柿沢謙二ブログ

映像コンテンツ・コレクション

 

 

やっと、終わりました。ああ疲れた!

 

何かといえば、自前の映像コンテンツ・コレクションの整理です。

 

実は、定年退職後、まず一番最初にやろうと思っていたのがこれでした。

ところが、なにやかにやと忙しく、やっと手をつけ始めたのが、去年の11月になってから。

やることは、地味なエクセルへの打ち込み作業です。

年内には目処がつくだろうと思っていたのですが、結局年を越してしまいました。

写真のラックに入っているのは、すべてDVDとブルーレイです。

以前にこのブログでは書きましたが、それ以前に持っていたビデオテープは、すでに全部処分しています。

老後の移住就農を決めて以来、いろいろな私物を整理してきましたが、この映像コンテンツだけは、ズッシリと重たいですが、フィジカルデータのまま、持っていこうと決めました。

ビデオ・テープで持っていたタイトルは、概ねDVDで録画し直してあります。

録画ソースのメインは、WOWOWでした。

WOWOWは、開局以来からのヘビーユーザーでしたが、お役目終了と判断して、去年契約を打ち切りました。

サラリーマン現役時代も、WOWOWのオンエアを、リアルタイムで見ることは皆無でした。

しかし、老後にゆっくり楽しもうと、コツコツと、録画して保存はしてきました。

老後に楽しむ分のコンテンツはすでに十分確保したと判断いたしました。

過去に映画館で見た作品もあれば、未見の作品もあり。

録画した映像タイトルは、すでにこのラックいっぱいです。

しかし、自分がなにを録画したのかは、遠い記憶の彼方。

自分の録画したコンテンツを、いつでも見たい時に、見たいように見るためには、まずどんなタイトルをもっているかを把握していおく必要があります。

持っているつもりでも、実は持っていないもの。

持っていないと思ったら、持っていたもの。

録画は、大雑把に、いきあたりばったりでやってきましたので、いつかちゃんと整理しないといけないと思っていました。

そのあたりをきっちり可視化するためのリスト作成。

おそらく、重複して録画しているものも、かなりあったはず。

田舎へ引っ越す前に、せめてそれくらいは、やっておこうというわけです。

では、およそ二ヶ月かかって打ち込んだ、自前の映像コンテンツすべて。

結果発表です。

 

タイトル数
洋画	2968
邦画	1630
アニメ	204
音楽	505
ドラマ	309
舞台	22
娯楽	131
教養	1406
スポーツ	1401
個人	274
合計	8850

 

以上です。

 

正確にいうと、これは枚数ではありません。

タイトルの数ですね。

DVDでは、ほぼ1タイトルで、1枚ですが、容量の大きいBlu-rayは、1枚に複数のタイトルが録画されています。

その中身を一枚一枚確認しながら打ち込みましたので、ディスクの枚数換算でいえば、もう少し少な目。

そして、今現在はダビングしないで、２台のデッキのハードディスクに録画されたままのタイトルも多くあります。

デッキに録画されたままなら、いちいちリストにしなくても、そのままリストになっているのですが、ケーズ‣デンキの販売員に脅かされました。

今のままのデッキなら、そのままでもいいですが、デッキを買い替えると、古いデッキの映像は見れなくなる可能性がある。

これはシャレになりません。

録画したコンテンツは、田舎暮らしの貴重なエンターテイメントになる予定ですので、これは寿命が来るまでには、ディスクにしっかりとダビングする予定です。

 

では、内訳。

いろいろな整理方法があると思いますが、僕の場合は年代別を採用しました。

TSUTAYA や、GEO の陳列を参考にしようとも思いましたが、映画のジャンル別ですと、カテゴリー分けが微妙な作品の扱いが厄介です。

製作年であれば、どの資料を見ても、ほぼ調べられますので、これにしました。

年代別に分けたうえで、50音順。

これで、どのタイトルが、どこにあるかはすぐにわかります。

 

