ユージュアル・サスペクツ
1995年製作の、クライム・サスペンスです。
個人的には90年代になると、もうほとんど映画館には行かなくなっております。
専らWOWOWなどの衛星放送を録画してDVDで貯めてはいましたが、仕事が忙しかったので、貯める一方で、ほとんどゆっくりと見てはいません。
大ヒット作品くらいは、レンタルしてきて見てはいますが、やはり学生時代のようなペースでは見られなくなってきていました。
ですから、こういった渋い90年代作品は、結構DVD棚の中でいまだに眠ったままです。
定年退職して、時間は出来たわけですから、映画館も行けることはいけるのですが、人生とは思惑通りにはいかないもので、そんなところへこのCovid-19騒動です。
一応ワクチンも打ちましたし、この騒動もいつかは収束して欲しいとは思いますが、政府のお偉いさん達は、ウイルスよりも自分のたちの権力維持だけにご執心のようで、今や世界のどこの国よりもウイルス退治に遅れをとっている我が国。
従って、当面はこの状態が続くのものと覚悟を決めております
かくなる上は、老後のためにとストックしてある未見映画を、自粛しながらポツポツと見ていくのもいいでしょう。
さて、本作は知る人ぞ知る大どんでん返し映画ですから、もちろんネタバレで本作を語ろうなどという野暮なことはいたしません。
もう26年も前の作品ですが、自分自身も、どんでん返しがあることだけはわかっていましたが、それでもほぼまっさらな状態で鑑賞できましたので、ラストのサプライズは楽しませてもらいました。
但し、冒頭のキャストのクレジットを見た時点で、「あ、これは」と予想した犯人が、悲しいかな的中しまいました。
もちろん推理したわけでも、直感が働いたわけでもありません。
ただ、クレジットされた俳優たちの中で、今回僕がただ一人知っていた俳優がその人だったと言うだけの話です。
ですから、もしも公開当時に本作を見ていたとしたら、ラストのどんでん返しの意外性はもっと楽しめたかもしれまん。
映画はやはり出来る限り、事前情報を入れないで見たほうが宜しいようで。
もちろん誰とは言いませんが、事件の黒幕の正体は、5人のユージュアル・サスペクツ(容疑者)の中の一人だと言うことだけは申し上げておいていいでしょう。
・・なんて誰でもピンときそうな言いぶりで誘導しておいて、実は犯人はその人じゃないよなんて言うことになれば、これがいわゆるミスリードということになります。
「スティング」「シックスセンス」「情婦」などなど、よく出来た「どんでん返し」映画を見ると、このミスリードが、憎いほどよく出来ています。
この出来がいいほど、こちらは気持ちよく「やられた感」を味わえるもの。
ですので、これから本作を見る方には一言だけ。
意味ありげにカメラがより始めたらご注意を。
よくよく考えると、伏線を回収しきっていないことにも気がつきますが、あのラストなら、それはそれで納得させられてしまいます。
アカデミー賞脚本賞に輝いたのは、公開から26年経った今見ても妥当だったと思います。
とにかくこういう映画は、ラストのカタルシス感が勝負です。
ですから、そのためには観客騙しも、反則ギリギリの線までは認められていいでしょう。
気持ちよく、ひっくり返してくれれば、こちらも多少のツッコミどころには目をつぶれます。
今やこういうネットの時代ですから、にわか映画解説者たちが、重箱の隅をつつくように映画をガン見して、何か見つけると、鬼の首でも取ったようにディスったりしていますが、そう言う映画の見方は、やはり無粋と言うものでしょう。
でも、ネタになると思った映画なら、そう言う人たちは何度も鬼のように繰り返しチェックしているようですから、映画の興行にはそれなりに貢献していると言えますけどね。
やはり、ラストのどんでん返しは、ジャンルを問わず、映画の醍醐味だと思います。
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