ビートルズのオリジナル・アルバムの中で、一番好きなアルバムは何?
そう聞かれたら、とりあえず一定時間悩んだ末に、今ならこう答えます。
「ザ・ビートルズ」
これは、アルバムの正式名称。
通称は、説明するまでもなく「ホワイト・アルバム」ですね。
1968年発表の2枚組アルバムです。
このアルバムの魅力は何?
そう聞かれたら、僕はいつでもこう答えることにしています。
「どんな人が聞いても、必ず好きな曲が、1曲か、2曲はあるアルバム」
それくらい、懐が深いのがこの「ホワイト・アルバム」です。
僕の場合、ビートルズ入門は、1972年に発表されたベスト・アルバムから。
「ビートルズ1962-1966」「ピートルズ1967-1970」
こちらは、通称「赤盤」「青盤」です。
全部合わせて、4枚組になります。
もちろん、そんな高いレコードを買うお小遣いなど、当時中学生の僕はもらっていませんでしたから、全曲FMでエアチェック。
そこから、ビーヘトルズにハマっていきます。
そして、以降は、オリジナル・アルバムを持っている友人の家を渡り歩いて、全アルバムをカセットテープに収録。
TDKの46分テープでしたね。
録音順は、年代順とはいきませんでしたが、最後にたどり着いたのがこの「ホワイト・アルバム」でした。
ビートルズを録音したカセット・テープは、ヘビーローテーションで聞き込んでいましたが、最初の頃のお気に入りは、やはり「アビー・ロード」「ヘルプ!」
それから、お約束通りに「サージェント・ペッパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」になり、最後のアルバム「レット・イット・ビー」
「ホワイト・アルバム」は、ビートルズの中では、なかなか上位には浮上してくることのないアルバムでした。
一般的に、このアルバムの評価はといえば、「まとまりがない」「散漫」みたいな云われ方。
「ビートルズ」という名前で、録音されていますが、事実上は4人のソロ・アルバムを集めたものなんて言われています。
前年の「サージェント・ペッパーズ・・」で、ロック史上に燦然と輝くの金字塔を打ち立てた彼ら。
バンドとしての、集中力は、ここでピークを迎えます。
ここで、自他共に認める大傑作を世に送り出したビートルズ。
彼らが再びスタジオに集結した時には、良くも悪くも、彼らの肩の力は完全に抜けていました。
そんな彼らに、もう一度、「サージェント・・」のような、トータル・コンセプト・アルバムを作ろうというモチベーションは、すでにありません。
バンドとして、常に進化し、変化してきた彼ら。
そんな、彼らが次にやろうとした事。
それは、それぞれが、やりたいと思っていたことを、好きなようにやってみよう。
ついて来る人だけ、ついてきてくれれば結構。
何か、そんな余裕と自信が、このアルバムには感じられますね。
ヒットさせようとか、ビッグセールスに繋げようとか、そんな気負いが、このアルバムには一切感じられません。
売れないなら売れないで結構。
と言いますか、すでに大成功を収めていた彼らには、そんな必要も、無くなっていたわけです。
個人的には、このアルバムの極め付けは、なんと言っても「レボリューションNo.9」だと思っています。
実はこの曲は、ビートルズの公式曲の中では、最長の8分22秒。
進化し続けるロックの最終到達地点を、彼らは、もはや演奏も歌もないサイケデリック・ワールドとして、圧倒的な音世界で表現します。
これを、ロックバンドのアルバムで、アートにしてしまうことは、おそらく当時のビートルズにしか許されなかった事だと思います。
波のバンドがやったら、「カネ返せ」と言われてしまうかもしれません。
この楽曲で、行き着くところまで行き着いた彼らは、アルバム「レット・イット・ビー」で、再び、彼らの原点であるロックン・ロールに戻っていくことになります。
それは、ちょうどクラシック音楽のサイクルにも似ています。
バッハやヘンデルの古典派の時代は、ビートルズでいえば、初期のアルバム。
モーツァルトやベートーヴェンのロマン派の時代は、バンドとして一皮向けた「ラバー・ソウル」や「リボルバー」の時代。
そして、ラヴェルやドビュシーで花開く印象派の時代は、やはり「サージェント・ペッパーズ・・」
そして、ホワイト・アルバムの「レボリューションNo.9」で、ジョン・ケージなどの超難解な現代音楽に行きついて、その後は、新古典派として、ロックバンドとしての、原点に回帰していく・・
クラシックの世界は、このサイクルを、およそ300年ほどの期間をかけてグルリと一周します。
しかし、ビートルズは、これを、たった8年間でやってのけるわけです。
その意味でも、彼らが並のバンドでなかったことは、よくわかります。
さて、それでは、そんな「ホワイト・アルバム」。
ここに収録されている全30曲。
唯一カラオケにするのは不可能な「レボリューションNo.9」を除く全ての楽曲が、ご贔屓のカラオケサイト「SMULE」に揃っていました。
これを全て、アルバム収録順にアップ。
今回はこれに、色々な人に、リードボーカルで絡んでもらおうと、コーラス部分だけを先に録音しました。
その状態で、1週間程度、皆さんの参加状況を楽しませてもらい、出そろったところで、残りの楽曲については、僕がボーカルを入れてカラオケ「ホワイト・アルバム」が完成。
コロナの自粛騒動もなんのその。
なかなか楽しい出来になりました。
やはり、「ホワイト・アルバム」は、奥が深い!!
2. ディア・プルーデンス
3. グラス・オニオン
5. ワイルド・ハニー・パイ
6. コンティニューイング・ストーリー・オブ・バンガロウ・ビル
9. マーサ・マイ・ディア
10. アイム・ソー・タイアード
11. ブラックバード
12. ピッギーズ
13. ロッキー・ラックーン
14. ドント・パス・ミー・バイ
15. ホワイ・ドント・ウィ・ドゥ・イット・イン・ザ・ロード
16. アイ・ウィル
17. ジュリア
1. バースディ
2. ヤー・ブルー ス
4. エヴリボディーズ・ゴット・サムシング・トゥ・ハイド・エクセプト・ミーアンド・マイ・モンキー
5. セクシー・セディ
6. ヘルター・スケルター
7. ロング・ロング・ロング
8. レボリューション 1
9. ハニー・パイ
10. サボイ・トラッフル
11. クライ・ベイビー・クライ
12. レボリューション 9
13. グッド・ナイト
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