製作年度		洋画	邦画	アニメ	音楽	ドラマ	舞台	娯楽	教養	スポーツ		個人
2020		0	0	0	0	0	0	0	0	0		0
2019		2	0	0	2	1	0	0	6	7		0
2018		23	25	1	8	0	0	2	33	212		0
2017		56	33	3	60	49	1	18	260	0		3
2016		144	61	18	62	6	0	74	337	243		2
2015		137	37	9	74	29	0	7	143	2		1
2014		51	24	3	8	21	1	0	126	221		10
2013		40	32	2	1	30	0	0	79	1		13
2012		60	33	9	40	1	1	0	177	394		4
2011		99	58	12	5	0	1	4	52	5		4
2010		118	78	10	22	2	2	2	62	171		12
2009		112	54	7	24	1	7	3	19	5		6
2008		96	44	7	43	3	7	9	57	59		7
2007		113	54	8	18	2	2	0	13	1		7
2006		85	47	12	3	11	0	4	2	1		3
2005		80	46	8	10	5	0	0	4	0		11
2004		61	49	7	11	7	0	6	29	36		12
2003		58	27	6	16	1	0	0	0	0		3
2002		53	23	4	3	4	0	0	1	1		5
2001		55	22	8	7	1	0	0	0	0		3
2000		34	27	6	4	0	0	1	0	5		18
1999		43	19	2	3	0	0	0	1	0		8
1998		34	15	6	4	2	0	0	1	0		8
1997		44	14	8	1	0	0	0	0	0		14
1996		22	10	4	1	5	0	0	0	0		1
1995		27	14	7	0	3	0	0	0	0		15
1994		28	5	3	0	1	0	0	0	0		6
1993		35	10	3	2	2	0	0	0	0		13
1992		29	7	3	4	5	0	0	1	0		19
1991		31	11	0	2	16	0	0	1	0		15
1990		39	9	0	2	20	0	0	0	0		12
1989		30	13	1	0	7	0	0	0	0		20
1988		42	11	1	4	1	0	0	0	0		14
1987		32	11	0	1	4	0	0	0	0		5
1986		21	12	0	4	5	0	0	0	0		0
1985		26	11	0	4	1	0	0	0	0		0
1984		32	10	0	2	0	0	0	0	0		0
1983		32	16	0	1	0	0	0	0	0		0
1982		26	10	2	4	0	0	0	0	0		0
1981		23	12	2	3	0	0	0	0	0		0
1980		25	13	1	4	0	0	0	0	0		0
1979		20	10	0	0	0	0	0	0	0		0
1978		33	15	0	0	2	0	0	0	0		0
1977		22	12	0	2	3	0	0	0	0		0
1976		31	10	0	4	1	0	0	0	0		0
1975		17	14	0	1	1	0	0	0	0		0
1974		28	12	0	1	8	0	0	0	0		0
1973		39	15	0	2	5	0	0	0	0		0
1972		30	13	0	2	7	0	0	0	1		0
1971		34	16	0	0	4	0	0	0	0		0
1970		34	19	1	6	1	0	0	0	0		0
1969		26	20	0	3	0	0	0	0	0		0
1968		32	25	0	4	1	0	0	0	0		0
1967		32	29	0	0	13	0	0	0	0		0
1966		30	29	6	1	10	0	0	0	0		0
1965		29	25	4	6	7	0	0	0	0		0
1964		26	34	0	2	0	0	0	0	35		0
1963		27	29	4	0	0	0	0	0	0		0
1962		22	24	0	0	0	0	0	0	0		0
1961		18	32	0	0	0	0	0	0	0		0
1960		18	39	0	0	0	0	0	0	0		0
1959		21	27	0	0	0	0	0	0	0		0
1958		23	21	0	1	0	0	0	0	0		0
1957		27	21	0	1	0	0	0	0	0		0
1956		28	16	0	0	0	0	0	0	0		0
1955		18	15	0	0	0	0	0	0	0		0
1954		19	11	0	0	0	0	0	0	0		0
1953		12	23	0	0	0	0	0	0	0		0
1952		18	13	0	0	0	0	0	0	0		0
1951		10	9	1	0	0	0	0	0	0		0
1950		10	4	0	0	0	0	0	0	0		0
1949		10	6	0	0	0	0	0	0	0		0
1948		15	6	0	0	0	0	0	0	1		0
1947		14	4	0	0	0	0	0	0	0		0
1946		10	2	0	0	0	0	0	0	0		0
1945		9	2	0	0	0	0	0	0	0		0
1944		7	4	0	0	0	0	0	0	0		0
1943		6	2	0	0	0	0	0	0	0		0
1942		6	2	0	0	0	0	0	0	0		0
1941		8	0	1	1	0	0	0	0	0		0
1940		8	0	0	0	0	0	0	0	0		0
1939		11	2	0	0	0	0	0	0	0		0
1938		2	2	1	0	0	0	0	0	0		0
1937		3	4	0	0	0	0	0	0	0		0
1936		4	3	0	0	0	0	0	0	0		0
1935		3	1	0	0	0	0	0	0	0		0
1934		4	0	0	0	0	0	0	0	0		0
1933		1	0	0	1	0	0	0	0	0		0
1932		1	0	0	0	0	0	0	0	0		0
1931		3	1	0	0	0	0	0	0	0		0
1930		2	0	0	0	0	0	0	0	0		0
1929		1	0	0	0	0	0	0	0	0		0
1928		1	0	0	0	0	0	0	0	0		0
1927		1	0	0	0	0	0	0	0	0		0
1926		0	0	0	0	0	0	0	0	0		0
1925		1	0	0	0	0	0	0	0	0		0
1924		2	0	0	0	0	0	0	0	0		0
1923		1	0	0	0	0	0	0	0	0		0
1922		0	0	0	0	0	0	0	0	0		0
1921		1	0	0	0	0	0	0	0	0		0
1902		1	0	0	0	0	0	0	0	0		0
		2968	1630	201	505	309	22	130	1404	1401	0	274

