3作目です。
主役の三人も、ホグワーツ魔法魔術学校の3年生。
13歳という設定のようでしたが、実際はみんな15歳くらいのはずで、日本で言えば中学生くらいになってきました。
原作の設定が、何歳なのかわかりませんが、物語と一緒に、主人公たちも成長していくのは見ていて楽しいものです。
前二作と比べて、おや、ちょっとテイストが変わったかなと思っていたら、監督が交代していました。
前二作は、「ホーム・アローン」で、子役の使い方の達者なところを見せたクリス・コロンバス監督でしたが、今回はメキシコのアルフォンソ・キュアロンという監督。
学園ファンタジーのノリから、今回はかなりSF寄りの物語になっていました。
ディメンター(吸魂鬼)のおどろおどろしい雰囲気など、ホラー映画風味付けもあり。
主人公の成長とともに、「大人」っぽい演出になってきたのは、「狙い」だったかもしれません。
「マージョリーおばさん風船飛ばし事件」「夜の騎士バス暴走事件」を経て、ダイアゴン横丁で、ハーマイオニー、ロンと再会するハリー。
彼らはそこで、アズカバンの牢獄から、シリウス・ブラックが脱走したことを知ります。
シリウスは、ヴァルデモードの手下で、ハリーの両親を裏切って密告し、死に追いやった人物。
シリウス・ブラックは、最初はわかりませんでしたが、ゲイリー・オールドマンだと途中で気が付きました。
ここ最近見た映画では、特に意識したわけではないのですが、オールドマン・ヒット率が高いんですね。
「レオン」「ダークナイト・トリロジー」はすべて、彼が出演していました。
ホグワーツ急行の中で、ハリーたちが一緒のコンパートメントになったのが、新任教授のリーマス・ルーピン。この人は、実は「人狼」です。
ホグワーツに無事到着したハリーたちですが、教師陣がちょっと変わっていました。
まず、ダンブルドン校長の顔が変わっていたので、あれと思ったら、前二作で演じていたリチャード・ハリスが、前作撮影後に亡くなられていたんですね。
演じていたのは、マイケル・ガンボンという人。
ど近眼メガネのシビル・トレローニー教授を演じていたのは、エマ・トンプソンでした。
この人、前作「秘密の部屋」で、ロックウェル教師を演じたケネス・ブラナーの奥さんだった人。
すでに離婚してますから、共演はなかったようです。
それから、前作までホグワーツの森番だったハグリッドが、本作では、「魔法生物生態学」の教授に昇格していましたね。
マギー・スミス演じるミネルバ・マクゴカナル副校長と、アラン・リックマン演じるスネイプ教授はそのままです。
それから、あれー、もしかしてこの人・・・と思ってみていたら、やっぱそうでした。
ワンシーンだけでしたが、ジュリー・クリスティが出ていましたね。
「ドクトル・ジバゴ」のラーラを演じた人です。
後で調べたら、マダム・ロスメルタという役名でしたが、どんな役だったかはちょっと失念しております。
生徒たちは、みんな揃って13歳になっているので、覚えている顔は、みんな少しずつ大人になっていて、シリーズとともに成長しています。
さて、今回の展開は、シリウス・ブラックの正体が判明するとともに、ハリーの両親の殺害事件の真相が明らかになっていくことがメイン・ストーリー。
そして、授業中のアクシデントで、ハグリッドが世話をしている怪鳥バックビークが、マルフォイに怪我を負わせたことで処刑されてしまうのを、時間逆転時計の魔法で、救おうとするハリーとハーマイオニーの活躍がクライマックスです。
クリストファー・ノーラン監督の作品で、時間いじくり演出はだいぶ鍛えられましたので、なんとかついていけましたが、この手の演出にはどうしても、タイム・パラドックスはつきもの。
しかし、そこはファンタジーの強いところ。
あまり、つっこもうという気は起こらないものです。
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」同様、話が面白ければ、野暮なことは言いません。
ルーピン教授が、月夜に狼に変身するシーンは、昔見た「狼男アメリカン」を思い出しましたね。まだ、CGなんてない時代でしたから、あの特殊メイクは度肝を抜かれました。
本作で初登場の、ディメンターが、魂を吸い取る「ディメンターのキッス」のあの演出も、確かあったあったと思い出しました。
「スペース・バンパイヤ」で、ナイスバディのマチルダ・メイのエイリアンが、人間の精気を吸い取るシーンがまさにあれでしたね。
妖怪ディメンターに、顔から魂を抜かれたものは、みんな抜け殻になってしまうわけです。
認知症が発症して、過去の楽しかった思い出や、幸せだった記憶がみんな消えてしまった悲しい老人たちを、前の仕事(老人ホームのリネン配達)の関係で、たくさん目撃していますが、あのおじいちゃん、おばあちゃん達には、ディメンターをやっつけた時のハリーの魔法の呪文をこっそり教えてあげたいところです。
さあ、大声でご一緒に。
「エクスペクト・バトローナム!」
次作は、「炎のゴブレット」!
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