こんな経験ないですか。
自分のよくいく店の近くに駐車場がない。
気をつけて路上駐車をしていたけれども、近くを取り締まっている様子もない。
最初は、時間も短めにしていたけれども、取締りがないので、ちょっとずつ駐車時間は長くなっていく。
気がつけば、自分以外にも、たくさんの車が路上駐車をしはじめた。
それでも、全然大丈夫。
そのうち、気を使うこともなくなってきた。
違法駐車なんだけど、ここは大丈夫なんだと思っているのは、自分だけではない。
ここは大丈夫。
その日も、いつものように駐車禁止の路上に車を止めた。
用事を済ませて、車に戻ってみると、駐車禁止のステッカーが自分の車にだけ貼られていた。
テレビはどうか知りませんが、僕が登録しているチャンネルのYouTubeには、「桜を見る会」関連の動画が溢れています。
共産党の田村智子議員のツッコミは、痛快なのですが、それを見ていてふとこんなことを思ったわけです。
これってそもそも、田村議員が切り込む以前から、誰かが「おかしい」と言わなければいけなかったことなんじゃなかったかということ。
公費で行う「桜を見る会」に、首相が後援会を招待することは、もともと駐車禁止の法律違反。
ことがここまで大きくなる以前から、あたりまえに違反行為だったということです。
わかっていて、地元の後援会を招くことは、いつしか恒例行事になっていました。
もしかしたら、最初のうちは、これってヤバイんじゃないのと思った方もいたかもしれない。
しかし、慣例になっていくうちに、いつしかその危惧は雨散霧消していく。
それはマスコミも同じ。
しかし、ある日、我に返った議員が、それに気がついて、敢然と国会で突っ込んだ。
突っ込まれた方は、完全に油断していて、そこであわてた。
慌てていろいろな不正を、付け焼き刃で繕おうとしたから、次から次へとボロが出た。
元ドライバーなので、例えが駐車違反になりましたが、ことの全容は、概ねそんなことではなかったかと思った次第。
長期政権は必ず腐敗する。
安倍政権は、長期政権の奢りで、今回の件では完全に危機管理が崩壊していました。
三権とマスコミを完全に掌握し、向かうところ敵なし。
野党も恐るるに足らず。
すべてが我が天下で、善悪もコンプライアンスすら自分の手中にあり。
いつのまにか、そんなふうに我が世の春を謳歌していました。
自分がなにをしようと、邪魔をするものはいない。
要するに、今回の件の綻びの原因は、完全に安倍さんの脇の甘さ。
裸の王様は、油断していましたね。
彼の周りには優秀な官僚がたくさんいただろうに、その彼らも、「桜を見る会」に関する危機管理の意識がいつのまにか麻痺していた。
今まで完全に舐められていた野党も、モリカケだ、公文書改竄だと、ボロの多い政府に突っ込んではいても、どこかで、結局は丸めこまれることを覚悟しながら追及を続けていた。
「桜を見る会」の不正も、この風が吹くまでは、どこかで、この嵐になるネタだとすら気が付いてもいなかった。
歴然としたコンプライス違反を、ここまで大事になるまで、だれもそれほど重要なこととは思ってもいなかった。
いや、コンプライス違反だとすら、思っていなかった。
大臣の誰かが、「それのなにがいけないの?」なんて、全く悪びれずにコメントしていましたね。
要するに、完全な駐車違反の場所にもかかわらず、気がつけば、そこには沢山の車が止まっていて、それがいつまにか常態化し、やがてそれを誰も違反とすら思わないようになっていた。
「桜を見る会」の本質って、要するにそういうことだったんじゃないかと思うわけです。
この政権が、長く長く続いたせいで、政権側だけではなく、気がつけば実は追求する野党側の方も、そして主権者である我々国民の方も、なにかが麻痺してしまっていたのではないか。
ちょっとそんな気がします。
個人的には、むしろこちらの方が怖いと思ってしまった次第。
つまり、敵がなにをしていようと、その善悪を判断する感覚が、こちらの方でも麻痺してしまっていたとしたら、これはかなりヤバい。
この「桜を見る会」問題について、先の大臣のように、「そんなもんじゃないの」と思っていた人って、実は案外いたんじゃなかろうか。
「政権を取る」というのは、そういうことじゃないのなんてね。
年末は、永田町には「桜を見る会」台風が吹きまくりでした。
この勢いで、安倍政権の首根っこを捕まえて、息の根を止めることには、もちろん異論はありません。
大いに期待します。
今回は、安倍さんもかなりヤバイ。
ただこの政権をここまで長く続けさせてしまった、我々主権者の責任もかなり重いんだということも、そろそろ考えざるを得なくなってきました。
安倍さんという人は、とにかく選挙だけには勝ってきました。