 

 

まず、洋画は、2968タイトル。邦画1630タイトル。

映画のタイトルが、合計で4598タイトル。

老後の映画道楽が、これで賄えるかどうか、正直言ってピンときません。

一番古いもので、1902年の「月世界旅行」」。もっとも古いSF映画です。まだ活弁のころの作品。

2000年代に入って、タイトル数が増えていきますが、WOWOW契約打ち切りを決めてからは、一気に撮りだめいたしました。

とにかく作品を選ばずに、最後は録画できるだけしておこうという貧乏人根性が働いたため。

若いころに、映画に慣れ親しんできた身としては、昔映画館で見た作品は、すべて映像コンテンツ資料として持っていたかったのですが、まだまだ追っついていません。

それでも、1980年代以前なら、アカデミー賞に絡むような、名作はほぼ抑えてありました。

WOWOWをやめてしまうと、今後の準新作はなかなか増えていかなくなりますが、クラシック映画なら、NHKプレミアムの「BS名作映画劇場」をまめに追いかけてゆけば、まだもう少し増やせそうです。

最近では、いろいろなオンデマンドの映像提供サービスもあります。

僕自身も、現在は、Amazone Prime を利用中。

これを楽しむためには、しっかりとしたインターネット環境がないといけません。

しかし、いろいろな田舎へ視察に行きましたが、娯楽の少ない田舎へ行けば行くほど、意外に、インターネット状況は、しっかりと整備されいるという印象。

老後の、映画道楽は、自前のコンテンツと、オンデマンドサービスの二本立てで楽しもうと思います。

 

「アニメ」は、日本と外国作品を混ぜ合わせて、年代別です。

テレビアニメも含まれます。

「機動戦士ガンダム」も、「ワンピース」も、「クレヨンしんちゃん」も、恥ずかしながらすべて未見。

劇場用アニメとはいえ、どれも国内では、年間興行売り上げ上位の作品ばかり。

その秘密はどこにあるのか。

田舎へ引っ込んだら、侮ることなく、しっかりと鑑賞させてもらいます。

 

音楽に関しては、ライブは、収録された年、編集物は、製作された年の表記です。

映画のタイトルに比べてかなり少ない印象ですが、Apple Music で、音源の方なら、いつでも楽しめます。

今は、YouTubeも、充実しています。

映像であれば、こんなもので良しとしましょう。

 

「ドラマ」も、外国ドラマ、日本ドラマ一緒です。

タイトル数が少ないですが、ドラマが嫌いというわけはありません。

ただ、性格上、「続く・・」がダメです。

見たい続きを、次週まで待たなければいけないというのが、ドラマのスタイルが、どうにも性に合わない。

ワクワクというよりは、たいていイライラになってしまいます。

要するにセッカチなんですね。

そんなわけでドラマは、一話から最終話まで、すべて録画し終えてから、一気に見るというスタイルでした。

そのため、どんなに視聴率が良くても、どこか途中の回で、録画に失敗していれば、もうそのドラマとは縁がなかったものと諦めて削除。

最終話まで無事録画できたものだけをディスクにダビングして保存、それを、CMを飛ばしながら、一気に鑑賞するというスタイルでした。

 

