今回の参議院選挙の争点は、「改憲」とのこと。
10月の消費税増税まで決定している中、それでも、余裕しゃくしゃくの安倍総理。
普通政府与党が、増税という嫌われ政策を掲げたまま、選挙には突入しないもの。
今回はそれでも、選挙には勝てると踏まれているのでしょう。
野党もだいぶなめらたものです。
そこで、安倍総理の掲げている今回の選挙の争点は、改憲とか。
社会保障も、消費税延期も、今の空気では争点にしにくいからでしょう。
安倍さんは、いかがわしいことを煙に巻くことだけは天才的。
その意味では、私たち国民もいいようになめられています。
どうも、この人になめられるのは心外なので、恥ずかしながら、還暦を迎える年齢になって、はじめて日本国憲法を通読。
自分なりに勉強して、改めて確認出来たこと。
申し上げます。
憲法というものは、政府のためにあるものではなく、国民一人一人のためにあるもの。
何もかもがそう書いてあります。
「すべての公務員(政府を含む)は、憲法を遵守せよ。」
従って、政府がそれを変えようというなら、それは絶対に要注意。
国民の都合ではなく、あくまで政府の都合になると考えて妥当。
憲法という檻の中に入れた、政府というの名のライオンに、内側から開けられる鍵を渡すことと一緒。
しかし、そこは言葉は巧みな現政権。
そうは思われないように周到なロジックを組み立てて改憲を目論んでいます
これは、用心しないと、危ない。クワバラクワバラ。
ということで、護憲に手を挙げたのが先日のブログ。
そして、護憲の立場から、なにかそれを補強するネタはないかと、改めて手にしてみたのが本書。
その意味では、直球ど真ん中の内容でしたね。
この本の著者は、元自衛官です。
ですから、専門は安全保障。
「憲法には自衛隊と明記すべき。」というのが、今回の応援演説でも、安倍さんがはっきり口にしていること。
その危険な安倍首相の、安全保障政策に、真っ向から「ノー」を叩きつけています。
安倍さんの言っていることは、すべてフェイク情報に基づいたイメージ操作。
もしくは、すり替え、ごまかし。
その印象が、これまでの彼のあまりに不誠実な政治姿勢で、こちらにはすっかり刷り込まれてしまっています。
ですから、何をいっても、「どうせまたインチキ」と、思われてしまっている安倍さんも、可哀想といえば可愛そうかもしれません。
しかしこれは、自業自得というもの。
でも、こと安全保障と改憲の危うさという問題に関しては、本書が、イメージでもなんでもなく、事実に基づいて、専守防衛、国防の当事者だったものからの立場で、明確にその論拠を示してくれています。
しかもわかりやすい。
集団的自衛権の違憲性。
自衛隊が合憲であるという見事な論考。
憲法9条の存在価値。
従軍慰安婦の真実。
戦後レジームからの脱却の危うさ。
現在手にすることのできる公共のエビデンスを駆使して、安倍政権のまやかしをあたりまえに論破。
護憲に一票を投じる者にとっては、これは力強い教科書になりました。
安倍さんの、憲法改正、安全保障政策に物申すなら、これ一冊あれば十分。
では、本書の主張に、異を唱える意見はないのか。
あるいは、嘘だと反証するものはないのか。
そちらの言い分も見ておかないとフェアではないと思い、ネットを検索してみました。
しかし、この本の主張に、真正面から異を唱えるまともな論考は見つけられず。
ただ見つかるのは、この本の著者泥憲和氏の個人的尊厳を貶めようとする内容のものがちらほら。
「そういう、いい加減な人の主張することを信じますか。」
これがアンチと思われる陣営の唯一の反論。
これは、実は安倍さんたちの常套手段ですね。
加計学園問題で貴重な証言をした前川元事務次官に対する、本件とは何も関係ない個人攻撃もそう。
どうも、安倍さん側の主張は、いつもねちっこくいやらしい。
圧倒的な数の力で、安倍一強といわれている割には、みみっちい。
内容で張り合わないで、相手のスキャンダルを引っ張り出してくるところがセコイ。
その裏には、あの悪名高き内閣情報調査室が暗躍しているというのがもっぱらの噂。
その辺りを真っ向から暴いた映画「新聞記者」が、今このタイミングで上映され、話題に上っています。
首相官邸では、安倍さんと、調査室のスタッフが、よく密談しているとのこと。
著者の泥さんは、2017年の憲法記念日に、すでに亡くなられています。
彼が生きていたら、今回の参議院選挙では、物申すことはたくさんあったろうと思いますね。
改憲が争点の選挙なら、安倍さんたちに勝ってもらっては困ります。
選挙に行く前に、この本を読まれることをお勧めいたします。
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