安倍晋三という人の唯一のストロングポイントは、選挙には強かったということ。
考えてみれば、この人は、はじめっから、それだけの方でした。
そして、選挙のたびに、我々はあの人には丸め込まれて、騙されてきてしまった。
これは事実です。
でも選ぶのがこちらである以上、こちら側の責任だって、看過できないということ。
これだけの不正や嘘が、大手を振るっても、堂々とメインストリートを歩いていられる安倍晋三首相。
その沿道で手を振っている人ばかりじゃないでしょうが、それでも歩かせてしまっている以上は、責任は選ぶ国民の側にもあります。
だって、選挙に勝てば、彼は必ずこう言います。
「国民には、承認された。」
これ、悪事も含めてということですよ。虎視眈々と狙う、憲法改悪も含めてですよ。
でもその実態は、もうおわかりでしょう。
要するに、選挙に行かなかった人の声を、勝手に彼がそう捏造しているだけの話です。
「偽造、捏造、安倍晋三」です。
これだけ政権になめられて、好きなようにやられて、生活をボロボロにされて、それでもどこかで政治なんてそんなもんだと達観していらっしゃる方いませんかね。
今、国会では、野党が連携して、安倍政権の首を取ろうと、一丸となっています。
通常国会の冒頭では、さすがに安倍総理も、野党からの追及から逃げることはできません。
おそらく彼は、とんでもない詭弁や、ごはん論法で、苦しい答弁をすることになります。
その状況を見て、こう思う人っていませんかね。
So what ? (だから何?)
どうせまた、安倍首相は、のらりくらりとかわして、事件はうやむや。
いつもの通りじゃん。まあ、そんなもんでしょ。
こんな人がたくさんいたら、これはちょっと怖い。
もしかしたら腐敗そのものよりも、こちらの方が怖い。これは、繰り返し言っておきます。
そして、そういう国民を、上手に、大量に作ってきたことこそ、長期安倍政権の最大の罪かもしれません。
さて、こちらもいい加減正気に戻らないとそろそろヤバイ。
その意味では、この「桜を見る会」問題はいい起爆剤になりました。
一切合切が、政治レベルではなく、庶民レベルの不法行為なので、実にわかりやすくて明快。
YouTubeの動画を見れば、それは一目瞭然です。
これはすべてノーカットで見るべきショーです。
テレビでは、この面白さは絶対に歪められます。
誰がどう見ても嘘だとわかる、漫画チックな答弁。
あのシュレッター答弁なんて、ドリフのコントです。
実際の方が、三谷幸喜の脚本よりも、はるかにおかしい。
あれが、東大を出た優秀の人たちの答弁だから、さらにおかしい。
彼らも、自分の人生がかかっていますから、もちろん必死です。
カッコ悪くても、背に腹は変えられない。
あの合同ヒヤリングは、上質のコメディだと思っていい。
見ていない方には是非おすすめです。
嘘や不正が、ギャグとしてあれくらい見事に可視化された光景なんて、そうは見れない。
モリカケも、公文書改竄もありましたが、今回の問題がとりわけ超目されるのは、この問題が、我らが安倍総理の「身の丈」にあった、チョンボだからです。
如何にも彼ならやりそうな不正で、こちらはニンマリしてしまいます。
安倍政権の最後を飾るのには、なんともふさわしい事件のような気がします。
「いろいろあったけど、最後はこれかよ」ですね。
今回の問題は、将棋でいえば、どこからどうみても、もうすでに詰みです。
公職選挙法違反、収賄、偽証などなど。
集められた証拠で、安倍総理からすれば、もはやどこにもコマを進められない八方塞がり。
そして、いままでの事件とは違い、今回は矛先は、すべて安倍晋三総理個人に向かいます。
逃げようがない。
通常国会の冒頭で、テンション上がりまくりの野党の追及に、彼がどう対峙するのかは、見ものですが、但し、彼には、天下の宝刀があることだけはお忘れなく。
解散です。
これだけ支持率が下がっていると、彼としても一か八かの賭けになるでしょうが、少なくとも、そのオプションを使えば、国会での追及からだけは逃れられます。
そして、また投票率の低い選挙でもあろうものなら。
そして、自民党がもしそこで大勝しようものなら、彼は満面の笑みを浮かべて、再びこういいますよ。
「我々に不正がないことは、これで承認された!」
お忘れなく。
この大きな船は、そろそろ限界です。
この船に、自分の人生を託していた官僚の皆様。
そろそろ、その明晰な頭脳で、忖度ではなく、損得で、守るべきものを考えないと、いずれ一緒に沈みますよ。
その時になって、ジタバタされませんように。
台風は、実は去った後の方が、大変です。
年頭から、珍しく政治問題を語ってしまいましたが、ご容赦を。
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