ドラマの中には、「コロンボ・シリーズ」のように、ほとんど映画水準の、一話完結ドラマもあります。

「ツインピークス」は、新シリーズも含めて、完全録画。

新シリーズはまだ見ていません。

少年の頃、胸ときめかせた、タケダアワー・ウルトラシリーズは、「ウルトラセブン」までコンプリート。

カラー映像化された「ウルトラＱ」というのもオンエアされましたが、これは何本か取り損ねました。

 

「娯楽」というのは、ほとんどテレビのバラエティです。

数が少ないのは、基本的に見終わったら、すべて削除していたからです。

未見のモノだけが残りました。

 

「教養」というカテゴリーは、やや広い分野。

このジャンルは、NHKモノがズラリと並びます。

筆頭は、NHKスペシャル。

忙しくて、なかなかゆっくり本も読めなかった頃は、NHKスペシャルのドキュメントが読書替わりでした。

毎週録画をして、見ていたものは、やはりNHKモノがダントツに多い。

「英雄たちの選択」

「100分de名著」

「プロフェッショナル　仕事の流儀」

「サイエンスゼロ」

ちょっと古いところでは、

「プロジェクトＸ～挑戦者たち」

「その時歴史が動いた」

これらは以前は、HDの容量確保のために、見終わったらすべて削除していました。

しかし、次第に見る方も追っつかなくなり、最終的には、外付けHDを増設して、録画しっぱなしになり、そのまま残りました。

高いNHK受信料は、N国の立花氏が何を言おうと、きちんと払ってきましたので、これからも、ドキュメンタリーはしっかり作ってください。

但し、ニュースの方は、絶対に見ませんよ。NHKの報道は、忖度極まれりで、安倍政権である限り、諦めました。

 

そして、「スポーツ」

これは、2000年以降、隔年でコンテンツが増えてきています。

もうお分かりと思いますが、これはオリンピックです。

2000年は、シドニー大会。高橋尚子が、女子オリンピックで金メダルを取った大会です。

実は、1964年の東京オリンピックで、おじいちゃんと一緒に円谷幸吉を応援して以来の、オリンピックオタクです。

テレビでも、オリンピック関係の特集番組が放送されると、マメに録画していました。

録画技術が進歩してくるのと並行して、録画していく量も増大。

Blu-ray　が登場してからは、オンエアされる競技は、夏冬関わらずすべて録画。

今回、競技の一つ一つをタイトルとして洗い出しましたので、エクセルの一覧リスト作りでは、ここに一番手間がかかりました。

生きているうちに二度も、オリンピックを生で見られるチャンスに恵まれたの嬉しい限り。

今回の東京大会は、過去のコンテンツと見比べながら、楽しむことができそう。

 

「個人」というのは、プライベートな映像。

映画オタク転じて、ビデオオタクになっています。

コンテンツは、1987年から始まっていますが、実はこの年が僕が初めてビデオ・カメラを購入した年。

当時35万円もしました。

あの頃はまだ、ビデオカセットを、そのまま入れて録画するタイプ。

とうてい片手などでは持てず、肩にかついで撮影していました。

今年60歳になりましたが、ラックの中には、恐ろしいことに30年前の動く自分の映像が残っています。

こんなものを見たいという人はいないでしょうが、これはビデオ道楽の軌跡として、しっかりと持っていきます。

もちろん、最近のモノは、すべてYouTubeにアップしています。

 

というわけで、映像コンテンツ全8850タイトル。

 

田舎暮らしを始めるまでに、とりあえず全9000タイトルを目指したいと思まいます。

WOWOW をやめていますから、10000タイトルは、ちょっと無理かな。

 

おっとそうだ!

