さて、ゴジラはゴジラでも、これは海外版。
ゴジラは、もちろんアメリカでもドル箱人気キャラクター。
2014年公開で、監督はギャレス・エドワーズ。
ゴジラシリーズは、全巻DVDを買い揃えて研究したというゴジラマニアの監督。
海外版では、1954年の第1作「ゴジラ」に、レイモンド・バーの出演シーンを新たに加えて編集した海外版と、1998年公開のローランド・エメリッヒ監督による「GODZILLA」がありますが、これが16年ぶりの3作目。
レジェンダリー・ピクチャー製作で、この会社は、この後、「ジュラシック・ワールド」「キングコング:髑髏島の巨神」そして、ゴジラの最新作「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」などを特撮モノがお得意。
ストーリー的には、どの前作も踏襲しておらず、完全なリブート。
但し、特別研究機構の生物学者を演じた渡辺謙の役名が、芹澤猪四郎。
これは、一作目の「ゴジラ」を覚えているファンにはニヤリ。
オキシデン・デストロイヤーと共にゴジラを白骨にして、一緒に海に消えた芹澤博士と、我らがゴジラマエスター本多猪四郎監督の名前を頂いています。
最近の洋画は、ほとんど見ていないので、役者はみんな初めて見る俳優ばかりでしたが、一人だけ見覚えのある女優がいました。
レオス・カラックス監督の「ポンヌフの恋人」で熱演していたジュリエット・ビノシュ。
残念ながら、映画の冒頭、日本の原発の事故で死んでしまいます。
さて、問題のゴジラ。
やはり東宝特撮シリーズのゴジラとは、かなりテイストが違っていましたね。
決定的なのは、特撮シーンでは、着ぐるみとミニチュアは使用しないこと。
すべて、モーションキャプチャによるCG撮影です。
それでも、ローランド・エメリッヒ監督版の爬虫類感あふれるゴジラよりも、かなり日本版寄りの造形。
しかし、愛嬌は皆無で、凶暴で無慈悲に破壊しまくる完全なダークヒーロー。
このゴジラが、戦う相手が、空を飛ぶ怪獣ムトー。
この怪獣も、絶対に着ぐるみでは、表現できないフルCGの怪獣です。
エドワーズ監督は、「ゴジラによるパニックが実際に起きたらどうなるかを、現実的にリアルに描きたい」と語っています。
映画は、2014年の全米初日興行収入のベスト。
日本でも、平成ゴジラシリーズでは、最大のヒット。
映画の斜陽で、どんどんとちゃちくなっていった昭和後期のゴジラシリーズで、忸怩たる思いをしていたオールドファンとしては、なんともお金のかかった大作映画で、SF特撮として圧倒的なクォリティを見せつける本作には、何度もため息。
うらやましい限りでした。
庵野監督が撮った「シン・ゴジラ」は、この映画を習って、すでに完全フルCG。
やはり、ゴジラ映画のテイストは、時代と共に変わっていくのでしょう。
着ぐるみゴジラは、これから先作られる新作ゴジラには、もう見ることの出来ない特撮になるかもしれません。
コメント