。
こちらの方は、ご存知、「ウルトラマン」のハヤタ隊員。
それから、本作のヒロイン真鍋杏子を演じた小林夕岐子。
この人も、「ウルトラセブン」で見かけました。
第9話の「アンドロイド0指令」で、宇宙一の頭脳を持つというチブル星人に操られる殺し屋アンドロイド少女「ゼロワン」
普段はマネキン人形で、モロボシ・ダンを命を狙うという役。
これは、けっこう印象に残っていたので覚えていました。
今回、Amazon プライムで久しぶりに見直しましたが、やはり、子供の頃にはわからなかった色々な事情もわかって見直すと、それはそれでいろいろと楽しめましたね。
ただ、ちょっとキングギドラが弱すぎた。
多勢に無勢そのまんまで、登場してきてすぐにやられてしまって、ちょっと「いじめ」にも見えてしまいました。
最後に、「ファイヤードラゴン」という炎の塊みたいな怪物が登場してきましたが、あれはどうでしょうか?
あれなら、ファイヤへードラゴンの下りはなくして、もう少し、キングギドラに華を持たせてあげたかったところです。
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