忘れてました。

写真のラックには映っていませんが、隣のラックにしっかりとあるものも紹介しておかないといけません。

「アダルト」です。

但しこのタイトルをすべて打ち込むことは諦めました。

こちらは、TSUTAYA のジャンル分けを参考にカテゴリー別に分けただけ。

もちろん相当な枚数になります。

ちなみに、このアダルトのタイトルを考案する人の才能には、常々脱帽しています。

冷静になって考えると、中身よりもはるかに煽情的なタイトルにやられたケースが何回もあります。

田舎暮らしが落ち着いたら、そのタイトルリストを作るのも面白いかもしれません。

 

女優別で、ダントツに枚数が多かったのは、AV女優のレジェンド・風間ゆみ。

白状しておきましょう。

2020年の初夢の中で共演させていただいたのは、この方でした。

 

とうわけで、この作業がずっとパソコン・ワークだったので、年末年始は、初詣以外はずっと自宅にこもりっぱなし。

体重計は正直で、気が付けば、いつのまにかオーバーウェイト。

さて、これでスッキリしました。

明日からは、しっかりと百姓に復帰して、体を動かすことにいたします。

 

 

映画「男はつらいよ お帰り寅さん」

 

元旦「初日の出・初詣・初風呂バスツアー」が八重洲口に到着した、その足で、丸の内ピカデリーに向かいました。

新年最初に見る映画は、これと決めていました。

「男はつらいよ　お帰り寅さん」。

22年ぶりのシリーズ最新作にして50作目。

もちろん、主演の渥美清は、1998年にすでに亡くなっています。

しかし、この映画の主演者には、堂々と渥美清をクレジット。

彼の演じた寅さんが、今でも映画を作ってきたスタッフ、そしてファンの胸にしっかりと刻み付けられているという証なのでしょう。

 

封切り公開中の映画ですから。ネタバレには配慮するつもりですが、これから見るつもりの方には、この先は薦めませんので、よろしく。

 

まず、渥美清不在のまま、彼をどのようにして主演にするのか。

これはそれほど心配することではありませんでした。

とにかく、彼の演じた寅さんには、膨大なフィルムのデータが残っているわけです。

それをストーリーに合わせて、上手に拾い出して、つなげていくだけ。

あるいは、その逆で、それに合わせてストーリーを構築するだけ。

案外、楽しい脚本づくりかもしれません。

とにかく、名場面や忘れられないセリフのオンパレードの「男はつらいよ」シリーズ。

脚本だけなら、何本でもつくられそうです。

それよりも問題なのは、今現在もこの作品に携わることの可能なキャストの方でした。

 

まず、映画の脚本企画段階では、そのあたりが慎重に練られたはずです。

とにかく、いまはすでに、鬼籍に入られた方たちが、以下の通りです。

 

「おいちゃん」役・下条正巳　2004年没

「おばちゃん」役・三崎千恵子　2012年没

(このお二人は、今回の映画でも車屋の仏壇の前に遺影が飾ってありました)

「タコ社長」役・太宰久雄　1998年没

「御前様」役・笠智衆　1993年没

 

くるまや屋のシーンのドタバタでは、欠かせなかったこのキャラクターの穴を誰がどう埋めるのか。

まず、おいちゃんとおばちゃん。

しかし、最後の公開から22年たつと、前田吟演じる博と、倍賞千恵子演じる倍賞千恵子が、すでにその年齢になっていました。

前田吟は75歳。倍賞千恵子は78歳。

Wiki で調べて初めて知りましたが、倍賞千恵子の方が、前田吟よりも年上だったんですね。

この夫婦は、さくらが「姉さん女房」だったと初めて知りました。

今回の映画の中では、ほぼ彼女が、シリーズの中でおばちゃんがやっていた役回りを、演じていました。

ちなみに団子屋だったくるま屋は、和菓子カフェになっており、店長は三平ちゃん。

タコ社長の、穴埋めは、娘役の明美。演じているのは美保純。

かなり押し出しの強いキャラクターづくりで、くるま屋のあれやこれやに首を突っ込んでくる役回り。

シリーズの中のキャラクターよりも、かなりタコ社長に寄せたキャラになっていました。

そして、御前様に昇格していたのが、笹野高志。

彼はシリーズの中でも、ちょこちょこ見かけていました。

旅館の主人、ひったくりの泥棒、釣り人、島の警官などなど。

シリーズの終盤で、笠智衆がなくなって以降は、映画の中では、御前様がなくなったことにはしないで、セリフで上手につなげていましたが、僧侶の役ですから、柴又題経寺の住職が、代替わりしていても、これは違和感はありません。

