さて、本年度最後の日曜日。
今年何度かお邪魔した「東松山レトロポップ食堂」主催の「紅白歌合戦」に参加してきました。
この店の常連のみなさん、男女合わせて28組が参戦。
今年で5回目だそうです。
僕は、今年が初参加でしたが、ここまでの戦績は白組の方がやや劣勢。
去年までは、2連敗しているとのことでした。
負けた方には、罰ゲームもあるとのこと。
今年の罰ゲームは、進行役の虎太郎君のMCによれば、「超苦いセンブリ茶」(一応健康茶です)。
これを全員ステージに上がって一気飲みするというもの。
勝利者チームには、お店からワンドリンクサービスです。
そんなわけで、いつものカラオケよりも、みなさん気合が入っていました。
セットリストです。
鳥取砂丘 (紅組)
真赤な太陽 (白組)
ヘビーローテーション (紅組)
扉を開けて (白組)
銀座の恋の物語 (紅組)
スノースマイル (白組)
ムーンライト伝説 (紅組)
here comes my love (白組)
サヨナラバス (紅組)
世界の終わり (白組)
上弦の月 (紅組)
応援歌 (白組)
別れの予感 (紅組)
栄光の架橋 (白組)
天使のウインク (紅組)
チャンピオン (白組)
サイレントイブ(紅組)
淡白宣言 (白組)
カブトムシ (紅組)
星屑のステージ (白組)
泣きながら夢を見て (紅組)
星になれたら (白組)
Time to say Goodbye(紅組)
カリント工場の煙突の上で (白組)
初恋(紅組)
Love Love Show (白組)
この星空の彼方に(紅組)
365日のラブソング (白組)
演歌から、AKB48 まで、エントリーナンバーは、日本の楽曲中心のまさに紅白仕様。
さて、そんな中、オジサンが何を歌わせていただいたか。
リストには、「淡白宣言」とありますが、これさだまさしの「関白宣言」の替歌です。
大ヒットした曲で、あろうことか「女性蔑視」などと、心無い人にイチャモンなどもつけられた曲です。
しかし、この曲はまぎれもなくラブ・ソング。
この曲が巷をにぎわせたのは、昭和54年。
当時は、カラオケはまだ黎明期でした。
しかし、わが父親は、どこで仕入れてきたのか、8トラックのカラオケマシンを本屋だった店舗の2階の倉庫にセッティング。
夜な夜な、練習していました。
歌詞をなんと彼は得意の筆書きで書き取って、それを歌詞カードにしていましたから気合は入っていました。
石原裕次郎の全盛期に青春を過ごした父でしたから、レパートリーは、「錆びたナイフ」「ブランデーグラス」「銀座の恋の物語」などなど。
初期のカラオケには、演歌とムード歌謡しかありませんでしたね。
そこで練習した曲は、おおむね商店街組合の集まりで、歌っていたようです。
そんな父がある日、僕にこういってきました。
「なにか、若い人の曲を覚えたいんだけど、なにかいい曲ないか。」
この「いい曲」の意味は、それが「いい曲」という意味ではなく、自分にも歌えて、しとかもウケる曲という意味です。
そこで、父親の歌唱力も考慮したうえで、僕が推薦したのが、当時大ヒット中だったこの曲。
さだまさしの「関白宣言」でした。
しかし、この曲のカラオケが、まだ8トラックのテープの中にはないわけです。
そこで、当時フォークギターなら、そこそこ弾けるようになっていた僕は、ギターの伴奏をカセットテープに録音して父に渡します。
なんとしても、仲間の前でウケたい父は、悪戦苦闘して練習していましたが、聞いているこちらが、どうもしっくりこない。
そこで一計を案じて、この曲の歌詞を、父の立場になって書き換えて渡しました。
それが、この「淡白宣言」の替歌の歌詞です。
何度か生ギターを抱えて、練習に協力はしましたが、残念ながら、父がその新曲? をみんなの前で披露している姿は見ていません。
まあ、父の性格からして、そこで拍手喝さいを浴びれば、絶対にそれを僕に報告しないわけはありません。
それがなかったということは、おそらくその機会を逸したか、撃沈したかのどちらか。
その父はすでに他界しています。
ところが先日、定年退職後に、過去のアルバムなどを整理していたら、その「淡白宣言」の歌詞がひょっこり出てきたのでビックリ。
懐かしくて、ちょっとギターでポロポロと弾いてみました。
「うーん、これは確かに、ちょっとオヤジには、難しかったかもしれない」
作ってから40年もたって、反省した次第。
さて、そこにちょうどこのレトロポップ食堂の紅白歌合戦の話が舞い込んできました。
紅白歌合戦ですから、もちろんエントリーは1曲。
それなら、そこでこれをやって、40年前の父親のリベンジをするかと決めました。
ふと気が付いてみれば、僕の年齢が、当時の父親の年齢を、はるかに超えております。
光陰矢の如し。
そして、これが2019年の歌い納め。
定年退職後、畑仕事と農業就活の合間を縫って、カラオケイベントやセッションに参加しては、性懲りもなく動画をアップしてまいりましたが、本年度はいよいよこれが最後。
今年も大変お騒がせいたしました。
来年もまたよろしく。
それでは、40年前の「淡白宣言」の歌詞と一緒に、ライブの模様をお届けします。
淡白宣言
息子が嫁をもらう前に
言っておきたい事がある
かなりさびしい話になるが
俺の本音を聴いておけ
俺より先にイビキはかくが
俺より先に起きてはくれない
めしは俺が作る
いつもきれいじゃない
出来る範囲はよーくわかってる
忘れてくれるな
浮気もできない男に
家庭のストレス
なくせるはずなどないってことを
母さんには母さんにしか
できない事があるから
余計なことは口出しせず
黙って母さんについてゆきます
母さんのパチンコ
俺のカラオケ
どちらも同じだ大切にしろ
長男次男三男
かしこくこなせ
たやすいはずだ
「ほっとげばいい」
俺の陰口そこまで言うな
それからたまには
シットもしてよ
俺は意外とモテルぞ
多分モテルと思う
モテルんじゃないかな
おい ちょっと本気にしてくれ
幸福は二人で育てるもので
俺だけが苦労して
つくろうものではないはず
母さんは俺の処へ
見栄を捨てて来たのだから
帰る場所は実家と思え
いつかはここが俺の家
息子が育って
年を取ったら
俺より先にボケてはいけない
たとえばわずか
一日でもいい
俺より先にボケてはいけない
何か知らない?
俺は見てるぞ
隠したヘソクリ
そっくりよこせ
母さんのお陰でいい人生だったと
俺が言うから
残らずよこせ
忘れてくれるな俺の愛する女は
愛する女は生涯かあさんひとり
忘れてくれるな
俺の愛する女は
愛する女は生涯かあさんただひとり
ルルルルル
ルルルルル
ララララララ
ララララララ
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