夜寝るときに、音がないと寝れないタイプなんです。
布団に潜り込むときには、何かしら聴きながら眠るというのが習慣になっています。
あまり刺激的な音だと眠れなくなるので、そこは考えます。
基本は音楽で、たいていはジャズがクラシック。
しかし、それもマンネリしてくると、ちょっと前までよく流していたのは国会中継。
もちろんテレビではなく、YouTube です。
「桜を見る会」あたりまでは面白かったのですが、このコロナウィルス騒動になってからは、イライラするのでやめました。
そこで、ここ最近よく利用しているのが、理科系ユーチューバーの「ヨビノリ」シリーズ。
これ、予備校のノリの略のようです。
難しい理数系のお話をわかりやすく説明と言うのがウリの動画チャンネル。
実際は、わかりやすく説明されても、結局よくわからないのですが、非常に耳心地はよい。
布団に潜り込んで聞いていると、いい塩梅で眠くなってくれるので、毎日のように聞いています。
何度も言いますが、極端な理科系オンチです。
空気のように聴いていて、毛穴から少しでも染み込んでくれればしめたもの。
少しは、理解できたかどうかと、淡い期待を抱いて、昨日の雨の一日、本書を手に取りました。
それでは、理解できたことだけ申し上げます。
まず、人間の寸法で、人間の実感としてわかる範囲で、身の回りに起こるすべての運動を説明したのがニュートン力学。
もしも、望遠鏡や顕微鏡が発明されなければ、ニュートン力学は、永遠に不滅でした。
しかし、人間の知的好奇心は旺盛でした。
望遠鏡も、顕微鏡も発明してしまいます。
まず、望遠鏡の発明により、人間は宇宙サイズの営みも、観測できるようになってしまった。
そして、光に速度があることも、知ってしまった。
さあ、そうなると、ニュートン力学では、説明できないことが、マクロサイズの世界では、頻繁に現れるようになってきました。
え? どうしてだ。
そこで、人間はまた考えます。
どうやら、光より早いものはこの世には存在しないようだ。
だとしたら、遅れたり縮んだりするのは実体の方ではないか。
そう提唱したのがアインシュタイン。
彼の天性の才能は、インスピレーション。
そして特技は、思考実験。
人間の感覚では到底理解できない世界で起こることを、頭の中で組み立てていきます。
そして普通の人間の五感では、到底たどり着けない深淵に、アインシュタインの脳だけは到達してしまいます。
それが、「特殊相対性理論」であり、「一般相対性理論」。
これで、一気に宇宙の謎が説明されていきます。
ビッグバン理論も、インフレーション説も、出発点はみな相対性理論ありき。
そして、巨大な重力を持つブラックホールの存在も、一般相対性原理から導き出されます。
よし、これで宇宙のことはおおよそわかった。
相対性原理は万能だ。
ところが、この相対性原理でも説明できないことがミクロの世界にありました。
それが、光の性質。
光の実態は、粒子なのか、それとも波なのか。
普通に考えて、両者の性質は相入れません。
光が粒子であるなら、波の性質があるのはおかしい。
反対に、波であるなら、粒子の性質があるのはおかしい。
この問題を解決したのが量子論でした。
ところが、なんと量子論が出した結論というのが二重性の証明。
つまり、光や電子は、二つの顔を持っているということ。
ある時は粒子で、またある時は波だというわけです。
そして、さらに難解なのがなんと観測者が観測した時点で、その性質はどちらか一方に決定されるということ。
しかもそれは、確率の問題だということ。
この奇怪な事象を証明してしまったのが、量子論というわけです。
なにをどう実験してもそうなるのだから、こればかりはしょうがない。
まさに「事実は、理論よりも奇なり」
しかしこれには、さすがのアインシュタインも納得しません。
「おいおい、待て。そんなことがあるわけないではないか。」
彼の残した有名な言葉。
「神は、サイコロは振らない。」
しかし、何度実験しても、この事実は覆りません。
そして、もうひとつ難解なこと。
中性子や陽子は、複数の素粒子の集合体なのですが、この素粒子の一つを観測した時点で、他の素粒子の性質も決定してしまうということ。
つまり、これは観測した瞬間のことですから、例えばその素粒子の距離が離れていても一瞬のこと。
それは両者の距離を無視して同時に伝わるということ。
待て待て。
同時ということは、つまり光よりも早く伝わるということ?
それでは、「高速より早いスピードはない」というアインシュタインの相対性原理の大前提がそもそも崩れるのでは?
というわけで、マクロの世界を説明した相対性理論と、ミクロの世界を説明した量子論は、とても相性が悪いわけです。
それぞれの世界は、あくまでサイズの問題で、実際には地続きなはずなのに、そこに展開する理論は別のもの。
そこで待たれるのが、両理論を統一した物理学界の究極の統合理論。
様々な学者が、これに対していろいろな理論を提唱していますが、まだどれも仮定段階。
どの理論も、実証はされていません。
これを成し遂げた学者は、間違いなくノーベル賞。
というわけで、人間の英知では、まだまだ届かない世界が、あるということだけは学習させていただきました。
最後に百姓から一言。
「わからなくて上等。ここまで、わかってきただけでもご立派です。
たぶん、ゴールはありません。
また新たな展開があったら、理系オンチでもわかるように、ご説明いただければ幸いです。
とりあえず、ついていきますので。」
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