もともと芸達者な人ですから、そつなく御前様を演じて、見事レギュラーの仲間入り。

そして、フレッシュな新顔として、光男の娘が登場。演じているのは桜田ひより。

彼女はまだ17歳といいますから、さくらのリリーフとしては、ちょいと若い。

むしろシリーズの中での、光男の役回りでしょうか。

そして、その光男が、今回の映画では事実上の主役。

演じているのは、もちろん吉岡秀隆。

彼もすでに、49歳です。

シリーズの方も、後半は、渥美清の健康状態を考慮して、次第に寅次郎がこの甥っ子光男の恋愛指南役に回る展開が多かったので、これは違和感はありません。

そうくれば、マドンナは、当然のごとく、若き日の彼のマドンナだった及川泉を演じた後藤久美子。

しかし、ご存じのように、彼女は現在は、カーレーサーのアレジと結婚してスイス在住。

この映画を成立させるには、どう考えても、彼女の女優業復帰が必須であると判断した山田監督は、彼女に出演依頼の長い手紙を書いたそうです。

「この出演依頼を、断る権利は自分にはない」

この手紙を読み終わって、彼女はそう思ったとのちのインタビューで語っています。

確かに、過去の作品のシーンを、回想シーンとして使えるかどうかは、まさにこの映画の肝です。

ゴクミ、よくぞいった!

これで、この作品は、シリーズ50本目の最新作として動き出すことができたと思います。

映画を見ながら、つくづく思ったこと。この映画の最大の強みはなにか。

何度も言いますが、それはこの映画の時間の流れが、そっくりそのままリアルタイムで観客の人生と被るということ。

これこそが、この映画のキャッチコピーにもなっている「奇跡の映画」の、まさに奇跡たる由縁だと思います。

 

20代のさくらも、70代のさくらも、演じているのは、同じ倍賞千恵子。

10代の光男も、50代の光男も、演じているのは、同じ吉岡秀隆。

主演の渥美清は、亡くなった時点から年を取りませんが、この映画のすべてが、シリーズの背景や物語と一緒に流れていること。

これがたまらないわけです。

普通の映画であれば、時間を隔てた回想シーンは、役者を変えなければ、成立しません。

しかし、この映画では、すべての回想シーンが、シリーズの映画の中で見たシーンですから、それを回想として、観客も共有している。

これが、50年という長い期間にわたって大切に作られてきたこの映画シリーズだけがもつ、奇跡の意味だと思います。

確かに、そんな映画はちょっと見当たらない。

一つあるとすれば、映画ではなくドラマですが「北の国から」シリーズでしょうか。

あのドラマの最終作「遺言」の中でも、回想シーンがこれでもかと出てきましたが、どれもこれもが作り足しではなく、そのままの回想シーンだったこと。

見ている側と同じ時間軸で、作品も年を重ねているということの意味は大きいと思います。

リリー役の浅丘ルリ子も、映画と一緒に時を重ねていて、現在79歳。

歴代マドンナの中で、本作を含め6回も出演したのは彼女だけ。

美人女優が、老境になって映画出演するのは、かなりの覚悟がいることだと思いますが、それもこの映画だから有り得たのでしょう。

やはり、彼女が登場するシーンでは、シリーズの中でのリリーのシーンが、こちらの脳裏にフラッシュバックします。

第15作「寅次郎相合傘」で登場したあの有名なメロンのシーンが、この映画の回想シーンでも取り上げられていますが、何度見たかわからないあのシーンであるにもかかわらず、やはりこちらはおかしくて笑ってしまう。

ある意味では、「ズルい」映画といえるかもしれません。

 

及川泉の父親に会いに行くのが、映画のクライマックスになっていますが、映画の中で彼女の父親役を演じていたのは、寺尾聡。

しかし、この役だけは、本人ではなく、演じていたのが橋爪功でした。

実際に、この役のオファーが、寺尾聡にあったかどうかはわかりませんが、ただこの役にだけ関していえば、橋爪功のキャスティングで正解だった気がします。

寺尾聡も、もちろん芸達者な俳優とは思いますが、この映画が求めたキャラを、彼が演じるのはけっこう難しかったと思います。

橋爪功には、山田監督も、「家族はつらいよ」シリーズなどを通じて、信頼感があったのでしょう。

あのガマ口のシーンなどは、彼だから出来た演技かもしれません。

どちらが良かったと思うかは、是非映画を見て、ジャッジしてみてください。

 

山田監督が言っていました。

「50年かけて、一本の映画を作った。」

確かにその通り。

奇跡の映画の、奇跡たる由縁です。

次回作があるとしたら、映画はいったいどういう展開になってゆくのか。

考えるだけで楽しくなってきますが、シリーズにするには、演じる俳優たちがちょっとしんどいかも。

 

50本も、寅さんを楽しませてもらっている身としては、ここらあたりで「お疲れさまでした」と言ってあげたい気分です。

 

 

 

 

 

 

 

 

謹賀新年

新年あけましておめでとうございます。

2020年は、令和二年。

いよいよオリンピックイヤーです。

オリンピックに関しては、いろいろと物申す方も多いようですが、オリンビックオタクといたしましては、生きているうちに、オリンピックを生で見られる喜びの方が勝ります。

やはり、諸事情、悲喜交々、いろいろとありましょうが、日本選手の活躍には、大いに期待したいところ。

「選手たちの頑張っている姿」は、そのままストレートに、老後の人生の励みになると思っています。

出場される選手の皆さんは、それぞれの思いを胸に、この年明けを迎えられていることと思いますが、悔いを残さぬように、オリンピックの本番で輝いていただきたいと思います。

 

さて、定年退職をしてからはじめての年明け。

年賀状を書くのをやめて以来、毎年、元旦は、あちらこちらの山に出かけて行って、高いところから新年のご挨拶を、させてもらってきましたが、今年はいよいよ富士山。

元旦深夜発の、「初日の出、初詣、初風呂バスツアー」に、参加してきました。

集合は午前一時。東京駅八重洲口旧ヤンマービル前。

正月は、JRのダイヤも大幅に変更されているでしょうから、大事をとって、前日の夜のうちに東京入り。

有楽町のスタバで、カフェミストをいただいてから、寒風吹きすさぶ中でしたが、大みそかの、日比谷をぐるりと歩き、皇居に沿って、そのまま、八重洲口に向かいました。

晴海通りあたりは、車の量も少なく、歩いてる人影もまばら。

しかしも東京駅の八重洲口まで来ると、駅前のバスターミナルは、帰省の深夜バスがずらりと並んでいて、スーツケースやも重そうなリュックを担いだ人たちがたくさん。

集合時間までには、時間がありましたので、軽くコーヒーでも飲みながら時間をつぶせる場所を探しましたが、さすがに大みそかの深夜とあっては皆無。

駅構内に、深夜零時まで営業の「マクドナルド」が開いているのみ。

しかたがないので、帰省バスの待合室に潜り込んで待機。

30分ほど前に、集合場所に行ってみると、すでに受付開始。

バスが、5台ズラリと並んでいましたから、１台に40人として、およそ200名近い参加者がもこのツアーに申し込んでいたようです。

定刻の1時10分にバスは出発。

途中、談合坂のサービスエリアで、トイレ休憩。

初日の出鑑賞スポットとなる、山梨県の河口湖の湖畔、大石公園に到着したのは、深夜の4時過ぎ。

バスに揺られながら考えていたのは、やはり年頭ですから「今年の目標」。

まず一つは、やはり就農です。

定年退職したとはいえ、働かないで暮らしていけるほど優雅な身分ではありません。

現在いろいろな農業のスタイルを勉強中ではありますが、これを一つに絞って、最終的には地方に移住。

田舎での農業生活に向けての道筋をつけること。

これが一つ目。

そして、もうひとつ。

「世の中に迷惑をかけない老人になる」

池袋の暴走事件や、よく聞く高速道路の逆走事件など、老人が世の中に迷惑をかける事件が、後を絶たない昨今。

どうも、世の中に迷惑をかける老人が非常に増えてきている。

その原因をここでクドクドというつもりはありませんが、せめて自分がそういう老人になるのだけはやめようということです。

「自分のことは自分でする」

これは、家族を持たないという選択をしてきた自分に課せられた基本中の基本ともいえる義務。

最晩年になる頃には、そうもいっていられない状況にはなるでしょうが、その期間をできる限り最小限にするよう努力する。

健康面においても、金銭面においても。

「世の中に迷惑をかけない」には、そういう意味も含まれます。

まあ、そんなことをツラツラと考えているうちに、漆黒の河口湖畔が、うっすらとしらみ始めてきました。

さて、いよいよ2020年の初日の出です。

初日の出客を迎えるために、6時になると、売店が開き始めました。

その中央には、ドラム缶の焚火。

駐車場いっぱいの車の中から、一斉に人々が湖畔に向かいはじめます。

夜が白々と明け始めてくると、雲一つかからない富士山の全景がくっきりと浮かび上がってきました。

2020年最初の太陽が、富士山の隣に見える山の頂から顔を見せたのが午前7時20分。

それでは、1時間30分のサンライズ・レビューを2分にまとめた動画を作りましたので、まずはご覧ください。

 

さて、この撮影の後で、この富士山をバックに、新年のご挨拶を録画して、年賀状にする予定だったのですが、ふと時計を見てドッキリ。

時刻は7時40分。

バスの集合時間が、7時30分だったのです。

血の気がスーッと引きました。

挨拶録画はもちろん中断。録画機材をザザッとリュックに詰め込んで、バスに猛ダッシュ!

撮影した周囲には、まだ大勢の人がいたので油断しました。

録画に夢中になっていて、気が付けばスマホもいつのまにか電池切れ。

添乗員の若い女の子が、何度か電話をしてくれていたらしいのですが、それにも気づかず。

新年そうそうやらかしてしまいした。

幸いバスはまだ待っていたくれましたので、平身低頭乗りこんで、あとはひたすら頭を下げ続け。

つい、さっき新年の目標として、「世の中に迷惑をかけない」などと決めておきながら、舌の根も乾かないうちにこれです。

ツアーバス68号車の参加者40人の方に、新年早々ご迷惑をおかけいたしましたこと、陳謝いたします。

深く恥じ入る次第。

まことに申し訳ありませんでした。皆様。

 

さて、初日の出の後は初詣。

バスが向かったのは、富士宮市にある浅間神社。

午前10時になると、神社に向かう参道には、出店がズラリと並び、大勢の初詣客で賑わっていました。

拝殿には、ズラリと参拝客が、お賽銭を手に持って並んでいました。

お賽銭には、幸運とご縁があるようにという語呂合わせで五円玉がいいというのはよく言われること。

しかし、正月なんだから景気よくいこうと、500円玉を投げる人もチラホラ。

一言。

「いくら、500円玉を投げても、それより大きなコウカはないぞ。」

ちなみに、10円玉も、幸運と「トオエン」になるということで、向いていないということ。

無難なのは、50円玉というところでしょうか。

 

ちなみに、2020年の干支は、グルリと一周してネズミ年。

「おお、そのネズミ、だいぶ大きいなあ。」

「なにいってやんでえ。こんなの小せいほうだろ」

「いや、大きいぜ。」

「いや、小せい。」

「大きい!」

「小せいい!」

するってえと、二人の真ん中でネズミが「チュウ!」

 

失礼しました、大好きな古今亭志ん生の小話です。

 

大石公園での大チョンボがありましたので、この浅間神社では、集合時間の10分前にはバスに戻りまた。

さて問題が残ったのは、新年のご挨拶動画。

当初の目的は、富士山をバックに撮影しようと思ったのですが、この浅間神社からは、富士山はすっかり雲に覆われていました。

それに、この人出の中では、とうてい撮影は無理。

3番目の目的地「紅富士の湯」で、そのロケーションがとれるかどうか。

バスは、東富士五湖道路を、一路山中湖へ。

到着してみれば、「紅富士の湯」は、自治会のOB旅行で、一度来たことのあるところでした。

まずは、腹ごしらえ。

新年最初のメニューは、そば。

年越しそばは食べませんでしたので、「年越したそば」になりました。

さて、初風呂をいただいた後、撮影場所を探して、あたりをグルグルと散歩して回りましたが、やはり肝心の富士山が、雲に隠れたまま。

あきらめて、裏手の林の中に入って、新年のご挨拶撮影。

帰りのバスに揺られながら、なんとか予定通りに、年賀状動画をアップできました。

さて、そんなこんなの元旦バスツアー。

午後三時には、無事に東京駅八重洲口に到着。

それでは、改めまして、新年のご挨拶をさせていただきます。

 

「西に行きましても、東に行きましても、とかく土地土地の おぁ兄さん、おぁ姐さんに、ご厄介かけがちなる老人でございます。

以後見苦しき 面体お見知りおかれまして、嚮後万端引き立って宜しくお頼申します!」

 

本年もよろしくお願いいたします。